道端鈴成

エッセイと書評など

Dirty Valley Report:ばらまきのために科学技術予算を削る鳩山政権

2009年11月15日 | Dirty Valley Report
河端「民主党の仙谷行政刷新担当相だが、新聞記事によると、「事業仕分け」について「政治の文化大革命が始まった」とか何とか自賛したらしいな。」
道端「はい。テレビでも発言は放送されてますし。」
河端「中国共産党ですら正式に過ちを認めている文化大革命を、肯定的な意味合いで使う政治家が21世紀の日本にまだ生息しているとは、しかもそれが重要な役割の大臣をつとめているとは、驚きだな。」
道端「ヨーロッパではベストセラーになったクルトワらの共産主義黒書も日本ではあまり読まれていないようですし、かつての進歩的文化人の化石化というか(1970年代の終わりに大学の社会学の講義で文化大革命を賛美して熱弁をふるっていた某社会学者を思い出します)、おばちゃん左翼の時代における大衆版でしょうか、その程度の議員も多いのでしょう。いわゆる仕分け人ですが、若手の議員が活躍しているようです。紅衛兵とだぶってしかたがありません。マニフェストが毛沢東語録で。」
河端「そうだな、もうすこし正確を期すと仕分け人はやや幹部に近く、紅衛兵に相当するのはチルドレンとか言われる連中と言うべきかな。委員会では命令のもと紅衛兵よろしく拍手したりヤジをとばしていたらしいしな。マニフェストには書けなかった外国人参政権についても、小沢氏の命ずるままだろうし。」
道端「なるほど、そうですか。それで、仕分け人の手柄でしょうか、スプリング8や若手研究者育成のための予算など必要な科学予算まで削られました。本家の文化大革命にならって、科学技術を敵視しているのでしょうか?人民vsブルジョワ文化みたいな発想のにおいがします。下放などと言い出さなければ良いのですが。」
河端「そこまではいかれてないだろう。発想の親和性程度だろうよ。財政は危機的な状況だし、財政の健全化をめざしているのなら理解できなくもないがな。」
道端「科学技術で比較優位を保とうとするなら、そしてそこにしか日本の未来はないのですから、苦しい中でも将来への投資は優先すべきでしょう。」
河端「まあ、小沢流に言えば、将来のための投資よりも、財政の健全化よりも、票に直接つながる子ども手当2兆3000億円だの農業所得補償6000億円といったばらまきの方が重要なんだろうよ。高速道路無料化もあったな。おおよそのところは、君が以前、永田町票しぐれの替え歌で書いていたとおりだよ。」
道端「小沢氏といえば、湾岸戦争のときに自民党の幹事長でした。国民の税金を1兆500億円拠出する小切手外交を仕切った張本人です。今度は民主党の幹事長ですが、安全、安上がりで評価されていたアフガニスタン沖での給油をやめて、お得意の小切手外交の復活でしょうかアフガニスタン支援に4500億円拠出するそうです。いわゆる地球温暖化問題では排出権取引でしこたま払いそうな勢いですし、海外へのばらまきにも熱心なようです。」
河端「国民や企業の懐に手をつっこんで大金をばらまくなど、さすがは豪腕と言われるだけのことはあるな。」
道端「はい。たしかに豪腕です。小沢氏が自民党の幹事長だったころから始まった日本の失われた20年ですが。時代を決定づけた政治家ということでしたら、小沢氏の時代だったと言えるかもしれません。小泉氏は約束どうり自民党をぶっつぶしましたが、結局、5年間の幕間劇の登場人物でしかありませんでした。しかし、小沢氏の時代がさらに続き、失われた四半世紀になったら、もう取り返しがつかないでしょう。」


永田町票しぐれ(再掲)

永田町票しぐれ

作詩 小沢一郎   作曲 小澤一郎

  票のためなら  空約束もする
  それがどうした 文句があるか
  政権とれば  こっちのものさ
  自民葬る  マスコミ囃子
  小泉自民を  壊しただけよ
  壊し屋一郎  もっとやる
  
 「そやわいは政局師や 補助金の餌もまくし
  特亜にとりいり自治労解同ともつるむ
  せやかて それもこれも みんな政権交代のためや 数が力や 力なんや
  今にみてみい!わいは首領になったるんや
  金丸先生以上の首領になったるんや わかってるやろ 前原
  なんや そのしんき臭い顔は 票や!票や!
  票集めてこい!」
(2007年9月3日)

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