Sujak do 〜SujaのDNA〜

興味深く感じたことや読んだ書籍について書いたりしていきます。天然石については、一休み。

当時の避難所を考える〜東日本大震災から13年〜

2024-03-11 14:26:00 | 本を読む
こんにちは
Sujaです

東日本大震災から13年ですね

今回
避難所を題材にした書籍を読みました

垣谷美雨著『避難所』は
2011年3月11日に起きた
東日本大震災で被災した女性3人を通して
避難所での生活やボランティアとの関わり
未だ根強い男尊女卑の考えや家族の在り方など
きめ細やかに表現した作品でした

著者は
かなりの数の文献を参考にしているようなので
実際にそんなモデルがいるのではと思わせます

東日本大震災で被災した人たちのうち
今なお
避難生活を送っている人が3万人弱いるといいます
13年経っても未だ元通りに暮らせない人たちがそんなにいるんです

今年の元日に起きた能登半島地震で
避難生活を送っている人たちは
13年経った時
未だ避難生活を送っている人がいるのか
いないのか?
東日本大震災の教訓を活かして一人の取りこぼしもなく
救われることを切に願います

避難所での課題は山積で
救援物資の分配や
深刻なトイレ事情
衛生問題やプライバシーの問題
お風呂に入りたい
洗濯をしたい
温かい食べ物を食べたい

被災した上に
我慢しなくてはならないことが殊のほか多く
ストレスは溜まる一方です

作中で
パーテーションのない避難所で
乳飲み子を抱えた若い女性が
周囲の好奇な視線に戸惑いながらも
赤ちゃんにお乳を上げるのにも苦労する件があります

毛布を被って母乳をあげていると
女性の舅が「昔の女は人前でも堂々と乳さやったもんだ」と言い
毛布を払い除けようとする件は
鳥肌が立ちました

大切な人を亡くしたうえに
慣れない避難所生活を余儀なくされ
先のことを考える余裕すらない

けれど
生かされたのだから
生きていかなくてはいけない

考えなくてはいけない
どう生きるかを

難を避ける場所
避難所

言葉の通りのスペースになっているのか
細かな問題提起をしている書籍でした

時折
読み返したい1冊です
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説『レベッカ』は印象に残る一冊です

2024-01-07 14:40:00 | 本を読む
こんにちは
Sujaです

昨年1年間で読んだ本が66冊でした📖

月に約5冊程度読んでることになりますね

これはもう「趣味は読書です」
と言い切っていい量ではないでしょうか❓

殆どが図書館で借りたものか
サイクルで頂いたり
古本屋で安く買ったものなので

新作は読んでいないに等しいですのですが

本を読むのは大好きです

いえ

新聞も毎日欠かさず読むので
文字を読むのが大好きなのかもしれません

昨年66冊読んだ中で

印象深く脳裏に焼き付いている作品が何冊かありますが

今回はこれ
ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ


こちらは
1940年にヒッチコックが監督で映画化され
2020年にも別の監督によりリメイクされたようです

1938年に発表されたこの作品には
主人公の名前が出てきません

この斬新さに

ストーリーの中盤に気づき
名前を探して何ページも戻し読みするという羽目に陥りました

ストーリーを大まかに説明すると…

妻を事故で無くした男性マキシムと
若い女性が恋に落ち
結婚するのですが

彼はとても大金持ちの貴族で
後妻となった主人公の女性(わたしと表現されている)は
大豪邸のお屋敷で住むことになります

お屋敷内は先妻であるレベッカの趣味で整えられており

そのお屋敷で働く使用人たちの中には
レベッカのお付きの使用人で
彼女の死後もお屋敷を取り仕切るダンヴァ―ス夫人には馴染めず

主人公の女性(わたし)は
先妻レベッカの見えない影に精神的苦痛を感じ
追い詰められていくのですが
夫となったマキシムの隠された真実も明らかにされて・・・


主人公はごくごく普通の二十歳そこそこの女の子で
貴族の生活には楽しみが夢いっぱいに広がるのに
様にならないぎこちなさが垣間見えると思わず応援したくなります

そしてタイトルの『レベッカ』が
主人公の名前ではなくすでに亡くなっている先妻の名前というところも
衝撃的でした
レベッカという女性の人間性も私の想像を裏切ってくれて
とても面白い作品でした

読み進めていくうちに
映像化するとこのシーンはどんな感じだろう❓と想像するところが多々あり🎥
読み終えてすぐDVDを購入し鑑賞しました


1940年での映像化には限界があることは承知して観ましたので
非常に楽しめました

レベッカが回想として出演するのかなと期待していましたが
それは無い方が良いとヒッチコックは判断したのでしょう
そこは個人的に残念でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災から11年です。何を思いますか?

2022-03-11 13:39:00 | 本を読む
こんにちは
Sujaです

先週
図書館のDVDコーナーで
たまたま見つけた映画作品を借りました

タイトルは
『遺体~明日への十日間~』

東日本大震災で未曾有の災害にあった
岩手県釜石市が舞台となっています


廃校になった小学校の体育館に
次々と運ばれてくるご遺体

ご遺体の扱いやご遺族の接し方もままならない市の職員たちに
元葬儀社社員だった主人公(西田敏行)が
率先してボランティアとして働くストーリーです

この映画を観て
はたと気付きました

災害時の避難所などでは
役所の職員が
管理やまとめ役として配置されるのですが
ご遺体の安置所においても職員の人たちが配置される…

人の死に直面することなどあまりない役所の人間が

想像を絶するご遺体の姿に
どうすればいいのか茫然とするのは
当然のことだなと理解しました

人としての尊厳を重んじていても
状況に圧倒されて何も出来なくなることも理解できました

主人公は
ご遺体に話しかけ
濡れた毛布を取り換え
死後硬直した筋肉をほぐしながら姿勢を正して差し上げます

この映画は
石井光太さんというジャーナリストが書いた
『遺体~震災、津波の果てに~』
を元に制作されたものです


映画の中で
所々、リアル感があり
心打たれるセリフがあるのですが

書籍を読むと

実際に語られた言葉だと知り
本当に胸の詰まる想いになりました

テレビでの報道や新聞などで状況を知っていても
想いは共有できないのだと
今更ながらですが、理解しました

あの状況を経験した人の気持ちを
そう簡単にわかることなど出来ないのです

ただただ想像し
察することしか出来ません

東日本大震災から今日で11年になりますが
あの未曾有の災害を経験した人たちは

大変な事がいくつも有りながら
へこたれず
負けずに
前を向いて生きている

その人たちの姿から
私たちは
生きる勇気を与えられていると感じます


3月11日が来るたび
震災の犠牲になって亡くなってしまった方々へ祈りを捧げると共に
【いのち】を考え
【自然】を考え
【周りの人】の事を考える日になっています
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おい、プーチン。トルストイを知っているかい?

2022-02-26 14:06:00 | 本を読む
こんにちは
Sujaです

ロシア文学で好んで読むのは
トルストイの作品です

トルストイの代表作と言えば
『戦争と平和』とか
『アンナ・カレーニナ』とか
『復活』など

しかし私が好んでいるのは
民話です

『人はなんで生きるか』
『愛のあるところに神あり』
『イワンのばかとそのふたりの兄弟』
『人にはどれほどの土地がいるか』などなど・・・

宗教的であるところと
哲学的であるところが
私の脳細胞を刺激してくれます

特に『人はなんで生きるか』は何度も読み返します

ストーリーは

自身の情を優先させて
仕事を全うしなかった天使に
神が怒り
天使を人間として地上に堕とし
以下の問いに
身を以て答えをみつけるよう命じます

人間の中にあるものは何か
人間に与えられていないものは何か
人間はなんで(何によって)生きるか


長い年月を経て
天使はそれぞれの答えをみつけます

天使は
人間の中にあるものは
愛であると悟ります


そして
人間に与えられていないものは
自分に必要なものが何か知ることが与えられていないことを知り

最後に
人間は、愛によって生きていると知ります

全ての人は
自分のことを考える心だけでなく
愛によって
愛の力だけによって生きている

愛によって生きている者は
神の中に生きている

つまり神はその人の中にいらっしゃる
神は愛

最後の件は宗教的ですが

しかし

人は人の愛によって生かされ
人は人を愛することで幸せを感じ
そして、平和を導く

私はこの作品を読むたびにそう納得するのです

プーチンはロシアにいながら
まだこの作品を読んでいないのではないでしょうか

おい、プーチン
トルストイ読むことをお薦めするよ
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奥田英朗著『東京物語』を読んで、バブル当時を思い出しました

2022-02-12 14:28:00 | 本を読む
こんにちは
Sujaです

年明け早々に
SDGsに関する本を
あれこれと読んだせいなのか
息抜きできるような本を読みたいと思い
選んだのが

奥田英朗著『東京物語』

1978年から1989年のお話しで
80年代後半の
バブル景気に向かおうとしている時代
20代の主人公が東京で
バリバリ仕事をこなしながら
少しづつ大人に成長していくという
オムニバスの小説でした

1985年と1989年のストーリーは
非常に懐かしく当時を思い出しながら
楽しく読むことが出来ました

特に1989年当時の私は
リクルートに勤務していて
仕事に恋に友情にと
毎日充実した
楽しい毎日を送っていた頃です

まぁ、私の場合は
東京ではなく大阪が舞台でしたが

確かに
あちこちで景気の良い話を聞くことはありました

スポンサーが
神戸で船上パーティーをするというので
担当営業マンの代行で私が行くことになり
ブレーンさん(男性)と二人で招かれたのですが

船上パーティーなんて気取った集まりに
お尻がこそばい思いをした記憶があります

パーティーの後
ブレーンさんとどこかのホテルのバーでお酒を飲んだのですが

ロマンスが芽生えるような事はありませんでしたね

どんな話をしたのか覚えていませんが
たぶんあまり話が弾まず

車で来ていたブレーンさんも「送るよ」と言うことはなく
私は電車で帰ったのだと思います

ある人は
琵琶湖にヨットを持っていて
友達と一緒にヨットでお酒を飲んだり
楽しい遊びを経験させていただきました

大阪の北新地で仲間と飲んでいて
「2軒目は京都で飲もう!」と
誰かの車で京都へ行き
朝まで飲んでしまったり
今では有り得ないバカっぷりです

私自身の景気はそんなに良いとは言えませんでしたが
いろいろご馳走してくれる人たちがいたことは確かです

当時は
これでもかというほど遊び
そこそこ働き
そして、恋を謳歌していましたね

仕事で失敗しても
失恋してしまっても
周りの仲間や友達がフォローしてくれて
逆にこちらもフォローして
みんな、少しづつ大人へと成長していったのだと思います

若い時に十分経験したからなのか
今ではすっかり遊ばず
恋も卒業し
穏やかな毎日に感謝と幸せを感じています

やはり若い時は
いっぱい遊び
いっぱい恋して
いっぱい働くと良いです

とはいえ
今の若い人はコロナが重なり
残念だと思うこともありますが

この状況下ならではの
楽しさや喜びや充実感を
自分たちで作れるエネルギーがあるのですから
ぜひ今を楽しんでほしいです

可能性は無限なのです

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする