07年Q4の液晶テレビ出荷台数-過去最高の2510万台-
(2007/12/11 日経エレクトロニクス)
米iSuppliによれば,液晶テレビの世界出荷台数は07年第4四半期に四半期として過去最高の2510万台に達する見通しという。ただし,08年第1四半期の出荷台数は直前期より減少して1950万台となる見込みで,05年以降続いてきた市場の拡大は減速するとみる。減速の要因は,季節的な変動という。その後,08年第2四半期には2190万台まで回復し,08年第3四半期には07年第3四半期以上の出荷台数になるとする。
iSuppliが予測する07~08年の間における液晶テレビ出荷台数の四半期ベースの平均成長率は11.5%
05~06年にかけての平均成長率22.7%と比べると,出荷台数の成長は鈍化すると分析する。年間の出荷台数で見ると,06年の出荷台数は4140万台。これが,07年には7570万台,08年には9850万台,2011年には1億6530万台に達すると予測する。06~2011年における年間平均成長率は31.9%。世界全体の売上高については,06年に478億米ドルだったが,2011年には1162億米ドルに達するとみる。06~2011年における売上高の年間平均成長率は19.4%である。
07年第3四半期のPDPテレビの出荷台数は290万台。2四半期連続して減少した後,増加に転じた。前年同期の出荷台数は250万台,直前期の出荷台数は230万台だった。中東およびアフリカ地域の成長が貢献したという。ただし,出荷台数の成長は,液晶テレビと同様に鈍化傾向という。06年のPDPテレビの出荷台数は930万台。2011年の出荷台数は1930万台と見込むが,この間の年間平均成長率は15.8%である。金額ベースで見ると,06年の売上高は159億米ドルで,2011年には140万米ドルまで減少するとみる。この減少の要因は,平均販売価格の大幅な下落とするが,この平均販売価格の下落によって,PDPテレビは液晶テレビに対する競争力を保っていると説明する。
東芝-量産技術の遅れで有機ELテレビの商品化を延期-
(2007/12/11 日経)
東芝は09年度中に予定していた有機ELテレビの発売を延期する。30型級の実用化を目指していたが、量産技術の開発にメドが立たず、事業化しても採算割れの可能性が高いと判断した。当面、比較的生産効率が良い携帯端末向けの小型ディスプレーの商品化を優先し、来年中にも発売する。テレビは技術開発の動向を見極めた上で事業計画を再検討する方針。
今月にソニーが11型の有機ELテレビを発売したが、月2000台程度の生産にとどまり、当面は赤字が続くとみられている。ソニーは既に27型も試作済みだが商品化のメドは立っていない。大画面の有機ELテレビの本格的な普及にはまだ時間がかかりそうだ。
東芝は今年4月、32型を軸に有機ELテレビを発売すると表明。今年4月には21型テレビを試作、09年度の30型級の実用化に向けて研究を続けてきた。しかし、量産技術の予測が予定より遅れており、さらに研究が必要と判断した。
07年Q3のノートPC出荷台数-89%は台湾製-
(2007/12/11 日経エレクトロニクス)
米DisplaySearch社の調査によれば,07年第3四半期に出荷されたノートPC 2900万台のうちの89%が,台湾のOEM(original equipment manufacturer)メーカーによって製造されたという。台湾のOEMメーカーの生産台数がノートPC市場全体に占めた割合としては,過去最高となった。この割合は06年第4四半期には87%,07年第1四半期には80%,07年第2四半期には85%だった。現在,米Hewlett-Packard(HP)や米Dell米Apple,台湾Acerといったブランドの多くは,自社ブランドの中心的なノートPCの組み立てを下請けメーカーに100%外注しており,東芝やソニー,富士通といったいくつかのブランドが自社内での組み立てを行っている,とDisplaySearch社は説明する。
07年第3四半期におけるノートPCのOEM生産の出荷台数シェアを見ると,首位は直前期に続いて台湾Quanta Computer。対直前期比2ポイント減の34%だった。Quanta Computerの主な顧客はHPやDell,Acer,Appleである。2位は台湾Compal Electronicsで同3ポイント減の24%。同社の主要な顧客は,DellやHP,東芝,Acerなど。3位は台湾Wistronの13%で,直前期からシェアを1ポイント増加させた。Wistronの主要顧客はHPやAcer,中国Lenovoグループである。以下,台湾Inventec Applianceの9%,台湾ASUSTeK Computerの8%と続く。 07年第3四半期に出荷されたノートPC向け液晶パネルは3190万枚。枚数ベースのメーカー別シェアは,首位が韓国LG.Philips LCD。2位以下のメーカーは順に,韓国Samsung Electronics,台湾AU Optronics(AUO),台湾Chi Mei Optoelectronics(CMO),台湾Chunghwa Picture Tubes(CPT),東芝松下ディス
プレイテクノロジー(TMD),シャープである。LG.Philips LCDの供給先上位5社は,HP,Dell,Lenovo,東芝,Appleで,この5社でLG.Philips LCDの出荷枚数全体の68%を占める。Samsung Electronicsの供給先上位5社が同社の出荷枚数に占める割合は73%で,AUOでは78%だった。
NTTドコモ-新たな「キッズケータイ F802i」を発売-
(2007/12/11 日経・朝日新聞・産経新聞)
NTTドコモは10日、置忘れ防止機能や防水機能など安心対策を強化した子供用携帯電話「キッズケータイ F801i」(富士通製)を20日に発売すると発表した。付属の「おまもリモコン」から一定距離遠ざかるとアラームが鳴り自動的にロックされるほか、防犯ブザーを引くと光と音で周囲に緊急事態を知らせる。価格は毎月の基本料が安くなる「バリューコース」の場合で3万円台後半から4万円前後(一括払い)の見込み。
腕時計型のリモコンと携帯本体が5分以上離れると保護者など登録した電話番号に自動的にGPS機能を使って置き忘れた場所を通知。部屋の中などで携帯を見失ったときは、リモコンのボタンを押すとアラームが鳴り場所を知らせる。防犯ブザーを鳴らした場合も登録した電話番号へ自動音声を発信し、居場所を通知できる。
F801iは06年3月に発売した「キッズケータイ SA800i」の後継機種にあたり、新たに水に30分沈めても壊れない「IPX7/IPX5」等級の防水性能を持たせた。10日に都内の旧小学校を使い発表会見した夏野剛執行役員は「私を含め親バカが子どものためにつくった携帯。前作は48万台を超えるロングセラーになったが、今作も期待したい」と述べた。
前作に続きデザインを担当したアートディレクターの佐藤可士和氏は「自身に子どもが誕生したことでよりリアリティーを持って取り組めた。子どもも大人っぽい携帯が欲しいという調査結果からスタイリッシュなデザインにした」とコンセプトを語った。
NEC-WiMAX準拠の製品群を国内外で発売へ-
(2007/12/11 日経・フジサンケイビジネス・日刊工業新聞)
NECは10日、次世代無線通信技術「WiMAX」のシステムを開発・発売したと発表した。WiMAX通信に必要なパソコン用カードや通信基地局を国内外の通信会社に販売する。NECは同システム関連で2010年ごろに年150億~300億円の売上高を目指す。
無線を送受信する基地局やアンテナ、利用者向けのデータ通信用カードなどを用意した。これまで試験用機器を開発してきたが、同社として初めて商用機器を発売した。
地域間の通信環境の格差を解消したい通信事業者や、無線通信網を構築したい新規参入者などに売り込み。3年間で無線基地局1万5000システムの販売を目指す。
NECは台湾の大同電信から今月、WiMAX基地局200基を受注。今後、計画分を含めるとイギリス、フランスといった欧州各国、南米など15カ国で試験導入されるという。将来的に基地局設備で、世界シェア20%を目指す。
WiMAXは広範囲でのブロードバンド(高速大容量)通信を実現する次世代無線技術。NECは今後の通信サービスの柱の1つになるとみて、国内外で関連機器の販売を強化する。
WiMAXは最大毎秒75メガビットという光ファイバー並みの高速データ通信が可能な無線通信技術。来年には日米で商用化サービスが始まる見通しのほか、世界各国で実用化に向けた準備が進んでいる。同社のほか富士通、日立製作所、東芝など日本の通信機器メーカー各社が世界展開を目指して、技術開発を進めている。
東芝-128GバイトSSDを量産へ-
(2007/12/11 Itmedia)
東芝は10日、容量128GバイトのSolid State Disk(SSD)を開発し、来年3月に量産を始めると発表した。
多値NAND型フラッシュメモリを採用したのが特徴。従来のSSDで使われている2値NAND型よりコスト効率が高く、価格は「市場の動向によるが、128Gバイト量産品で10万円を切る程度」(同社広報室)としている。
SSDは、HDDより高速・軽量な記憶媒体として期待されているが、製造コストが高く、64Gバイト品が10万円以上で市販されている。多値型は2値よりも素子当たりの容量が大きく、低コストで製造できるのが特徴。
独自開発のコントローラを搭載し、処理速度は、書き込み最大40Mバイト/秒、読み出し最大100Mバイト/秒と、2値型と同等に高速化。寿命は100万時間まで延ばした。
3mm厚の基板に搭載したモジュールタイプ(2月にサンプル出荷、3月に量産開始)と、1.8/2.5インチのHDDケースに収めたタイプ(4月にサンプル出荷、5月に量産開始)の2種類あり、インタフェースはともにSerial ATA。
松下電器-高級白物家電「プレミア家電」を発売へ-
(2007/12/11 産経新聞・毎日新聞)
松下電器産業は10日、冷蔵庫と炊飯器に最新機能付きの最高級機種を追加し、来年2月1日に発売すると発表した。冷蔵庫はナノテクノロジーを盛り込んだ「コンパクトBiG」、炊飯器はステンレスとセラミックスの重層構造を採用した「スチームIHジャー炊飯器」
付加価値を高めた高級白物家電はシニア層を中心に市場が拡大。三菱電機や三洋電機も炊飯器などに高級品を追加しており、松下電器の参入で競争が本格化しそうだ。団塊の世代を中心に「プレミア家電」として売り込む。
コンパクトBiGは、静電気の力で水からイオンを作り出し、野菜室で霧状に吹きかけて野菜や果物の鮮度を落とすエチレンガスの発生を抑える。ビタミンやポリフェノールなど栄養素を増やす効果もある。野菜室内に水から生成した直径20ナノメートルの微細なイオンを霧状に放出し、食材の劣化を進行させるエチレンガスの発生を抑えるほか、イオンが食材の細胞まで浸透して生体活動を活性化させるのが特徴。食材中にビタミンCなどの栄養素も増え、水分の損失も防ぐ。この結果、低温に弱いバナナやきゅうり、ナスなどの保存が容易になる。
スチームIHジャー炊飯器は、炊飯時に高熱となるステンレス層から熱が逃げるのをセラミックス層が防ぎ、従来より熱量が10%アップ。お米の一粒一粒がよく膨れてふっくら炊き上がるという。また、おこげごはんが炊ける機能も備えた。
市場想定価格は冷蔵庫が28万円前後。炊飯器は標準タイプが11万円前後、大容量タイプが11万5000円前後。冷蔵庫、炊飯器ともに年間3万台の販売を見込んでいる。
会見したナショナルアプライアンスマーケティング本部の高見和徳本部長は「プレミアム需要は今後4~5年は続く」と述べ、他の家電にもプレミアム商品を広げる考え。
トヨタ-プリウス発売10周年・25年ぶり全系列販売へ-
(2007/12/09 朝日新聞)
トヨタ自動車はハイブリッド車(HV)の看板車種「プリウス」について、09年春に「第3世代」に全面改良するのを機に、現在、2系列の販路を全4系列(レクサス除く)に拡大する。全系列販売は工販合併でトヨタが現体制になった1982年以降初めて。09年内に投入予定のプリウス第2弾の新型車も同様。車種と販路の拡大で、ハイブリッド専用車の国内月販目標を約1万台と、現行の倍に引き上げる計画。
トヨタの販売政策は、同一車種を異なる系列で扱わせないことが基本。プリウスは現在、中上級車種を扱う「トヨタ店」「トヨペット店」の2系列で販売しているが、09年からはさらに量販店の「ネッツ店」「カローラ店」でも買えるようにする。
全面改良するプリウスはガソリンエンジンの排気量を1.5リットルから1.8リットルに引き上げるとともにモーターと発電機の能力も高め、パワーと燃費向上を両立させる。国内の月間販売目標を現行の5000台から7000台程度に引き上げる構え。プリウスに続き、09年央投入予定の別の新型ハイブリッド専用車(排気量2.4リットル級)も全系列で販売する計画。月販目標は3500台程度の方向。
プリウスは人気車種だけに、現在扱っている2系列には難色を示す向きもあるが、「環境負荷が低いHVの普及はメーカーの責務。メーカーの論理を消費者に押しつけるべきではない」(トヨタ幹部)と判断した。