8月17日(土)18日(日)
残念ながら、間もなく九州勤務の賞味期限切れになりそう。
九州でやり残したことをちょっとセンチになりながら一つ一つ消化していく。
当地にいるうちに絶対登りたいと思っていた日本百名山の一つ。
九州では骨太と言われる祖母山に職場の有志7名と登ってきた。
今回のコース、尾平登山口~宮ノ原~祖母山九合目小屋~黒金尾根~尾平登山口。
運動不足中年もいるので余裕を持たせた小屋泊まりコースだ。
今回のコースの特徴は水平移動距離が短いくせに標高差1100m以上登る。
ということは結構勾配のきつい登りが続くのだ。
11:00 登山口スタート
さぁ、出発。今は皆笑顔だよね~
森の中を皆ルンルン気分
宮ノ原へのルートの最初にある吊り橋
標識は明瞭
吊り橋を渡っていく、景色にうっとり。今だけ(笑)
吊り橋を渡ってしばらくすると始まる苦行の登り
登る、登る、登るとにかく登る。
勾配もなかなかのもの。
さすが骨太な山と言われるだけのことはある。
幸いにも今日は総勢8名のパーティー、経験、運動不足のメンバーもいるのでいつもよりかなりスローペース。
内心ちょっとホッとする。
自分もこの半年、長期出張やら何やらで山から遠ざかっていたのだ(笑)。
ヒィーヒィー言いながらかなり登ったつもりがまだ3合目1000m!えっ?まだそんなもん(汗)
コースには100mごとにほぼ標識があり、時計の高度計を合わせたりペースをみたり結構参考になるが、逆に残りも瞬時に分かってしまう! ガ~ンまだそんなに?・・・
メンバー中もっとも運動不足、不健康体のS伯隊員、まだこの時点では顔に精気が・・・!
がっ、その後しばらくしてポキポキと心が折れる小さな音がしだしたかと思うと、遂に完全に折れる音がしてエンジン停止。
登り始めて1時間半ほどの出来ごとだった。
降りるか登るか。
全てを総合判断して一人で車に戻り、ビーバーグをすることに決定して分かれる。
早々に隊員が一人減ったのは残念無念。
しばらくして、またまたアクシデント発生。
若さと過去の経験を過信し、事前の体慣らしを怠った新人K村が突然のペースダウン。
宮ノ原の縦走路まであと少しのところで腹痛と足の不調を訴え完全にストップ。
下痢止めにバンテリン、久々のファーストエイド大活躍の大休止。
大休止をしてK村隊員の回復を待っていると、何やら下の方から激しい息遣いとドスドスと足音が聞こえてきた。
クマか??
この時間から登ってくる登山者がいるのか?????
しばらくすると・・・。
なんと、気合いと根性と飯と水で甦ったメタボの不死鳥、フェニックスS伯隊員だった
これには皆本当に感動した。
薄っすら涙をうかべていた隊員もいたとかいなかったとか(笑)。
本人いわく、大休止して飯と水分を補給したら少し楽になったので、15時までに最もきつい縦走路分岐の宮ノ原までやっつけられたらそのまま小屋までGO。
行けなかったら、15時をもってゆっくり下山に変更。
事前のコースの把握と判断力は流石もと船乗りを目指しただけのことはあるなと感心。
結果オーライで無事合流でき、新人君も何とか歩ける状態になったので登頂再開。
そして、この図。
We are the team!!なのだ
足が完全に攣ってしまっては歩けなくなるので、負荷を減らすためにメンバー交代でK村のザックを担ぐ。
写真左が今回の隊で最強?と勘違いされたもののアクシデントに見舞われた、昔特殊救難隊XX猿を目指したがケガで断念した、いまは普通の新入社員K村隊員。
K村の60リットルのザックを気合いで担ぐ? S江隊員は細身の普通の会社員
15時15分いろいろあってかなり時間も掛ったけど、これも想定通りで無事全員縦走路に出る
鬱蒼とした森の中を黙々とつらい登りを続けてきただけに、縦走路は若干視界も開け気分上々だ。
縦走路唯一の危険個所、馬の背。絶景だ。
祖母山頂も真近に見えてきた
余裕を持って計算した想定通りの17時前に全員無事で九合目小屋到着。
そして楽しい宴
甦った己の強さにご満悦のS伯隊員
就寝は、紅一点のひーちゃんもいながら一部屋8名の雑魚寝。夏シーズンの北アルプスの山小屋状態でまるで修学旅行気分。
小屋も快適だった。
祖母山九合目で奏でられる某氏達のいびき二重奏を除けば(笑)!
8月18日(日)
05:43 ご来光
07:00小屋出発。
山頂!念願叶う!
九重方面もくっきり
眼下の雲海、輝く陽光、素晴らしいの一言
07:49下山開始
いきなりの急傾斜を下る。
祖母山は、黒金尾根側の傾斜がきつい
黒金尾根分岐までの前半は、ロープ場、ハシゴ場の連続
安全確保で全員ゆっくり確実に下る。
09:32 黒金尾根分岐到着。
ここからまた、傾斜のきつい長い長い下りが始まる。
幼少のころおてんばでならした?紅一点のひーちゃんも怯まずにロープ場を降りる
長い長い長~い足場の悪い道を降り続け、いい加減太ももも熱く悲鳴を上げかけて来たころ、下の方から渓の音が聞こえ始め、その音がだんだん大きくなるとやがて涼しげな渓谷が迎えてくれた。
冷たい渓の水で顔、頭と汗を流し、体をクールダウン。
後は渓谷沿いのハイキングコースのような道を小一時間で車だ。
予想通りの手ごたえのあるいい山だった。
山も良かったが、8名と言う大所帯でわいわいがやがや、修学旅行にしてはちょっとハードだけど全員無事に登頂し、たぶん皆大自然に感動し、事故なく下山出来た。
これで山行最終章。
3年間の九州の暮らしで良い仲間、良い思い出が出来たけど、新しい旅に出なければならないときになると、その大きさが比例して寂しさも大きくなるのはいつものこと。
たぶんこれが最後の旅。
楽しい思い出を胸にもうひと頑張りだ。
また、いつか会える日を楽しみに・・・。
筆をおくことにします・・・。