Web上で、ルディ・バン・ゲルダーのリマスターによるプレスティッジ・シリーズのネタを拾おうとするのですが、その音について言及してくれている人がほとんどいないのですねぇ。残念なことです。ブルーノートのRGVサウンドについての言及はあるのですけれどもね。
日本のジャズ・ファン、オーディオ・ファンは、今回のラインアップの諸作なぞはすでにお持ちな訳です。ですから新たに同じ盤にお金を投資して、果たしてそれだけの価値があるのか!とお思いの方も多いからなのでしょうか。僕も正直そう思います。でもいずれにしてもその真偽を見極めないといけません。というわけで、まさに百聞は一見(一聴)にしかずとの教えもあることだし、重い腰を上げて購入して参りました。
今回は様子見ということで『サキソフォン・コロッサス』と『ラッシュ・ライフ』のみ。しかし何枚持っているのだろう。『サキコロ』はアナログも入れて4枚、『ラッシュ』も3枚あるんですね。まぁ、コンプリートものを入れてですけれども。
さて結論から先に申し上げると「ゲルダー先生、盛大に弄り回しましたねぇ」ということになる。かなりアナログを意識されているのか、相当イコライズしまくりです。使えるイクイップメントをみんな試したんじゃないかな。海外サイトの会議室での発言にはスペアナを新旧で比べていました。まぁ、その弄りぶりは本当に激しいものです。海外のページではブルーノート盤でスペアナをやっていました。聴感上でもそれは感じられてとくに『サキコロ』は世情にあるCDとは物凄い違いです。高域拡張、低域拡張ですね。
まず音圧ががかなり違います。音の善し悪しとは別の次元ではありますが、ジャズ・ファンには受け入れやすい下地が音圧の違いにはあると思います。やっぱり迫力が違いますからね。『サキソフォン・コロッサス』に関してはアナログ的、それも非常にオリジナルに近いアナログ的な音に生まれ変わっています。過去いろいろなアナログ(盤の重さやカッティングを変えた)が出てきましたが、今回のリマスターCDは間違いなくオリジナル盤に近い、アナログ・ライクな音がしています。
そうそう一ノ関の『Royce』で聴かせていただいた『サキコロ』の感動が自宅で甦りました。これは本当に素晴らしいことで、諸手を挙げて喝采を送りたい仕様です。
ならば『ラッシュ・ライフ』も!と意気込んで聴いたのですが、確かにカッティング・レベルは上がっているものの、細部を聴くと、例えばアール・メイのベースは今回のものより、弦の震えなど、そのディテールについては普通の20ビット盤の方がクリアに聴こえます。ちょっと誇張しすぎの感があるアート・テイラーのドラムスの音も誇張されたが故の歪み感が感じられました。
ただし、なのですが、コルトレーンのサックスの音に関して言えば間違いなく今回のリマスター盤の方がリアルです。この点は、ロリンズのサックスも同様で、ジャズ・ファンの涙腺を刺激する音ですね。この辺はさすがにバン・ゲルダー先生ならではの作りかと思ったりします。
たった2枚しか聞き比べをしていませんので、全10枚をすべて聴いてみないとこればかりは分かりません。とは言っても、ホーキンス盤以外はすべて持っているしなぁ、これからこの盤に手を出すのも・・・。
ということで「俺はこの盤をこう聴いた!」と言う方や「ブルーノート盤はこうだった!」とか、ぜひぜひお知らせくださいませ。よろしくお願いいたします。
追記
『サキコロ』2曲目の2秒目、5秒目に「プチ」ノイズが聴こえますが、これは、ビクター音産時代の20ビットマスターCDにも入っていましたが、今回のRGVマスターでも入っているので同一マスターを使用していると思います。
では、旧のCDが悪いかというと、日本人的な感性からすると、旧盤の方がフラットに聴こえますので、悪くはないと思う人が多いと思います。
はてさて、皆様はどうお聴きになりましたでしょうか?
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はっつあん「Sugarさんは、やっぱりあのボリュームで聴いたんスかね、やばいっス」
ご隠居「鼓膜破り!のあれかい」
はっつあん「あれァ泪モンで。あれがタンノイってもンですかい。やぶれちまってもいいから、もういっぺん、おねげェしてえ」
ご隠居「ふっふっ、およしョ昔の虫がおきちまうじゃないかい」
早速、Van Gelder のリマスター版サキコロを買ってきました!
今日は、この時間からボリュームを上げられないので、明日の楽しみとして感想をご報告したいと思います。
ちなみに、サキコロは大好きなアルバムで、残念ながらレコードはもう持っていないのですが、CDは何枚も買いました。
これまで気にいって聴いていた盤は、Phil de Lancie による1987年のリマスターUS盤(ORIGINAL JAZZ CLASSICS)です。
たぶん、記録レベルが今回相当高いので
よく聴こえるという利点があります。(^.^)
ですので、ぜひ音圧出力は同等にして聴いてみて
ください。
お待ちしております。ありがとうございます。
買って良かった!
実は私、本来は、過度なリマスターに否定的なのですが・・・
例え話ですが、くもり硝子の向こうの絵画を楽しもうとする時、どうするか?
絵画そのもののコントラストを上げるとか、輪郭を加筆することなく、くもり硝子を取り払うこと(つまり再生システムを向上させること)にチャレンジしたいと思っています。
ところがこの盤は例外ですね。ここまで行くとアッパレ!
モリタートの出だしにおいて、軽快なジャブが飛んでくるところ、これがストレートの連打になってしまっていて、ちょっと息苦しいのですが、逆にユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズの図太いサックスは涙モノです。
あとは終始、ワトキンスがラージですね(笑)。
僕も買いに行こう!(でもこれを買うと、
全部買うみたいなことになるのが、怖い)
voice and breath-sanが書かれているようにサックスの音は少なくもいい感じです。
問題なのは、今回のリマスターはハイエンド向けではないのではとの感じがややすること。
なんて言えばいいのかなぁ。
シスコン、ミニコン、カーステ向け的なニュアンス
を多少感じてしまうのは、私だけでしょうか?
日本製CDのフラット感も捨てがたいものがあると
の認識が僕の中にはあります。
でも、ジャズ・ファンにはこの音の方が好印象に繋がるのではないかとも思います。
いずれにしても2000円以内なら買いですけれど。
>私だけでしょうか?
>日本製CDのフラット感も捨てがたいものがあるとの認識が僕の中にはあります。
jazzaudiofanさんが持っていらっしゃるビクターの20bit K2は、日本製のCDの中では
最も安心して買えるシリーズだと思います。
どのCDも誇張が少なく良い感じです。
そして、同様に個人的に信頼しているのは、ORIGINAL JAZZ CLASSICS。
今では重複して持っていないので、定かではないのですが、傾向としては、ビクターの方がやや骨太、OJCの方がやや高域の抜けが良いような印象を持っています。
今回のプレスティッジのリマスターは、私Out Thereしか聴いてないのですが、RVGリマスターらしい音ですよね。
ヴァン・ゲルダーのコンセプトが、「きれいな音」とか「ハイファイな音」ということよりも、小さなジャズ・クラブでかぶりつきで聴く感覚を彷彿させる「熱い音」ということなんだと思います。
しかも、当時、何より黒人層に聴いて欲しかったというライオンの意向をくんでいたヴァン・ゲルダーですから、安物のそれこそポータブル・プレイヤーでも迫力ある演奏が飛び出してくるような音作りをしていたんじゃないでしょうかねぇ。
それが、Sugarさんのおっしゃる「シスコン、ミニコン、カーステ向け的なニュアンス」に通じるのかなぁと思ったりもしました。
あっ、そうそう、TBさせていただきますね~
達見です。
PrestigeにしろBlueNoteにしろやっぱり、レースド・ミュージックだったんだと思います。
ですから、いかにポータブル・プレイヤーで「ハッと」するようないい音がするかにかかっていたような気がします。(売れ行きも含めて)
でも、この音に慣れてしまった僕らは、やっぱりゲルダー先生の音というのは、超快感です。(爆)
そこにある音を単に録るというのではない、真の意味の加工芸術がここにあると言えるのかもしれません。
TBありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
2004年発売のスピーカーとアルニコのスピーカー
とで聴いてみました。
盤はOJCとの比較です。
分かったのは新しいスピーカーのようにあまりクセのないものに対してRVG盤は有効だと思いました。
ジャズを聴いている感じが強くします。
スパイスのような感じだと思います。
新しいSPには良いと思います。
古いスピーカーに対しては、OJCでも有効です。
この様な個性の強いSPには、うーん、どうなんでしょうか?。LPが良いような気がします。