『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

小岩の『世界』を読む会・3月例会は、4名で。

2022-03-24 12:46:52 | 日記
小岩の『世界』3月例会の報告
 
 3月17日(木)、午後7時より、小岩の『世界』を読む会・3月例会がzoomで開催されました。参加は4名(1名途中退場)でした。
 
■第一テーマ・渡辺豪「沖縄・半世紀の群像 川平朝清」
・江戸時代に琉球使として江戸を訪れたりしたが、見下されるようなことはなかった。明治維新の薩長の思想が琉球差別をもたらした。江戸幕府は島原の乱の反省からか、喧嘩両成敗とか一揆が起きれば藩主も罰せられるというように内乱を極力抑えていた。薩長は武の論理、力の論理が強烈で抑圧が徹底的だった。
・キャラウェイに当時の閣僚が語った「そういうときは、がつんとやればいいんですよ」という発言〔p.53〕は、下に居丈高で上には奴隷根性が日本の支配層にある中間管理職的な典型的な姿を見るようでたまらない。
・沖縄を歴史的に見ると面白く、見方が変わる。明、清との朝貢貿易で栄えた。今の沖縄でも東アジアのハブとして重要な役割を果たせるという考えを持つ人もある。沖縄の将来を考える上でも歴史的に振り返ることが大切だと感じる。
・キャラウェイのエピソードで、アメリカ人もこのように媚びへつらう人は嫌うものだ。誰にも対等に接する人の方が信用して認められる。それが出来ないのが自民党の恥ずかしい政治家たちだ。イエスマン、ジャパニーズスマイルしかしないのは、馬鹿にされているのに。その分、アジア人を馬鹿にする姿は本当に恥ずかしい。
 
■第二テーマ・八田浩輔「原発とどう向き合うか?」
・原発はコスト的にも自然エネルギーに負けてきていて、残す余地はないと思うが、原発を正面に据えて、賛成、反対が向き合って国民的に議論することは確かに不足していると思う。
・天然ガスは化石燃料の中では一番、圧倒的にクリーンなもので、順番から言うと最後まで残るが、一〇〇%自然エネルギーは近未来的には原理的に無理だろうということで原発が出てくるのでは。
・原発がダメだったのは、安全性の確立、確保が不十分なのに、実験レベルから政治的な理由や経済的な理由などで実用化してしまったのが問題だったのでは。
・自然エネルギーで賄えるかどうかについて、両論が向き合った議論が不十分だ。
・エネルギーの総消費量をどうするのか、という検討も、この議論に加えるべきだ。
 
■第三テーマ・松本 創「維新を勝たせる心理と論理」
      ・三木義一「身を切る改革を実行したいなら」 
・関西でのテレビでの露出度はとんでもないレベルのものだ。
・「身を切る改革」が受けてしまっている。実際には、そうではない実態があるのに。
・社会のつながりが切れてしまっている状況では自助努力の強調などが支持されやすい。
・市場原理主義のコスト削減策が既得権益を打破するとして受け入れられている。
・東京と比べて大阪が地盤沈下していて、不満があるところに維新が食い込んでいった。
・市場原理主義側からの自民党政治への異議申立てが票を集めたという現状がある。
・大阪の教育のひどい現状、ほとんど教育が崩壊しているのを見ると、これでよく、市長、知事がもっているなと疑問に思う。
・メディアの影響について、「だが、本当にそうだろうか。」〔p.193〕と言っているが、「ふわっとした」個人単位だからこそ、メディアの影響が大きいのではないか。メディアの影響は明らかだ。
・大阪で、吉村、松井をテレビで見ない日はない。それはやはり異常な状態だ。
・維新は関西以西では力を付けているが、東京には都民ファーストがあって差別化できないことがある。
・コロナの状況全国一の死者率とか、公立病院の廃止とかは、維新批判へつなげなければいけないことなのに、維新の何かやっている感が働いてしまった。
・野党共闘、政権交代を言うのではなく、足腰を鍛える段階ではないか。
・「身を切る」というが本当に身を切っているのか、「がんばっている」というが本当に国民のためにがんばっているのか、ということだが。
・批判ばかりしているという批判への嫌悪感、同調圧力が、コロナ禍の下で一段と強まっていることがある。未経験の危機に失敗しても当たり前で、批判しなくてよい責任を採らなくてよいというメンタリティ。よくやっているが、失敗は国が東京が悪いということで、何があっても維新が免責されるということに。それがマスコミで広められた。批判を許さない空気が。
・身内資本主義と新自由主義の組み合わせが大阪ではかなり進行して支配構造を固めているのでは、それは安倍の政治に近いものだと感じる。
・4月号の編集後記に、「維新と経済安保」の特集で売り切れたとあるが、「維新」の前進への分析を求めていることが大きかったのではないか。内容は、それにもう一歩応えていないな、と思った。
 
◎3月号のお薦めは
 ■ 大塩 ・「「赤木ファイル」を読む(下)」    金平茂紀
 ■ 巻  ・「ルーツを巡る旅、ヘイトに抗う道」  安田菜津紀
       でした。
 
◎ 小岩の『世界』を読む会、4月例会 の予定
 ●日 時 4月21日(木) 午後7時
 ●zoomによるオンライン開催
 ※ 参加希望者は連絡下さい。
 ●持ち物 雑誌『世界』4月号
 ○共通テーマ
 ・「日中関係の現在地と方向性」     高原明生
 ・「米中対立と東アジア冷戦」      丸川哲史
 ・「新型ウイルスが問う「学校」」    酒井 朗
 ・「人新世の環境学へ SDGsは「大衆のアヘン」か?」
                宮本憲一、斎藤幸平
 ●連絡先 須山
                 suyaman50@gmail.com
 
コメント
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