11月に観たいリストに入れ忘れていた、チェコの鬼才監督
ヤンシュヴァンク・マイエルの最新作
シュヴァンクマイエルというと、シュルレアリスト。
彼ならではのその独特な映像世界が炸裂する作品は観るものを圧倒させるパワーがある。
『アリス』や『ファウスト』
『オテサーネク』では、
欲しくても子供が出来なかった夫婦、夫はある日
偶然見つけた木の切り株を赤ちゃんに見たてて妻に持って帰る。
妻はその子を本物の子供のように可愛がっていく。
すると生を受け、どんどん食べ物を欲求して、、、、、
というチェコの民話を基にした妄想世界。
現在、72歳。その不思議な想像力はどこまでも健在
今回の作品では、上映の前にシュヴァンクマイエル本人が映像で現れて
「この作品は芸術映画ではなく、ホラーです」と主張する。
でも、ホラーといった感じではなく、何だろう?
どんなジャンルにもカテゴリされない。。。。
まさにシュヴァンンクマイエルの世界。
配給側では"哲学的ホラー"
なんて銘打ってる。
シュヴァンクマイエルの映画を初めて観る人は
ちょっとびっくりするかも。
映像による視覚的衝撃というのはないけれど、
心の底に潜在的に潜む人間の不気味さをそこに見る。
時折挿入される、随所で這いずりまわる
肉・肉・舌・肉・肉・舌・・・
ストップモーションアニメという手法で随所に入るソレは、
グロテスクで生生しい。
どこまでもシュール
広がる妄想世界
狂気に満ち溢れた現実
8/10
"普通の映画"を観たい人はやめた方がいい。
どこまでも"普通じゃない、世界"が炸裂します。
アート映画は好きじゃないわたしですが
個人的にはこれまでのシュヴァンクマイエル作品の中で『アリス』に次いで好きかな。
何と言うのか、普通の感覚で観ると
なんじゃこりゃー!なシュヴァンクマイエルワールド
普通じゃ、もはや物足りない!という方におすすめ★
公式サイト
SELENI 2005年 チェコ 123min
11/18~公開中~
ベルロは、男たちに無理やり精神病院の拘束服を着せられるという悪夢に度々うなされていた。
精神病院で死んだ母の葬儀を終えたばかりの彼には、自分も精神病院に送られるという恐怖が付きまとっていたのだ。
偶然居合わせた宿で、ベルロの姿を目た侯爵が自分の城へと招く。
そこではおぞましい乱交が行われていた。
逃げようとするも侯爵によって、恐怖の克服には実体験が必要だと精神病院に連れて行かれてしまう。
そして、そこで13階段の治療法を知ることになる。
映像が凄いってだけじゃなく、もちろんちゃんとストーリーがある。
その奇妙な世界にどんどん自分まで入って覗き見してる感覚に陥る...
神、自然への冒涜
この狂人、マルキ・ド・サド公爵がモデル。
この人のイカれた行動から目が離せない。
抑圧された自由と、開放された自由。
ほんとうの自由とは??
妄想に出て来る二人の(双子)大男が何ともいい味★
時どき、プっと笑いたくなる箇所もあるんだけど
皆シーンとして観てる。普段なら気にせず笑いたいとこは笑うけど
シュヴァンクマイエル熱狂ファンの人から「そこ笑うとこじゃねぇ」
ナンテ怒られちゃいそうなので
控えめにクスっとしておきました。
ラストカットは不思議な余韻と独特なインパクトを残す、、、。
※上の画像はそれとは違います
シュヴァンクマイエル監督来日
<12/2(土) 渋谷イメージフォーラムにて『ルナシー』18:30の回上映前に舞台挨拶あり!! >
興味のある方は是非♪
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