6月28日(木)、女のスペース・おんでは、北海道内にありますさまざまな団体のひとつとして、韓国「慶南女性人権特別委員会」との交流会に参加いたしました。
交流会は二部構成で開催されましたが、当団体からは第二部のDV、性暴力、女性の人権問題について、韓国側からの報告のあと、女のスペース・おんの活動、そして北海道ウイメンズ・ユニオンのふたつの活動を報告いたしました。
二つの国において、民間シェルターなど女性保護事業の事業費率だけを比べてみても、韓国では国からの助成金が約7割、企業などからの支援金が約3割、それで足りなければ、さまざまな寄付などで賄うことができるとの報告に私たちは大変驚きました。
それに対して、女のスペース・おんをはじめ、北海道の民間シェルターは、利用者の方が入居している期間を換算し交付される委託金が主要な財源であり、その他北海道や各市町村はじめとする補助金収入、そして、さまざまな企業や団体の支援や会員の方々からの寄付などでやりくりをしていて、どこの民間シェルターもいつ潰れてもおかしくない状況であることを報告すると、韓国側の方々からは驚きの様子やため息が漏れる様子が見られました。
北海道ウイメンズ・ユニオンからの活動報告として、職場の性暴力であるセクシュアル・ハラスメントの現状や、当事者の方が回復に向かうまで、さまざまな困難を抱えるにも関わらず、セクシュアル・ハラスメントが未だに男女個人間の問題として扱われ、労災申請や労災認定にも大きな壁があること、しかしながら、当ユニオンではその壁を崩すために、たくさんの取り組みをおこなっていることを報告しました。
その後、韓国と日本、両方からたくさんの意見交換がなされましたが、韓国では女性へのホットライン、そしてワンストップシステムがしっかりと確立していることも伝えられ、日本でも昨年行われたパープルダイヤルのような、性暴力やDV、セクハラなど女性のための24時間ホットラインの常設、そして大阪のSACHIKOのようなワンストップシステムが必要であることをあらためて感じました。
韓国の女性人権特別委員会メンバーの方々は皆さん、パワフルで生き生きとした印象を受けましたが、性暴力犯罪の処罰及び被害者の保護等に関する法律も制定されたうえ、ほとんどが民間というシェルターやホットラインへの専属スタッフや活動資金も潤沢に確保され、ハード、ソフトの両面が整っていることをはじめとして、韓国には、女性省なる女性に特化された省庁があることからもみてとれるように、女性への施策が国をあげての取り組みにまで広がっており、それは長きにわたる女性運動の成果によるものと、つくづく感じました。
当日は、北海道内の大学院生による通訳となり、「なるべく平素な言葉」での会話とお願いがありましたが、当事者の方が自立をするまでの経過などのなかに、手続きの手順や、内容など、かなり専門的な言葉があったにもかかわらず、迅速かつスムーズに通訳をしていただき、私たちの報告内容やその後両国の意見交流も、女性特別委員会メンバーの方々にきっと理解していただけたのではないかと思います。
交流会に参加して、うらやましく思う面もありましたが、DV、性暴力、男女雇用均等やセクハラなどにみる労働問題、そして女性の人権問題に対し、韓国に追いつけ追い越せとの思いで、私たちもますます頑張っていかなくては…と感じました。
(左)韓国側からホットラインなどの紹介
(右)女のスペース・おんの活動のひとつとして北海道ウイメンズ・ユニオンから活動紹介
(写真をクリックすると大きくなります)