月の岩戸

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ヴィンデミアトリックス・18

2016-12-28 04:16:04 | 詩集・瑠璃の籠

あんなにがんばって
嘘の上に虚栄の城を作り
あらゆるものを馬鹿にして
真の王から盗んだローブを縫いつなげ
明らかに神に成り代わろうとした
その馬鹿が
今更
誰も自分を助けてくれないと言って
世間をなじっている

人間などみな馬鹿だ
いやなものだ
何にもなりはしない
あんなものなどいても
無駄なだけだ
食い物が必要なだけ
苦しいものだ

そのように
何でも言っておきながら
嘘がばれてみると
すべてが崩れていく
あると思っていたものはみな
虚栄にかすんで
意味を失い
ないものに等しいものになっていく

膨らんだ罪だけが
酸の海のように
くるぶしを濡らす
狭い孤島に取り残され
運命に飲まれることにおびえながら
馬鹿は
誰も自分を助けてはくれないと
人間をなじっているのだ

あんなものは馬鹿なものだと
そう言ったものに
頼ろうとしていることが
馬鹿だと思わないようにしている
助けてもらった後で
騙される奴が悪いんだと言って
逃げるつもりなのだ
そうすれば自分が勝てると
馬鹿は思っている

未だにそんなことから
抜け出せていない
汚い根性がもう透けて見えていることに
気付いても認めたくないのだ
そういう馬鹿は
酸の海に溶けていく孤島で
いつまでも泣き叫び続ける

だれも
だれも自分を助けてくれない





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