スズキの宇宙語練習帖

いわゆるひとつの雑記帳です。

Hungry Like a Wolf

2009-04-24 08:20:34 | サウンド

ロボ


ブランカ

・狼王

久々にボーカロイドを使った曲をネットにアップしました。
今回はだぶるくりっくさんに動画用のイラストを描いていただきました。

人狼狂詩曲

この曲は最近作ったCDアルバムにも収録しましたが、動画版とCD版ではミックスバランスとマスタリングを違えています。動画版では、PCのオンボードオーディオジャックにつないだ小さなスピーカやイヤホンでも歌がよく聴こえるようなバランスを、CD版ではトータルでのドライブ感を重視したバランスを採用しました。CD版ではギターやベースの跳ね具合がはっきりと聴こえる仕様になっています。

今回は、シートン動物記の狼王ロボのエピソードを歌詞や構成の前駆体にしました。人狼(ルー・ガルー)とは数多あるロボのあだ名の一つです。参考にあたってシートン動物記の集英社文庫で出ている翻訳を読んだのですが、オリジナルに忠実なこちらは、よくある児童向けに編集されたものよりも具体的で細かな記述が充実していて、短いながらも読み応えがあります。ロボと妻のブランカおよびごく少数の配下達が、彼らの根城とした一帯においていかほど傑出した存在であったか(奪った他者の生命は万を下らないはず)、一方で彼らに対峙するシートンがどのように非情な狩りを徹底して行ったか、そしてロボの一隊がどのように破滅に向けて追い立てられたか、それらが緊張感溢れる観察的文体で綴られ、剥き出しの暴力性と悲哀に満ちたラストの双方を、互いに鮮やかに浮き立たせています。
本質的なもの、端的でごまかしようのないもの、それのみしか存在を許されない荒野の世界といった趣です。


・Setting Sun

結局OracleがSUNを買収したらしい。それぞれの思惑はあるにせよ、なにがどう変化するかなんて、当の本人達にも言えることではないのだろう。ただもしIBMが買収していたとすれば、遠からぬ将来、おそらくは一も二もなくSPARCは歴史の闇に葬り去られたに違いない。
今月の頭には、かつてのシリコンバレーの王者SGIが2500万ドルで買いたたかれている。


・月は無慈悲な夜の女王

形式的検証について調べていると、面白いことにSynopsysは鉄道関連の会社に投資しているらしいというニュースに行き当たった。おそらくは技術供与も積極的に行っていくものと思われる。
システムの安全性を自動定理証明によって保証するモデル検査、あるいは限られた資源を課せられた制約のもとで配置していくOR的問題。EDAツールと物流には共通する数多くの問題がある。いずれもNP完全であったり、ときにはさらに難しいPSPACE完全な問題だ。これらに対し、限られた時間で有効な解を与える方法こそが求められている。
いまは遺伝的アルゴリズムやアニーリング法など数多のソルバがよく知られ、特定の問題に特化した強力な近似解法も次々に開発されている。果たしてこれらの改良をひたすらに行い続ければ、いつかは"真の解"に限りなく近いものが現実的時間で得られる方法というのを見つけられるのだろうか?
現実にその可能性はかなり薄い、と現在のところ見込まれている。精度付き近似アルゴリズムでは、真の解法にたいしてどれくらいよく近似されているかという下限値を近似率という値で与えられる。(これは対話証明システムを用いて定義される)
この近似率をいくらまで向上できるのか?ということが、すなわち人間に可能な真の解の模倣の限界ということになるが、これはP≠NPの仮定のもとではなんと0.9以下の値しか許されないという結果が得られている。

「一枚の絵が見えた。エイが描いてくれた幸せそうな顔をした私の肖像画。この幸せそうな顔こそ、自分がこれまでずっと求めてきたものだった。だが、ほかの者も私もどうすればいいかと考えたことはない。じっさいに人が天国に住めるわけがないとわかっているのだ。」(宇宙人フライデー/レックス・ゴードン)

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