(2008.03.23 小石川後楽園)
東京のあちこちで桜が咲き出しました。
毎年,この時季になれば咲き出すと分かってはいるものの、この年一番の桜の
蕾が一つ二つとほころび出すのを見ると、何とも言えない感動に包まれます。
それにしても、我々日本人の桜の花に対する思い入れの深さ・桜の花に寄せる
思いのたけは凄いものがあります。
世界広しと言えども、日本以外どこの国でその国を代表する全国ネットのテレビ放送や新聞が、
桜の開花が近づくにつれて「○月○日ですよ!」と開花予想日を何度も報じ、
その開花日当日にはアナウンサーが満面の笑みを浮かべて「今日、東京で桜が開花しました!」と
全国津図浦々に放送する国があるでしょうか?
桜に寄せる国民的な気持ちの高揚、ひいては四季折々の季節のヒダ(桜に始まり、
梅雨入り、梅雨明け、台風,月見、紅葉などなど季節の移ろいに対する感情の起伏)は、
日本人なら全国民的なレベルでその喜怒哀楽を分かり合える所が凄い。
・私たちは冬から春への季節の移ろい、年月の経過や自分自身の移ろい、などを
桜に託し、その寄せる想いは奈良・平安の昔から多くの和歌に残されている。
・お花見は男女老若,貴賎に関係なく、江戸の昔から国民的な行事として
自然発生的に続いてきた。
桜の傘の下で飲むお酒の、なんと旨いことでしょう!
・一つの花、一つの季節的現象に対して、ここまで盛り上がり熱狂する国民は
日本人以外には見当たらない。
・我々はまた、月が美しいと言ってお供えをし、月を見ながら静かに飲む。
梅雨時には紫陽花が美しいと言って多くの人々が雨に打たれて紫陽花を見に
古寺を訪れる。 なんと美しい心情でしょう!
この国は根本的に素晴らしい国、素晴らしい国民性なのです。
もちろん、少々難はあるけれど・・・ね。