夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

一人ランチでイタリアン

2017年08月23日 | 俺の女房は- - -

女房は久しぶりに女子会でランチするという。

布切れで小物を作って遊んでいるサークルの仲間と出かけるそうだ。

どこで食事をするのかとたずねたら、なんとウナギで有名な料亭ではないか!

ウナギのランチだったら安くても3,000円はするだろう。

高いウナギを食べるのかと聞いたら、ウナギにするか、別の安いものにするか、皆で相談して決めるという。

安い料理だってあると思うというのだ。

しかし、あの料亭では、かけそばとか、きつねうどんなどの安いものが、あるはずがない。

 

女房は今朝の食事で使った食器を洗い、水切りかごに入れたまま出かけて行ってしまった。

残された俺は食器を拭きながら、お昼をどうしたらよいかと悩む。

俺の得意な料理は、「ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじライス」だ。

俺が名付けた「目玉おやじライス」とは、お茶碗にご飯をよそって、梅干を一つトッピングするだけのものだ。

しかし、これでは物足りない。

俺はスーパーの弁当にしようかと頭をめぐらす。

スーパーの弁当だと、女房の高級ランチに対して、500円か。

みじめだなあ。

そこで俺は外食しようと考えた。

俺と女房が二人で行くことのある韓国料理店へ、今日は俺一人で出かけようと思う。

そして、また考える。 この店のカルビランチは、千円でおつりがくる。

3回食べてもウナギの値段には追いつかない。

もっと高級なところへ行こう。

俺は、一度も入ったことのないイタリアン料理の店へ行くことにした。

いかにも高そうな造りのレストランなので、入ったことはない。

俺は度胸を決めてお店のドアを開けた。

すると、客は誰もいない。ランチタイムなのに誰もいないのだ。

コックが出てきて席へ案内してくれた。

店員はコック一人だけだ。

20席ほどあるお店に客は俺一人だけだ。

コック兼ボーイがメニューを持ってきた。

ランチタイムのメニューは1,600円、から3,200円だ。

女房と釣り合いの取れるメニューは3,200円となる。

しかし、高いものを注文する気になれず、一番安いものにした。

 

最初に、冷たいトマトのスープが運ばれてきた。

次は大皿に「サラダグルマンデジーズ」というものがでた。

メニューを見て、初めて知った名前だ。

トマトを小さく切ったものや、ハーブやレタスや、玉ねぎ?、その他、

チーズらしきものなど、食べたことのないものが少しずつ盛り付けてある。

次にメインのパスタだ。

トマトやハーブ、小エビなどがからめてある。

最後にデザートとコーヒーが出た。

食事を終えても、客は俺一人のほかに誰も来なかった。

きれいなお店だ。 静かだ。

CDから小さな音で音楽が流れている。

高級ワインのメニューがある。 夜には客が増えるのだろう。

昼間だったら、ここは一人静かに物思いにふけりながら食事をする人には、最適なところだ。

 

俺は物思いにふける。

今日の女房達7人は、ウナギを食べながら、うるさくおしゃべりをしていることだろう、と。

そして、それぞれの旦那たちはどんなお昼をとっているのだろうか、と。