11月末で「地域の足」としての役割を終える神岡鉄道。
その線路を観光鉄道として残そうという構想が飛騨市長から明らかにされた。
「神岡鉄道廃止後は観光鉄道運行 飛騨市が検討」(岐阜新聞、9/20)
「産業遺産として「神岡鉄道」存続を 飛騨市長が構想表明」(中日新聞、9/20)
要旨を整理してみる。
(前提条件)
飛騨市は企業の保有する情報をバックアップする地底危機管理センター建設プロジェクトや、青少年の宇宙科学体験施設整備構想、軌道に光ファイバーを敷設する構想を持っているが事業主体の民間企業が決まらず結論が出ていない。
このため鉄道存続の決め手に欠けている。
(観光鉄道構想の概要)
茂住の選鉱所や周辺で取り壊し予定の設備を神岡鉱業から譲り受けて国の産業遺産登録を行った上で公開、アクセスとして旧神岡鉄道を週末のみ不定期で運行する。
観光鉄道化に際しては軌道などを撤去した場合の経費を担保とし、親会社の三井金属から拠出して貰い運行の赤字補てんや保線の経費に充てることとする。
運行は民間会社に委託するか、施設を貸し付けて行う。
沿線に点在する鉱山施設。
確かにこれだけの施設が展開している場所はそうそうない。
これを活用して産業遺産として登録、その回遊手段として旧神岡鉄道を運行する。
着眼点としては面白い。
ただ、産業遺産として登録すべき施設を保有する企業にはこれから打診するということで企業の意向がはっきりしていない点は気がかりだ。
新聞記事を一読した限りでは飛騨市サイドの気持ちは伝わってくるものの一方的に過ぎるきらいもある。
また、もう一つの問題点として「産業遺産」という概念が一般的なものかということがある。
確かに神岡鉱山一帯の施設は産業遺産として評価される価値はあると思う。
しかし、それらが広く訴求力を持つかという点で些か懸念を抱かざるを得ない。
むしろ四季折々の車窓を売りにした方が良いのではとも考えてしまう。
これらに加えて事業主体として民間企業を想定しているが、仮に事業が失敗した時のリスクはどこまで民間が負うのだろうか。
線路撤去までそのリスクに含めるのは酷に過ぎるような気もするし、構想が軌道に乗れば三井金属が線路撤去するリスクはなくなるものの、その代わりに行政がそのリスクを負う可能性もある。
その点をどう考えているのだろうか。
今後、神岡鉄道の清算は鉄道廃止後の12月から開始される。
飛騨市は1年半を予定している清算期間の間に三井金属と協議して線路存続の可能性を残すという。
今回の構想、唐突に出てきた印象はあるものの、廃止を決定した取締役会で決議された際の「飛騨市を中心に、存続の可能性を検討することは妨げない」という言葉の延長線上にあるものと考えれば理解できる話ではある。
先述した問題点はあるものの、その具体化に向けて飛騨市がようやく動きだした。
線路が残るかどうか、今後の展開に注目したい。
その線路を観光鉄道として残そうという構想が飛騨市長から明らかにされた。
「神岡鉄道廃止後は観光鉄道運行 飛騨市が検討」(岐阜新聞、9/20)
「産業遺産として「神岡鉄道」存続を 飛騨市長が構想表明」(中日新聞、9/20)
要旨を整理してみる。
(前提条件)
飛騨市は企業の保有する情報をバックアップする地底危機管理センター建設プロジェクトや、青少年の宇宙科学体験施設整備構想、軌道に光ファイバーを敷設する構想を持っているが事業主体の民間企業が決まらず結論が出ていない。
このため鉄道存続の決め手に欠けている。
(観光鉄道構想の概要)
茂住の選鉱所や周辺で取り壊し予定の設備を神岡鉱業から譲り受けて国の産業遺産登録を行った上で公開、アクセスとして旧神岡鉄道を週末のみ不定期で運行する。
観光鉄道化に際しては軌道などを撤去した場合の経費を担保とし、親会社の三井金属から拠出して貰い運行の赤字補てんや保線の経費に充てることとする。
運行は民間会社に委託するか、施設を貸し付けて行う。
沿線に点在する鉱山施設。
確かにこれだけの施設が展開している場所はそうそうない。
これを活用して産業遺産として登録、その回遊手段として旧神岡鉄道を運行する。
着眼点としては面白い。
ただ、産業遺産として登録すべき施設を保有する企業にはこれから打診するということで企業の意向がはっきりしていない点は気がかりだ。
新聞記事を一読した限りでは飛騨市サイドの気持ちは伝わってくるものの一方的に過ぎるきらいもある。
また、もう一つの問題点として「産業遺産」という概念が一般的なものかということがある。
確かに神岡鉱山一帯の施設は産業遺産として評価される価値はあると思う。
しかし、それらが広く訴求力を持つかという点で些か懸念を抱かざるを得ない。
むしろ四季折々の車窓を売りにした方が良いのではとも考えてしまう。
これらに加えて事業主体として民間企業を想定しているが、仮に事業が失敗した時のリスクはどこまで民間が負うのだろうか。
線路撤去までそのリスクに含めるのは酷に過ぎるような気もするし、構想が軌道に乗れば三井金属が線路撤去するリスクはなくなるものの、その代わりに行政がそのリスクを負う可能性もある。
その点をどう考えているのだろうか。
今後、神岡鉄道の清算は鉄道廃止後の12月から開始される。
飛騨市は1年半を予定している清算期間の間に三井金属と協議して線路存続の可能性を残すという。
今回の構想、唐突に出てきた印象はあるものの、廃止を決定した取締役会で決議された際の「飛騨市を中心に、存続の可能性を検討することは妨げない」という言葉の延長線上にあるものと考えれば理解できる話ではある。
先述した問題点はあるものの、その具体化に向けて飛騨市がようやく動きだした。
線路が残るかどうか、今後の展開に注目したい。

地元の意思に反する廃線は可能\になったが、撤去工事は地元を無視してできない。
自治体は財政が厳しく地元の未来にマイナスな工事に財政を使う訳にいかない。
撤去工事を避けて保存鉄道にするのも一策か。