熊野直樹教授が熱弁-新たなファシズムに警鐘を乱打-
さる2月16日(土)に、福岡市の農民会館においてPネットの第19回講演学習会を開催しました。講師の九州大学教授でありPネットの世話人でもある熊野直樹さんが、「安倍政権の成立と新たなファシズム」と題して、安倍政権という「上からのファシズム」と、「ハシズム」と称される橋下維新の会という「下からのファシズム」の台頭について、これらが相互作用して「改憲」へと一気に突っ走る危険性について警鐘を乱打しました。
熊野さんは、特に、安倍政権が来年の参院選をにらんで改憲に必要な3分の2以上の議席を維新の会とで確保して、アメリカと一緒に海外で戦争を行える国にするために憲法9条を改悪し「国防軍」を創設しようとしていること。そして自民党の「改憲草案」99条の「緊急事態」条項に見られるように「管理・監視国家」体制を確立しようとしていることを突き出しました。
そして熊野さんは、安倍政権の新たなファシズムを下から支えるために、「民意」ないしは「民主主義」の名の下に個人の精神的自由に強権的に介入し、「人民投票独裁による強制的な画一化」をめざす「ハシズム」が跋扈していることを、故・具島兼三郎氏が丸山真男氏に先がけて提唱したファシズム論にふまえながら、ご自身の専門であるドイツのナチズムの成立過程との分析・比較において実証的に明らかにされました。
熊野さんは、この新たなファシズムに対しては、下から広範かつ共同のたたかいをつくりだしていくことが大切であると強調されました。
この、熊野さんの新たなファシズムに対しての分析に、参加者の皆さんからは「視点が新たになった」と共感の感想が相次ぎ、活発な質問がおこなわれました。
会場の参加者から「熊野先生のご意見をぜひ広げたい」という要望も出されました。そこで、今回は、当日の熊野先生のレジュメを下記からダウンロードできるようにしました、みなさん、ご活用下さい。
「kumanopdf」をダウンロード