岩手の野づら

『みちのくの山野草』から引っ越し

当時の仏教界の様子を描く

2018-05-15 09:00:00 | 賢治と法華経
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》  さて、前回、『法華経』の構成は大体分かったのだが、その中身は実際にはどうなっているのだろうか。そのことを、テキストの著者植木氏は次に説明してゆくのだが、その最初の項が〝当時の仏教界の様子を描く〟であり、次のように書き起こしている。  まず第一章「序品(じょぼん)」について、  序品は次のような言葉で始まります。  このように . . . 本文を読む

『法華経』の構成

2018-05-11 09:00:00 | 賢治と法華経
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》  さて、ではそもそも、『法華経』とはどんな中身から成り立っているのだろうか。  同テキストで植木氏は次のように紹介していた。  『法華経』は釈尊滅後五百年頃編纂されたものですが、釈尊が弟子に教えを説いて聞かせるという体裁をとっています。…(投稿者略)…釈尊が教えを説いた場所は、はじめは霊鷲山という山です。これは実際にインドにある低 . . . 本文を読む

大乗仏教の対応と『法華経』の成立

2018-05-10 09:00:00 | 賢治と法華経
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》  では次は「大乗仏教の対応『法華経』の成立」という節に入るのだが、それは「そうした状況の中で、大乗仏教が興ります」で始まり、「小乗教団の内部から、改革派として興ったとする説が有力です」という。そして次のように解説は続く。  大乗仏教はまず「菩薩」をあらゆる人に開放しました。…(投稿者略)…しかし、彼らはそこに二つだけ例外を作りまし . . . 本文を読む

釈尊滅後の仏教の変容(後編)

2018-05-09 09:00:00 | 賢治と法華経
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》  前回、次の五つ、 ①修行の困難さの強調と釈尊の神格化 ②釈尊の位置づけの変化 ③覚りを得られる人の範囲 ④仏弟子の範囲 ⑤釈尊の〝遺言〟のうちの①~③について触れたので、今回は残りの二つについてである。  テキストの著者植木氏は「④仏弟子の範囲」において、  原始仏教では、出家・在家、男女の区別なく「仏弟子」と呼ばれていました . . . 本文を読む

釈尊滅後の仏教の変容(前編)

2018-05-08 09:00:00 | 賢治と法華経
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》  では今度は、「全てのいのちは平等である」という章の中の次の節、「釈尊滅後の仏教の変容」に入る。  前回、仏教は釈尊滅後五百年の間に大きく変容したことを知ったのだが、何がどう変わったのかのポイントをこのテキストは五つ指摘していた。具体的には次の五つ、 ①修行の困難さの強調と釈尊の神格化 ②釈尊の位置づけの変化 ③覚りを得られる人 . . . 本文を読む

小乗と大乗の止揚が『法華経』

2018-05-07 12:00:00 | 賢治と法華経
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》  では今回は本文に入って、「全てのいのちは平等である」という章を学びたい。  この章は最初「インド仏教史の概要」という項で始まっており、まずそもそも、『法華経は』釈尊(お釈迦さま)が亡くなってから五百年ほどだった頃(一世紀末~三世紀初頭)にインド北西部で編纂されたと考えられるのだそうだ。そしてテキストは、仏教史を次のように簡潔に . . . 本文を読む

〝『100分de名著「法華経」』より〟の目次

2018-05-05 20:30:00 | 目次
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》          〝『宮沢賢治と法華経について』より〟の目次 ・Eテレ『100分de名著「法華経」』観逃す ・小乗と大乗の止揚が『法華経』 ・釈尊滅後の仏教の変容(前編) ・釈尊滅後の仏教の変容(後編) ・大乗仏教の対応と『法華経』の成立 ・『法華経』の構成 ・当時の仏教界の様子を描く ・弟子たちを突き放す ・三乗は一乗仏を説くた . . . 本文を読む