銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

バーデンハウス(川崎・川崎)

2018-12-29 07:20:25 | 銭湯



JR川崎駅から歩くこと20分ぐらいのところにバーデンハウスがある。
大通りから少し入ったところで閑静な住宅街にあり、名前から想像するのとは異なり純和風の銭湯だった。



▲川崎駅全景 




▲いつ来ても賑やか


▲シネチッタ方面へと歩く(川崎の銭湯は基本的にこっち側)






▲臨港バスに乗る手もあったが…


▲結局、歩くことに


▲川崎の名所であるシネチッタがみえる。イタリアをモチーフにしてちょっとした街並を再現してる


▲横断歩道を渡り






▲少し歩くと、右手にシネチッタの入り口がみえてくる


▲それを素通りして、とにかくまっすぐ歩けばバーデンハウスに行き着く


























▲ここを右折する。ほんとうはこのまままっすぐ進んでもよかった


▲右折


▲まがったところ


▲すぐ左折


▲あとは直進のみ







 




▲すると、左手に銭湯らしき建物がみえてくる




▲到着


バーデンハウスという名前から奇抜な銭湯を想像したが、見るからに普通の銭湯だ。
中に入ると、入り口の下足箱も普通の下足箱である。


▲こんな感じ


下足箱に靴をあずけて、左にある自動扉から中に入ると、奥行きのある空間が広がる。手前側にあるのがフロント。味わいのある木のテーブル。そして奥は休憩所となるロビーだ。
この辺は和風というか、昭和の雰囲気を醸し出している。


フロントに立つのは、70代ぐらいの女性。とても親切な対応で、感じがすごく良い。
「貸しタオルありますか?」と尋ねると、出されたのがバスタオルのみ。
ん?と思い、それが顔に出たのか
「小さいのもつけますか?」
と言ってくれたので、
「はい、小さいほうで大丈夫です(=小さいのだけでいいです)」と言ったつもりだったのだが、ちゃんと伝えなかったせいかバスタオルとフェイスタオルセットを差し出された。
まあいいかと思ったが、込みで540円(70円??)。このセットでこの値段は破格の安さだ。これならバスタオルがつくのも悪くないと思った。


右側の男湯ののれんをくぐると、最初に見えるのが常連用のロッカー。
そしてそれを越えると、脱衣場全体がみえてくる。
最初に目につくのが、庭。一般的に銭湯だと「坪庭」と呼ばれるが、坪庭とよぶには不釣り合いな大きさだ。
その庭の真ん中にあるのが池で、立派な鯉がざっと7匹ほど泳いでいた。鯉のいる池はたまにあるけど、ここの鯉は殊更おおきい。
その庭にはテラスもあって、外気浴もできる。優雅な気分に浸れるだろう。


そして脱衣場の中はというと、和洋折衷の作りである。
ロッカーは真ん中と左壁にあって、右側は先ほどの庭に面しているので、全面ガラス扉。その前にテーブルと椅子が置いてある。テーブルや椅子はセンスある物だった。
ただ、天井をみると折り上げ格天井で純和風である。
あとは、入り口右側に古いデジタル式の体重計と物置がある。


浴室に入ると、すべてが白で覆われた空間になっている。
左手前に立ちシャワーが1つ。ハンドシャワーになっている。
それと真ん中と左右壁にもカラン。真ん中と右側は、奥の浴槽が手前にせり出しているので若干短い。左側の奥にも浴槽があるが、それは薬湯で小さめなので左側のカランだけは長めだ。


そしてその奥の浴槽を改めて見ると、右側が主浴槽で白湯。手前と奥が段差になっていて、浴槽の中の手前右側が電気風呂。その奥が深浴槽の座湯でジェットバス。3つ連なっている。
左側には球体の噴水があり、その奥がミクロンバイブラと解説があるが、かなり豪快なバイブラでミクロンの要素はない。温度は、42℃ほど。古い銭湯にしては、控えめだろう。


そしてその主浴槽(白湯)と通路を隔てて左側にあるのが、薬湯。この日は「蜂蜜金柑の香り」という名前だけは大げさなものだった。
匂いをかいでみたが、たしかにそんな感じの匂いはするものの、微かに匂う程度。
それよりも気になったのが蛍光色のインクを溶かしたような発色である。みた感じ健康に悪そうだった。


そして、ここの看板であるのが、サウナと露天風呂。
浴室内の右側に扉があり、開けると目の前にあるのが水風呂で、左側にサウナ。そして右に露天風呂がある。


水風呂の頭上にはステンレスのボックスが設置してあり、「頭上注意」というのと、「禁煙」の文字がある。
今どき露天風呂でタバコを吸う人はいないだろうけど、昭和の頃はそれがありえたのだろう。今の価値観で良い悪いというつもりはないのだが、この辺に時代を感じさせた。


そして、露天風呂。
和風の石造りでよくある形ではあるが、銭湯の規模にしては大きめである。手前側が広く、奥に行くほど先細りする。ほかの銭湯と比べて一般的な露天風呂の2倍近くはあるだろうか。
くわえて空を遮るものは一切なく開放感はバツグン。しかも庭の横にあるため、ロケーションは最高である。と書きたいところだが、残念ながら住宅街にあるため露天風呂にはすだれ状の遮蔽壁がある。外の壁が低いので、そうしないと露天風呂が丸見えなのである。せっかくの立派な庭が露天風呂から隣接してるのに見えないのは勿体ない(下の隙間から池を見ることはできたが)。
それと、露天風呂の温度は40℃ほど。水風呂は、温度計を信じると18℃。


客層は、高齢者が中心ながら親子などもいた。この日は日曜日だったので朝風呂があって午前中に訪れたが、まあまあ人がいるかなという感じだった。
帰りのフロントに立つのは同じく70代ぐらいの男性だったが、男性の対応もとても感じが良かった。


シャワーの出は勢いがあって使いやすく、マイルドな温度のお湯と広い露天風呂、手入れの行き届いた素晴らしい庭、目を見張る巨大な鯉。ここが川崎の住宅街にあることを忘れさせるような別世界だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 JR川崎駅
経路 北にまっすぐ進む
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 和風の作り
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 和洋折衷
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 薬湯、座湯、電気風呂、ミクロンバイブラ、露天風呂、水風呂
サウナ あり
温度 40℃、42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれいだが、浴槽の底が黄ばんでいたり、一部タイルがはがれていたりと、古さは目立つ
貸しタオル バスタオルセット(70円)
備え付け なし

◆人
受付 70代ぐらいの男女
客層 高齢者、親子


【案内】

住所
〒210-0804 
川崎市川崎区大島上町1-17

電話
044-322-4364

営業時間
14:45〜24:00 (日曜日は8:00〜12:00も営業)

定休日
3日・13日・23日(土曜の場合は前日、日祭日の場合は翌日)

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載