道端鈴成

エッセイと書評など

疑問や批判を抑制・無効化するための法技術者の煙幕について

2005年04月08日 | 人権擁護法案
 法技術者は正当化のエキスパートである。課題が与えられれば、基本的にはどんな依頼者であっても弁護するし、どんな法案であっても関連法規、判例などの知識を総動員して正当化する(注)。法の文言の解釈だけですまない疑問や批判がある場合には、そうした疑問や批判を抑制・無効化するための煙幕を用いる事もあるようだ。

1.法の解釈に関する議論、2.についての言及のある議論のみを論理的とし、法の実際的運用に関する反論は感情論、素人の戯言などとして貶める。

2.些末な法の文言について揚げ足取りをする。

「 >○令状ナシで家宅捜索できる
> ・・・できない、できるのは立ち入り検査
特別救済で立ち入り検査+資料留め置きなんだが 家宅捜索・資料押収 でいいんじゃないの?
条文では厳密には違うけど実質同じ・・・というかたちが悪い

>○差別かどうかは人権擁護委員が好き勝手に決めていい。
> ・・・人権擁護委員は情報を集めるだけ、判断するのは人権委員会
これは人権委員と事務局ですね

>○拒否したら30万の罰金
> ・・・罰金ではなく過料
科料ではなく過料だけど罰金には違いないんじゃないの?

>○もし間違ってても謝罪も保証も一切ナシ。
> ・・・謝罪と保証を求めることはできる
これは意味不明、不服があって裁判を起こすことはできるが
裁判の前に差別主義者として氏名公開 」
  (http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1112699729/  No.678)

注:法技術者、またはそれに類する人と言った方が正確かもしれない。また、課題が与えられればといっても、法技術者も人間だから、自分や自分達の業界の利益に反する事はしない。例えば、人権擁護法により訴訟が増えることが期待できるので、業界の利権につながる。以前のエントリーで小倉弁護士について、特定の背景がないと書いたが、広い意味では、小倉弁護士はよき業界人として、論をたてたと評価できるのかもしれない。

「法律家にとっては大きな利権なんですよ。医療事故の立証が難しい
ように、自らの利権を減らすことを喜んでやる法律家が多いとは到底
思えない。だから、法律家でない若手元官僚達が勉強会を作っていま
法律論にメスを入れようとしている。」(http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1112699729/ No.778)

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1 コメント

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客観的で面白い (大介)
2005-04-15 04:41:25
興味深く読ませていただきました。

また鋭くぐっとくる記事を期待しています。

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