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脳梗塞に対する血管内治療を普及させるために

2016年11月21日 | 学会/研究会
今回の学術総会の2日目、25日には脳梗塞に対する血管内治療を普及させるために、「脳梗塞に対する血管内治療の普及に関する学会宣言(神戸宣言)」を行います。
脳梗塞に対する血管内治療は、昨年複数の臨床試験でその有効性が確認されました。ではわが国ではどの程度、この治療が行われるようになったのでしょうか?
厚生労働省「平成26年 人口動態統計(確定数)の概況」によれば、脳梗塞による死亡数は年間6万6,058人でした。一方、昨年のt-PA静注療法は1万件強、血管内治療は6000-7000件と想定されます。つまり、死亡例だけを見ても5万人程度の方がこういった急性期治療を受けられなかったことになります。
このたび本学会員所属施設にアンケートを依頼したところ、全てのエリアでこの治療ができるのは47都道府県中、わずか2県(石川県、鳥取県)のみでした。

私たちはこの治療をもっと行わなければなりません。
そのためには、どうするか?
私たちは皆、知恵を出し合い、協力していかなければなりません。
みなさん、是非このアクションに注目して下さい。そして援助をお願い致します。
日本のどこでも、そしていつでもこの治療が受けられるようにするために。

At 2nd day of this meeting (Nov. 25th), we will announce 'Society’s declaration to disseminate acute stroke intervention (Kobe declaration).

The efficacy of acute stroke intervention has been established, but how many patient could receive this therapy?
According to the report from Ministry of Health、Labour and Welfare of Japan, 66,058 died from cerebral infarction in 2014. On the other hand, intravenous thrombolysis with t-PA was performed for approximately 10,000 patients, and acute stroke intervention was done for 6,000 - 7,000 patients. Namely, around 50,000 patients died without receiving acute therapy.
Our questionnaire survey showed only 2 of 47 prefectures were covered by acute stroke intervention in Japan.

We should perform acute stroke intervention more and more to save the patients.
So, what should we do?
We have to put our brains together and cooperate to solve this problem.
Please keep paying attention to this action, and help us to make this therapy available anywhere and anytime in our country.
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
応援しています (KUri)
2016-11-22 19:23:41
先生、素晴らしい取り組みですね。
私の家族も脳梗塞に倒れ、良い治療が受けられませんでした。地方ではやはり不利ですね。
先生達の取り組みで日本中の人が救われることを祈っています。

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