まずタイの全国民に謝りたい。
ごめんなさい。なめてました。
映画としては昔のジャッキー映画となんら変わりないのだが(カンフーとムエタイの違いはあるが)、これを実践するのは難しい。少なくともハリウッドでは無理だ。
まず映画会社は、主役は怪我してもいい、エキストラくらいなら死んでもいい(予想)くらいの気持ちでいなくては実現できない。
莫大な制作費とスターのギャラなんかあればすぐ保険だ訴訟だと騒ぐハリウッドでは絶対無理だ。多分それも一因となってデジタル処理全盛時代が来たのだろう。もちろん一番の要因は新しさを追求するところである。しかししかし、いい加減デジタル加工もCGもワイヤーもやりつくされて、飽きっぽい大衆にはそれすら古くさく感じてきた。そんな時にタイから飛び出したのが最新技術を全く使っていない本物のアクション映画だ。映像表現なんかより純粋にアクションが観たいと思っていた人たちにぶち込まれた「喝」のような映画だ。
まず、冒頭。村の大木のてっぺんにある旗を若者たちが取り合う競技みたいなやつで、期待を裏切る映画ではないことを確信する。どう考えても出演者の安全対策なにも考えていない、修羅場のような状況を目撃。みんな、普通に5~6mの高さを背中から落ちている。主役もばっちり顔見せながら、高所を格闘しながら飛び移る。
ポスターのキャッチコピー「仏像を取り戻せ!」これでこの映画のストーリーの50%は語ってしまっている。残る50%を追加するとこうだ。「邪魔するやつはムエタイで撃退」
主役を演じるは、トニー・ジャーというタイ人にしてはめずらしく短い名前でありがたい男だが(もち芸名だろうが)、こいつがとにかく凄い。全盛期のジャッキーを思わせるばっちり顔見せながらのアクション。前述の枝渡りなどほんの小手調べ。トリックなし、ワンカットで車飛び越えジャンプを2回。敵の打撃は明確にジャーにヒットしているし、下半身火だるま(ほんとに燃えてる)状態でのキックのシーンもちゃんと顔を見せている。
トニー・ジャーのくり出すムエタイはシロウト目にも本物の迫力に満ちており、飛び回し蹴り、かわされた、と思ったら、もう一本の足が逆回転して炸裂。悪役の脳天に肘も膝も確実にヒット。明らかにとどめの一撃をさした後も、片膝もちあげた防御体制を崩さない。様々な敵と闘い、苦戦もけっこうしてるのだが、終ってみるといつも圧勝。
監督および主役のインタビューから、この映画のアクション演出の基本方針は「リアルヒット」だったことが伺える。監督は「普通格闘シーンでは当たってるのがわからない角度で撮るものだが、この映画ではあえて当たっていることがわかる角度から撮った。」と頼もしいことを言えば、トニー・ジャーは「もちろん痛いけど試合なら当然のことだしね」「死なない限りは、少々の怪我は怪我の内に入らない」などともっと頼もしいことを言う。
主役だろうがエキストラだろうが本気で蹴って殴って膝入れて肘入れる。考えてみればハリウッドに勝つにはこれしかなかった。言うは易しだが、タイ映画人たちの熱い心意気と4年かけたといムエタイ特訓がそれを可能にした。
今宵はタイの人たち全てを祝福し乾杯したい
ごめんなさい。なめてました。
映画としては昔のジャッキー映画となんら変わりないのだが(カンフーとムエタイの違いはあるが)、これを実践するのは難しい。少なくともハリウッドでは無理だ。
まず映画会社は、主役は怪我してもいい、エキストラくらいなら死んでもいい(予想)くらいの気持ちでいなくては実現できない。
莫大な制作費とスターのギャラなんかあればすぐ保険だ訴訟だと騒ぐハリウッドでは絶対無理だ。多分それも一因となってデジタル処理全盛時代が来たのだろう。もちろん一番の要因は新しさを追求するところである。しかししかし、いい加減デジタル加工もCGもワイヤーもやりつくされて、飽きっぽい大衆にはそれすら古くさく感じてきた。そんな時にタイから飛び出したのが最新技術を全く使っていない本物のアクション映画だ。映像表現なんかより純粋にアクションが観たいと思っていた人たちにぶち込まれた「喝」のような映画だ。
まず、冒頭。村の大木のてっぺんにある旗を若者たちが取り合う競技みたいなやつで、期待を裏切る映画ではないことを確信する。どう考えても出演者の安全対策なにも考えていない、修羅場のような状況を目撃。みんな、普通に5~6mの高さを背中から落ちている。主役もばっちり顔見せながら、高所を格闘しながら飛び移る。
ポスターのキャッチコピー「仏像を取り戻せ!」これでこの映画のストーリーの50%は語ってしまっている。残る50%を追加するとこうだ。「邪魔するやつはムエタイで撃退」
主役を演じるは、トニー・ジャーというタイ人にしてはめずらしく短い名前でありがたい男だが(もち芸名だろうが)、こいつがとにかく凄い。全盛期のジャッキーを思わせるばっちり顔見せながらのアクション。前述の枝渡りなどほんの小手調べ。トリックなし、ワンカットで車飛び越えジャンプを2回。敵の打撃は明確にジャーにヒットしているし、下半身火だるま(ほんとに燃えてる)状態でのキックのシーンもちゃんと顔を見せている。
トニー・ジャーのくり出すムエタイはシロウト目にも本物の迫力に満ちており、飛び回し蹴り、かわされた、と思ったら、もう一本の足が逆回転して炸裂。悪役の脳天に肘も膝も確実にヒット。明らかにとどめの一撃をさした後も、片膝もちあげた防御体制を崩さない。様々な敵と闘い、苦戦もけっこうしてるのだが、終ってみるといつも圧勝。
監督および主役のインタビューから、この映画のアクション演出の基本方針は「リアルヒット」だったことが伺える。監督は「普通格闘シーンでは当たってるのがわからない角度で撮るものだが、この映画ではあえて当たっていることがわかる角度から撮った。」と頼もしいことを言えば、トニー・ジャーは「もちろん痛いけど試合なら当然のことだしね」「死なない限りは、少々の怪我は怪我の内に入らない」などともっと頼もしいことを言う。
主役だろうがエキストラだろうが本気で蹴って殴って膝入れて肘入れる。考えてみればハリウッドに勝つにはこれしかなかった。言うは易しだが、タイ映画人たちの熱い心意気と4年かけたといムエタイ特訓がそれを可能にした。
今宵はタイの人たち全てを祝福し乾杯したい