安倍政権の閣僚たちは、経団連などの雇われ経営者の集まりで、高度経済成長期に、成功して経営者に上り詰めた経営陣の情報を聞く。
それらの経営者は、経営的能力のうち、組織管理や人材配置など、いわゆるオペレーション能力が優れた優等生たちの集まりだ。
先陣たちが日本の技術力の立ち遅れを徹底的に考え抜いて、技術革新と新規事業の創出を、失敗を重ねながらも積み上げてきた経緯がある。
その成功の遺産を引きついで、効率的な経営に改善してきたことで、企業内で出世して、経営者に就任している。
つまり、土台ができた事業を、着実に拡大してきた成功者たちだ。
この経営陣とばかり付き合って、その声を聞いているだけでは、将来へのイノベーションは、全く起きないのだ。
イノベーションとは、過去の成功した事業や技術を、一時的に否定をして、次元を超えた発想が元になって、引き起こされるのだ。
しかも、過去の成功事例を一旦破壊して進むので、失敗のリスクは非常におおきく、成功にいたるまでには、10年以上、時には30年もかかってしまう場合がある。
このような新技術や新規事業に取組むのは、オーナー経営者、起業家でしかできない。
管理能力に優れた「雇われ経営者」の能力とは、全く別の才能だ。