庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日銀は物価上昇目標をすでに放棄して株高とバブルを狙う。

2017-03-05 | 経済問題

4年経っても物価上昇率は1%にも達しないので、日銀は国債の購入を続けている上に、株式への投資にまで拡大して、市場にお金を流し続けている。

2014年10月から、追加の金融緩和策としてETF(上場投資信託)の購入を

決めて、年間で3兆円も株式市場に流している。

これは、本来の株価の評価額を、公的な資金が占めることになって、正常な株式市場の取引を歪める悪影響が懸念されている。

民間企業の稼ぐ力を、株式市場の取引に参加する「多数の投資家の判断で妥当な株価が形成される」ことで、経営の評価を後世にするはずの市場が歪んでしまう。

 

さらに、政府が所管するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資金を、日本株での運用比率を12%から25%に引き上げて、株式市場に投入した。

この強大なマネーが、「企業業績と株価の連動」を薄めることになって、正当な株価をわかりにくい状況に歪めてしまった。

アベノミクスの失敗の成果を糊塗するために、株価を実力以上に高めにするには、日銀のETFの購入と、GPIFの日本株の運用比率を25%にしてしまったのだ。

今は、その影響もあって、株式市場は高めの相場を形成しているが、これは、企業の実力以上の株価で、一種のバブルである。

バブル経済は、必ずいつかは弾けるのだが、安倍政権はそのツケを、次の世代に回してしまう魂胆だ。

 

日銀がETFを買い続けている限り、株価は実力よりも高値を維持できる。

これは、上場企業にとっても「実力以上の評価額」が迷惑になるはずはない。

GPIF資金の25%も国内株式投資してることで、企業業績以上の株価を実現している経営者たちは、政府の方針を歓迎している。

つまり、意図的な株価の高値維持は、民間企業も政府もバブルの恩恵を受けているので、そのバブルが弾けないように、あらゆる努力をするしかなくなっている。

1980年代の後半から、日本中に土地投機ブームがおきて、民間企業と銀行がそれを支える【不動産バブルが発生】した。

この時と同じ状況のように、株価バブルがおきて政府と民間企業が株価の吊り上げを一生懸命に努めているのだ。

 

土地バブルの場合は、土地価格が上昇しすぎて、国民が住宅を購入しにくくなり、

企業も新規の事業投資が高くつきすぎる状況が、経済に悪影響を与えた。

そこで日銀が金融引き締めに転じて、一気に不動産バブルは弾けてしまった。

今回の株価バブルが弾けるのは、何がきっかけになるかは誰もわからない。

考えられる想定では、超金融緩和政策から転換する「日銀の意向」により、バブルは弾けるだろう。

物価上昇目標2%が達成した段階で、ETFの購入をやめる時に、押し上げていた株価は下落の傾向になるだろう。

だが日銀が引き締めに転換する時は来ない。(続)