道端鈴成

エッセイと書評など

「お笑い民主党外交」を後押ししたマスゴミと愚民

2011年06月15日 | 時事
 思えば、麻生政権時代、日本で『週刊現代』の政治記者をしていた私は、毎週のように、麻生首相の批判記事を書いていた。「麻生総理、この漢字読めますか? 」「ゴルゴ13を見て外交するなかれ」…。いまでも当時のタイトルが頭に浮かぶが、先週、2年ぶりにご本人を間近で見て、懺悔したい気分に駆られた。菅外交に較べたら、麻生外交には何と華があったことか!  民主党外交に較べたら、自民党外交は何と老獪だったことか!  

 私たちはなぜ、「一度任せてみて下さい」などという甘言に騙されて、民主党に政権を託してしまったのだろう?  この2年間、北京から見ていて、民主党外交の杜撰さ、幼稚さには、一日本人として怒りを通り越して、涙が出るほどだ。

 中国はすでに昨年、GDPで日本を追い抜いた。今後、日中間の「経済格差」は、ますます広がっていくだろう。象徴的な例を挙げれば、5月21日~22日に、温家宝首相が訪日し、第4回日中韓サミットが開かれたが、中国ではほとんどニュースにさえならなかった。2008年暮れに当時の麻生首相が音頭を取って、自らの故郷・福岡で第1回日中韓サミットを開いた際には、中国は大型取材陣を日本に送り込み、華々しく報じたものだ。 

 それがたった3年で、中国からすれば、もはや日本など、目に入らなくなってしまった。それは、一つには、G8(主要先進国)の時代からG20(主要国)の時代へ、もしくはG2(米中)の時代へと変遷したからであるが、もう一つは「お笑い民主党外交」を、相手にしなくなってきているのだ。                               
現代ビジネス 6月13日


ここ二年間の民主党政権下で生じた、基地、二酸化炭素削減、バラマキと財政赤字の加速、尖閣、震災対応での無定見・無責任な対応は国を危うくするような大失策の連続で、政治資金に関する無責任な対応ぶりもひどかった。麻生政権の時には海外にいたので、漢字の読み間違えだの、カップラーメンの値段だの、顔の絆創膏だのを大げさにとりあげた日本のマスゴミのバカ騒ぎには直接には接してなかったが、いったい日本国民は何を選択したのだろう。麻生政権当時の二酸化炭素排出削減目標は鳩山氏のような無茶なものではなかったし、エコカー減税やエコポイントなどはリーマンショックからの回復を助けた。自由と繁栄の弧など一応はビジョンも出した上での戦略的外交も試みた。経済危機の時の1年の短命政権で、それなりの成果というところだろうが、ここ二年間の出鱈目と無惨とは比較にならない。上の記事の著者のように愚かな選択を悔いている人はまだ良いが、いまだにその選択を正当化しようとする人は、要は組合のしがらみなどの個別利害が重要なのか、化石化したイデオロギーやその影響下にあるマスゴミに頭をハイジャックされているのか、自虐なのか変態なのか知らないが本当は日本がダメになることが望みなのか、あるいは、これらの複合ということなのだろう。

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