読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

吉田修一著「犯罪小説集」

2017-06-02 | や・ら・わ行

人間の深奥に潜む、弱く、歪んだ心。どうしようもなく罪を犯してしまった人間と、それを取り巻く人々の業と哀しみを描いた五つの犯罪にまつわる小説が収録された短編集。

女児が行方不明になったことで揺れる小さな村の夏。・・・「青田Y字路」三角関係のもつれで店の客に内縁の夫殺しを依頼したスナックのママ。・・・「曼珠姫午睡」バカラ賭博で何億もの借金を重ねる大企業の御曹司。・・・「百家楽餓鬼」老人たちの集落で孤立した六十代の“若者"が振るう凶刃。・・・「万屋善次郎」華やかな生活から抜け出せなかった元プロ野球選手はどうなったのか・・・「白球白蛇伝」

どの話も実際にあった似た事件の話だった。逮捕や発覚は、この本の中で事件の瞬間のひとつであった。なぜ犯罪に手を染めてしまったのか、犯人の心理描写もふくめよく書かれているがどれもやるせない読後感の悪い5つでした。

201610KADOKAWA

コメント
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