IntelとMicrosoft―次世代DVDで「HD DVD」を支持―
(2005/09/28 Itmedia)
IntelとMicrosoftは26日、次世代DVD規格「HD DVD(HD)」を支持するHD DVD Promotion Groupに加盟すると発表した。
評価の結果、同規格が重要な基準を満たし、PCなどのデバイスの相互運用性、消費者にとっての移行のしやすさなど独自のアドバンテージを提供すると判断したからだと両社は発表文で述べている。HDは高精細ビデオの興奮を競合規格よりも迅速に消費者にもたらし、より手ごろな価格のハードとよりインタラクティブな体験を提供する可能性を持つと両社は話している。
HD陣営には、NEC、三洋電機、東芝のほか、Universal StudiosやParamount Picturesなどのコンテンツ企業が参加している。
MicrosoftとIntelは、消費者と業界が次世代DVDフォーマットに求め、HDが満たしている要件として、以下の点を挙げている。
(1)Managed Copy:消費者はこの機能により、ディスクをハードディスクやホームサーバ(IntelのViiv技術を使ったMedia Center PCを含む)に自由にコピーし、ホームネットワークを介して自宅内のすべての部屋で楽しめる。DVDのコピーを携帯デバイスで再生することもできるという。
(2)将来を保証する互換性:1枚のディスクで映画の高精細版と標準版を格納できる「ハイブリッドディスク」技術により、消費者は今は現行のDVDプレーヤーで標準版の映画を視聴し、将来はHD DVDプラットフォームで高精細版を再生することができる。
(3)低コストで量産可能:既存DVDと基本的に同じ製造機器を使うため、容易に生産量を増やし、コストを下げることができる。
(4)容量:立ち上げ時のHD DVD-ROMディスクは2層構造で容量30Gバイト。これに対しBD-ROMディスクは25Gバイト。
(5)双方向性:HD DVDはインタラクティブ機能仕様「iHD」を使ってより優れた双方向性を提供する。例えば、ピクチャー・イン・ピクチャー機能で映画を見ながらその上に監督の解説を流すことができる。
(6)ノートPC向けフォーマットとして優れている:HD DVDは標準的なDVDと互換性があるため、ノートPC向けのスリムなディスクドライブの開発を容易にする。
両社は、単一フォーマットが消費者に早急に採用される理想的なソリューションであると考えていると発表文で述べている。しかし、現時点ではHDが唯一の有望なソリューションだと判断したものの、両社はそれぞれ消費者と業界の要件を満たすフォーマットに向けての取り組みに力を入れるとしている。
MicrosoftとIntelは、Blu-ray Disc(BD)の普及団体には参画しておらず、現時点ではHD陣営との関係を深めたことになる。ただ、今後も、HD陣営だけを支持するかどうかは不透明。BD陣営にも参加する予定はあるかとの問いに対し、両社の日本法人は同日、「将来のことについては、コメントを差し控える」と口をそろえた。
東芝―次世代DVDの「HD DVD」プレーヤー国内発売を延期―
(2005/09/28 朝日新聞・毎日新聞)
次世代DVDの標準規格で「HD DVD(HD)」方式を進めている東芝は26日、年内に予定していた次世代DVDプレーヤーの本格的な発売を来年3月ごろまで延期する方針を明らかにした。米国での発売も来春に延期する。量産が間に合わないことなどが理由という。
東芝が限定とはいえ生産・販売に踏み切ることで、当面はソニーや松下電器産業などが進める「Blu-rayDisc(BD)」方式とHD方式による商品が併存することが確定する。しかし、双方は将来の規格統一を目指すとしており、東芝が本格発売を延期することで、統一交渉に時間的余裕が生まれる可能性がある。
東芝は、年末に量産を始め、年内は国内で数百台程度の限定販売にとどめる。同時発売される映像ソフトも、当初の約90タイトルから国内の数タイトルに減る見通し。次世代DVD再生機能を備えたノートパソコンも発売は来春以降になる。
標準規格の統一交渉は、ディスク構造を巡る対立が続き、中断している。ただ、大量の映像ソフトを握る米ハリウッド勢の選択次第では「発売前の統一もあり得る」(東芝関係者)という。
NTTドコモ―タッチパネル形式のユニバーサルデザイン携帯電話を試作―
(2005/09/29 日経)
NTTドコモは28日、携帯電話のボタン部分をタッチパネルの液晶画面に変えた携帯電話端末を三菱電機と試作したと発表した。10月4日から開催される家電展示会「CEATEC JAPAN 2005」で展示する。
ボタン部分をタッチパネルにすることで、表示するボタンの大きさや形、数を柔軟に変更でき、より使いやすい操作画面を設計できるという。タッチパネルに一度に表示されるボタンは最小3個で、絵文字やテンキーなどにも切り替えられる。またボタンを押したときに手ごたえが感じられるようにするなど、操作を確認しながらの入力をしやすくしたユニバーサルデザイン。
トヨタ―自動車用非接触型キー内蔵の腕時計―
(2005/09/29 日経・日経エレクトロニクス)
トヨタ自動車は28日、非接触型キーシステム「スマートキー」を内蔵した腕時計を開発したと発表した。腕時計を身に着けて車のドアハンドルを軽く握っただけで、ドアの解錠と施錠ができる。まず高級車「クラウン」専用の装備品として全国のトヨタ店で10月4日から販売する。価格は4万2000円。
スマートキーはキー本体から発信する電波を自動車に取り付けたアンテナが受信し、自動的にドアを解錠・施錠する仕組み。腕時計の側面にあるボタンを押すと、遠隔操作によりドアの解錠・施錠ができる機能もある。車内ではエンジンスイッチを押すだけでエンジンの始動/停止も行える。トランクルームの解錠もできる。
腕時計には太陽電池を内蔵しているため、時計機能は電池の交換が不要となるが、電子キーはリチウムイオン電池を電源に利用している。
シチズン時計製の腕時計をベースに開発。スマートキー技術を持つ東海理化が協力した。トヨタは利用者の反応を見て対応車種を増やす計画。
三洋電機―赤字拡大で事業の絞込み加速へ―
(2005/09/29 日経・朝日新聞・毎日新聞・読売新聞)
三洋電機は28日、06年3月期(米国会計基準)の連結最終損益が1400億円の赤字(前期は1715億円の赤字)になる見通しだと発表した。従来予想(920億円の赤字)よりも赤字幅が拡大する。デジタル家電の競争激化による価格下落や、半導体事業が震災による影響を受けたことが響く。
売上高は前期比2%減の2兆4400億円(従来予想は2兆4900億円)、営業利益は57%減の180億円(同650億円)となる見通し。
同時に発表した05年9月中間期の連結業績予想では、売上高は従来予想を据え置くも、従来予想は90億円だった営業損益が50億円の赤字(前年同期は423億円の黒字)、750億円の赤字を見込んでいた最終損益も760億円の赤字(同34億円の黒字)と赤字幅が拡大する。
さらに三洋電機は、7月に発表した05年度から3カ年の経営計画の進ちょく状況と今後の施策について発表した。経営再建にあたっては、(1)大阪府守口市にある本社ビルや全国の営業拠点68カ所の売却(2)創業地の北條工場(兵庫県加西市)を今年度中に閉鎖(3)国内外で社員15%の削減のうち3分の2を06年1月末までに実施(4)物流面では3年間で累計1700億円のコスト削減・・・などを打ち出した。
野中ともよ会長兼最高経営責任者(CEO)ら新経営陣が7月に発表した再建案を具体化。これまで「3年間で1万5000人」とした人員削減は、来年1月末までに全社員の1割に当たる約1万人を減らす。内訳は国内と海外が各5000人を見込む。中核事業とした3分野は、「業務用空調・ショーケースなどの冷熱機器」「2次電池・自動車バッテリーなど電装部品」「携帯電話、デジタルカメラなどモバイル機器」とした。
同時に本社機能を再編成し、グループ全体の国際戦略を統括する「グローバルヘッドクオーター」を設置。
このほか、AV(音響・映像)事業では、不採算事業のDVDプレーヤーやDVDレコーダー、VTR事業から撤退する。テレビ事業については、リアプロジェクションテレビと海外のブラウン管テレビに投資を集中する。基幹部品を自社生産していない薄型テレビはトップを走るシャープ、松下電機産業に比べ、価格競争力で大きく劣る。三洋の井植敏雅社長は「薄型をどうするかは重要な決定事項だが、ここに注力するつもりはない」とした。
さらに、洗濯機や冷蔵庫・掃除機などの白物家電は、取り扱い商品を絞り込む予定。
また、北条工場(兵庫県加西市)と大間々工場(群馬県大間々町)を今年度中に閉鎖。遊休工場の館林工場(同館林市)、波志江工場(同伊勢崎市)、足利工場(栃木県足利市)、吹上工場(埼玉県吹上町)の
用地を売却する。