魔法の弾丸

自己に対する選択毒性

福音

2008-11-30 11:21:14 | Weblog
「あなたは忘れないでしょう。わたしが一度、その人生を横切ったならば、その人はわたしを忘れないでしょう」

「なぜ」

「わたしが、その人をいつまでも愛するからです」

死海のほとり/遠藤周作






自分の人生を振り返ると、自分で意識して環境を選んできたわけではないけれど、
幼稚園、中高とカトリック教育を受けてきた。


その環境にいた頃は、宗教について深く思考することはなかった、というよりも
思考するだけの能力も信じる強さもなかった。




それでも、キリスト教的思考がインプリンティングされていると最近よく思う。



イエスの行なった奇跡や復活は、現実には起こりえない非科学的なことだと思っていた。







遠藤周作の描くイエスは今まで知っていたイエスと違う。
奇跡や復活の意味を深く、深く思考させる。


だた寄り添うことの意味を、人を憂い想うことの意味を。






この一球は二度とない

2008-11-29 22:54:03 | Weblog
王監督引退のドキュメンタリー番組を見た。


穏やかな表情からは、想像できない厳しい言葉でチームを率いていた。





プロはミスをしてはいけない。
人間だからミスを犯すのはしょうがないと思う人間は、必ずミスを犯す。


やらなければ、できない。
だからといって、やったから必ず成功するわけではない。
ただ、そのチャンスが増えるだけだ。



言葉の背景には、自分がやってきたという誇りと実績があるからだ。
誰よりもストイックに、諦めずに、孤独に。


see more glass

2008-11-28 23:27:41 | Weblog
「あのりんごの中に何が入っていたか分る?論理ですよ。論理とか、そういった知的なもの。りんごに入っていたのはそれだけなんだ。だがね―僕が言いたいのはここなんだけど―あなたがもし物をありのままに見たいと思ったら、そいつを吐き出してしまわなきゃいけない。つまり、そいつさえ吐き出してしまえばもう、材木がどのうのこうのと、つまんないことに煩わされなくなるってわけ。いつ何を見ても、終わりがあるようには見えなくなるし、ついでに言えば、あなたの腕が本当は何かってことも分るようになる。ぼくの言う意味、分るかしら?随いて来れる?」

teddy/J.D.サリンジャー




A Perfect Day for Bananaの導入としての役割を果たす物語。
シーモア・グラースの幼少時代と考えれば、グラースサーガの重要な部分として機能する。



もっと鏡を見よ!!

party

2008-11-28 02:07:03 | Weblog
僕は自分で思うよりも、
ずっとずっと素敵な仲間に支えられて実習を乗り切れたと思う。




班のメンバーが発表された当時は、誰と話せばいいんだろうと不安だった。

実習が終わって、心からこのメンバーでやれて良かったと思うようになった。




群れるのではなく、しっかりとした個性を持ち、集団のときは互いにフォローできる、理想的な仲間だった。



実習が始まるまでの5年間では、ほとんど話したことがない奴と
机を並べて、症例・技工についての議論やくだらない雑談をしたりと、そのどれもがとても新鮮なものだった。




本気で向かい合い、お互いが共通の目的をもって理解し合うことの尊さ、すがすがしさを体験した。





この仲間のほとんどは、県外へと修行に出る。

寂しいけれど、いつの日にか彼らと語り合うときが来たとき
誇らしく自分の仕事を話せるように、これからの日々を精一杯過ごしたい。




終了

2008-11-26 21:18:25 | Weblog
本日をもって臨床実習が終わった。



長いようで短い一年間だった。
不安でたまらなかった去年の12月。




たった一年で誰かのために何かを出来るようになったわけではないけれど、
まだまだ自分の手技で精一杯だけれど、



ほんの少しだけ、見えなかったものが見えるようになったと思う。




同期との濃密な人間関係。

指導医との厳しい師弟関係。

看護師や衛生士との連携。

患者家族の想い。






そして自分が本当にやりたいこと、やろうとしていることの意味を。





僕は一生この経験を忘れない。