Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

名古屋市、あおなみ線に財政支援。

2006-01-10 22:15:34 | 鉄道(都市部)
JR名古屋駅と金城ふ頭を結ぶ第三セクター、名古屋臨海高速鉄道こと「あおなみ線」。
開業以来、需要予測を大幅に下回る状況が続き経営不振が続いている。
その結果として、2006年度には早くも手持ち資金が底を尽く状況に至ったため、名古屋市が財政支援に乗り出す事が中日新聞に掲載されていた。

記事の要旨は次のとおり。
○名古屋市は運営主体の名古屋臨海高速鉄道に4.85億円の財政支援をする方針を固め、2006年度一般会計当初予算案の財政局案に盛り込んだ。最大出資者の市は初めて税金投入という形で支援に踏み切る。
○名古屋市は名古屋臨海高速鉄道に約245億円を融資しているが、返済利息の補助で3.3億円を支援。さらに新たな無利子融資として約1.5億円を計上した。
○名古屋臨海高速鉄道の2004年度末の手持ち資金は33.8億円。しかしそれも借入金の利子や運転資金の支払いで間もなく底をつき、2006年度には1.7億円の資金不足に陥る見通し。

以前書いた記事と被る部分もあるが、結局マイカーからの転移が進まなかったことや名古屋駅の乗り換えが不便な事も手伝って、利用者数の低迷は続いている。
特に後者については、「どこから乗ればよくわからない」という話をよく聞く。
「乗り場はソフマップの方」と説明すると大体の人は理解してくれるが、今度は「あんな遠くまで歩かされるのか」という感想を聞かされる。
名古屋駅の中央改札口から直接入る事が出来るとその点は改善されるだろうと思うが、現状は「JRの駅の片隅にあおなみ線が間借りしている」という状況で今ひとつ存在感が感じられない。

結局は有効な需要喚起策をどうするか、如何に多くの人が利用してくれるかという話に行き着く。
愛知県には「桃花台線」という反面教師がある。
そもそもの需要予測が過大だった所に持ってきて、有効な需要喚起策もなく、費用節減のための減量ダイヤで本数削減を行い、更に名古屋市交通局上飯田線開通に合わせて利用喚起のため運賃を引き下げた結果、確かに利用客は増えたものの事態を逆転させるに至らず、存廃が議論されるに至っている。

今回、財政支援を行うのは良しとしても、どこまで名古屋市が耐えられるか。
劇的な利用客増は見込めないだけに、今後の焦点はそこにあると考えている。

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