読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

桐野夏生著「優しいおとな」

2012-05-01 | 桐野夏生
舞台は、近未来の東京渋谷。家族をもたず、信じることを知らない少年ストリートチルドレンのイオンを主人公にしたサバイバル物語。
近未来の東京の荒廃は凄まじい、自殺者年間3万人、増え続ける失業者、生活保護受給者の増加、格差社会の拡大はこのまま行けばきっとこうなるのではという認めたくない社会。
登場する少年たちにしても単に親に捨てられた子供でなく、カルト的実験集団で育った過去を持つ設定は想像外だった。
『おとなは3種類だ。優しいか、優しくないか、どっちつかずか。優しいおとなは滅多にいない。優しくないおとなからは、すぐ逃げろ。でも、一番僕たちを苦しめるのは、どっちつかずのやつらだ。しかも、そいつらは数が多い。絶体に信用するな。ともかく、おとなを見極めろ。それしか僕たちの生きる道はない』(P58)
随所の挿画・挿絵がいい。暗い陰湿な雰囲気が漂う作品で好き嫌いがはっきり別れる作品だろうが
人間関係がご都合主義的でオチ・結末も不満。何が言いたかったのか掘り下げ不足の感あり。
話しが破綻しそうでそのハラハラがスリルだった。
2010年9月中央公論新社刊
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桐野夏生著「ポリティコン」上・下

2011-08-15 | 桐野夏生
大正時代、東北の寒村に芸術家たちが理想郷運動の考えで創ったユートピア「唯腕村(いわんむら)」が今も存在するという1997年頃以後を舞台に、今の日本の縮図社会のごとく村の3代目後継者高浪東一とその村に住むことになったの真矢の視点で描いた長編小説。
1997年3月、村の後継者・東一はこの村で美少女当時高校1年生のマヤと出会った。
マヤの父親は失踪、母親は中国で行方不明になったママ帰らず、母親の恋人だった北田という謎の人物の「娘」として、北田の外国人妻スオンとともにこの村に流れ着いたのだった。
自らの王国「唯腕村」に囚われた男と、家族もなく国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、
愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。
過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、外国人妻、脱北者、国境・・・東アジアをこの十数年間に襲った様々な波は、いやおうなく日本の片隅の村を呑み込んでいった。
過疎と高齢化により経済破綻しつつあった村の二代目の現理事長・素一を父にもつ村のエリートといっても、いま村には東一以外の若者はいないのだが、その後継者として村を立て直そうと奮闘するのだが・・・。
ユートピアはいつしかディストピア(理想郷 ユートピアの正反対の社会である。
原義はギリシャ語の「阻害 された場所」であり、極端な管理社会で、基本的な人権を抑圧するという社会)になりさがった。
「国家や共同体について抽象的に語るのではなく、矮小な毎日の暮らしのなかで具体的に考えることしかできない。それが小説だと思います」
「私は啓蒙的な話も、主人公が成長する話も嫌い。社会派でもないし、政治的でもない。ただ、今の社会に生きる人の姿を描く」(著者)
社会や地域、親戚・親子のつながりすら薄くなりつつある「無縁社会」における孤独死たいする
一つの考えのヒントになるかも。
前作「東京島」で閉ざされた環境での人間関係を描いて面白かった著者が今度は唯腕村で展開するぐちゃぐちゃな人間関係、唯腕村と東一がどのように転落するのか、マヤがどのような酷薄な運命を辿るのかがミステリーになってぐいぐい物語りに引き込まれたが800ページ以上の長編一気に読み終えれた。
此処に描かれた男も女も自堕落でハラハラさせる存在だが何故だかいとおしい人間だった。
破滅から再生の息吹をうかがわせる結末でホットした。
『男の幸せを決定するかなりの要素は、女の存在なのだ。「女はすげえな」』(本文より)


2011年2月 文藝春秋刊
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桐野夏生著「ナニカアル」 

2010-09-07 | 桐野夏生
『放浪記』『浮雲』の作家・林芙美子(1903〜51年)の秘められた時代を桐野夏生が圧倒的な創造力で、炙り出した長篇小説。
林芙美子は昭和17〜18年、陸軍報道部の徴用によって嘱託となって南方(仏領インドネシア・シンガポール・ジャワ・ボルネオ)に行く。
そういう史実を元に著者が戦事下の熱烈な恋愛と、その果ての妊娠、出産という思い切った仮説をたてて創造した小説。
芙美子の「遺作」が見つかったというところから始まる。「遺作」を読むことで、芙美子の人生をたどることになる展開。
だが、その「遺作」が芙美子の手記なのか創作なのかは、最後まで明かされない。
そこで芙美子は何を見たか。何をしたか。そして戦争をどう思ったか。
当時芸術家といわれる人たちのほとんどはペン部隊としてや、徴用などで積極的に戦争に関わりをもたざらずを得ず芙美子もまず広島宇品から門司港を経て17日間に及ぶ船旅の昭南(シンガポール)に向けて船出する。
その舟には軍人はもとより、娼婦になる人、占領地でひと旗あげたい人など、みんなが乗った「偽装病院船」だった。
やがて斎藤謙太郎という恋人が登場する。「毎日新聞」の学芸部の記者。
40歳の芙美子より七歳下。家庭がある。
二人は昭和12年に知り合い、恋愛関係になった。そして南洋に特派員としてやってきた謙太郎と芙美子は宿泊先で密会を重ねてゆく。
戦争下のこと。知られたら非国民と指弾される。
命がけ、必死の恋である。だからこそ燃えあがる。恋というより修羅。
『今この一瞬、あなたと抱き合えれば、愛さえあれば、私は構わない。今この一瞬、あなたと抱き合えれば、愛さえあれば、私は構わない。』(中帯より)
しかし、二人の関係は当然、軍部に、そして憲兵に知られていた。憲兵らしき男は芙美子を脅す。「先生、ジャカルタの憲兵隊本部に行きますか。誤解って言うなら、そっちで懇切丁寧にご説明しましょうか? ご同行願えますかね」。(333P)
南洋から帰って芙美子は、新宿の病院でひそかに謙太郎との子を生む。その子を世間には養子といって育てることになる。
1942年(昭和十七年)、南方への命懸けの渡航、束の間の逢瀬、張りつく嫌疑、そして修羅の夜。
見たい、書きたい、この目に灼き付けておきたい! 波瀾の運命に逆らい、書くことに、愛することに必死で生きた一人の女(芙美子)は、夫には、不倫の他人の子を宿しながら密かに産み、貰い子と言って養子にしてしまう。女は、逞しくもあり本当に恐ろしい。
当時としては特異なノーモラルで、ノールール、『元気、というか無道徳な人』のイメージ。
巻末に掲載された資料の数に圧倒された。
軍部の独裁、言論を統制する戦中のこの時代の嫌らしい状況がよく書かれている。
『ダイヤは小さくて誰にも知られずに持っていられる。そしてこの小さな物は私の希望でもあるのです。』(288P)

2010年2月 新潮社刊
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桐野夏生著「錆びた心」

2009-11-14 | 桐野夏生
十年間堪え忍んだ夫との生活を捨て家政婦になった主婦。
囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とはなんだったのか・・・表題作ほか、
劇作家にファンレターを送り続ける生物教師の“恋”を描いた・・・「虫卵の配列」、
荒廃した庭に異常に魅かれる男を主人公にした・・・「月下の楽園」など全六篇。
魂の渇きと孤独を鋭く抉り出した短篇集。 「羊歯の庭」「ジェイソン」など。
ちょっと考えると怖くなるようなどの短編も心の底のひだを刺激してくれます。
こんな短編をもう少し膨らませれば長編が書けそうな気がする
読みやすい短編集です。

1997年 文藝春秋 刊 文春文庫
     
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桐野夏生 「光源」

2009-11-10 | 桐野夏生
著者は、1951年金沢生まれ。
1999年「柔らかな頬」で直木賞受賞
この本が受賞後第一作だった。
映画「ポートレート24」を作るため集まったスタッフ達が主人公。
マンションを担保に借金をしてお金を工面したプロジュサーの玉置優子、優子の元彼で撮影カメラマン有村、
新進監督の薮内、主演の高見、元アイドル出身の女優井上佐和。
様々な野心や過去や思惑を抱えて集まった映画人の内面心理を描きながら
映画の挫折そして完成をミステリータッチで物語りは進行する。  

2000年 文藝春秋刊
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桐野夏生著「IN イン」

2009-07-23 | 桐野夏生
映画、ドラマにもなった1998年の「OUT」。
4人の主婦が、深夜のパートで知り合い、その中の1人が夫を殺害したのをきっかけに日常を突き破っていく姿を描き、第51回日本推理作家協会賞を受賞した作品。
「I N」は作家の鈴木タマキは恋愛における抹殺をテーマにした「淫(いん)」という小説を書こうとしていた。
抹殺とは『無視、放置、逐電など、自分の都合で相手との関係を断ち、相手の心を「殺す」こと』だ。
タマキは、緑川未来男が書いた愛人の存在で嫉妬に狂った妻と自分の関係を赤裸々に描いた私小説「無垢人」に登場する「○子」という記号で抹殺された女性が誰なのかを特定しようと取材を進めていた。
「○子」を探す過程を一つのミステリーにして、タマキ自身のかつての不倫相手で自分の担当編集者の阿部青司との恋愛の思い出が複雑に絡み合う展開。
恋愛中、青司は「小説に命を懸ける」と何度も言ったが、今では全く興味を示さず、職場の配置換えとともに連絡も途絶えタマキを抹殺しているかのようだ。
恥ずかしいなどと思いもしない、他人の存在自体が意識に入ってこない熱烈な恋愛もやがて時間の経過とともに腐敗していく様子がリアルだ。
双方の作品の登場人物が交錯しながらまだら模様の人間関係が描かれ、各々愛憎の心理に切り込んでいく展開。
そして第五章では片方が死んで消えて無くなる恋愛のはずが、小説家の手にかかることで残されてしまう・・・。
『小説は悪魔ですか。それとも、作家が悪魔ですか』この小説を楽しんで楽しめるのは、読む立場の年齢と経験が左右されるようだ残念ながら
一回読んだだけではまだら模様の展開が理解しぬくい。
それに勝手に関係を期待想像したのに「OUT」とは関係が全くなかった。
第一章 「淫」から「隠」「因」「陰」「姻」「IN」と5つの章で書かれている。
2009年5月集英社刊
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桐野夏生著「女神記」 

2009-06-13 | 桐野夏生
日本の神話「古事記」のイザナミ、イザナキを基にした
著者の想像力によって編み出された新しい神話。
遥か南の海蛇の島で大巫女を務める家系に、二人の姉妹が生また。
仲良く育てられたが、姉・カミクゥは生まれながらに大巫女を継ぐことが運命づけられていたが、妹・ナミマには別の運命があった。
ナミマが16歳になった年、祖母で大巫女のミクラが亡くなり、葬儀の祭祀は掟に従い姉のカミクゥが司った。
しかしその晩ナミマには怖ろしい運命が告げられた為、以前から好きあっていた男、海亀家のマヒトと小船で島を抜け出す。
海上を幾日も彷徨いヤマトを目指すが海上で産気付き「夜宵」という娘を出産したが、何故かマヒトに殺される。
死んで後、地底で目覚めた地下神殿でナミマの前に現れたのは、1日に千人の死者を選ぶ、黄泉の国の女神イザナミだった。・・・
いつもながら著者の描く男は思慮が足りなくて情けない描き方に比べ女は強く冷徹。
何故ナマミが殺されたかその後どうなったかがミステリーとなって読み進めた。
稗田阿礼は女だったの説が面白い。
南の島の風景描写、今も残るというバリ島の風葬の習慣などを連想しながら、
陰と陽の対比、芳醇な愛香りと死んで腐敗した体の発する死臭すら臭って来るような迫力の文章の
『人間と神の対立を交えて描く、愛と裏切りのスペクタクル』を楽しめました。
女でありながら神でもあるイザナミの苦しみ、人間であるナミマやマヒトの嫉妬と欲望。
この世との境、黄泉比良坂をいくたびも往還しながら男神と女神の壮絶な争い・・・陰と陽、
二つに引き裂かれた運命は、ふたたび巡り逢うことが出来るのか?
これは魂と肉体の古代の死生観をもとにこれは神話に模した男と女の話だ。

2008年11月角川書店刊
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桐生夏生著「アンボス・ムンドス」

2008-12-23 | 桐野夏生
ミステリー短編集。表題作共7編の短編が収められている。
「アンボス・ムンドス」とはキューバにあるホテルの名前で意味は
「両方の世界という意味-新旧の二つの世界」人生で一度の思い出にキューバに
旅立った小学校の5年生の担任であった若い女教師と不倫相手の教頭とが
帰国後待うけていたのは生徒の死と非難の嵐だった。
他の6編もそれぞれ女の裏面の生々しい部分を描き、読む側を
ぐいぐい引き込ませる。さすがの文章力。リアルさが怖い短編集。
2005年 文藝春秋 刊
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桐野夏生 著「ローズガーデン」

2008-12-20 | 桐野夏生
現代の新しい性愛小説。ミロ・シリーズ第1作4編集録
営業マンとしてジャカルタに赴任して二年。
博夫はミロから逃げようとし、しかしむしろ深く填まり込んでいく自分を感じていた。
すべては高校二年のあの日、庭に薔薇が咲き乱れる家のベッドでともに過ごしたことが発端だ。
そこはミロが義父と淫らなゲームに興じていた場所。
父親がやっていた暴力団の調査屋「村善調査探偵」を父親の引退を期に引き継いだ
「村野ミロ」が関わった事件3つと自分の生い立ちと結婚相手のことを扱った短編集。

2000年 講談社刊 講談社文庫
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桐野夏生 著「残虐記 」

2008-12-19 | 桐野夏生
誘拐拉致され1年間監禁された12歳の少女の体験とその後を描く。
誘拐監禁事件の真実と心理、犯人との交流。事件時当事者の本当の事情、
事件後の心理的トラウマ、父母との関係そして家庭崩壊、学校地域、医者、検事の関わり等を多面的に描き意外な結末に・・・・
昨今多い少女の行方不明者、未解決な誘拐事件の一つの可能性ともいえる小説。
2004年 新潮社刊


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桐野夏生著「ダーク」

2008-10-23 | 桐野夏生
ダーク40歳になったら死のうと漠然と考えている38歳と2ヶ月の「村野ミロ」、
義父の跡を継ぎ探偵業を営んでいる。
題名のは「ダーク」は、巻末に出てくる店の名「ダークエンジェル」からか?
男運の悪い、通俗で濃い(ダークな)主人公の生き方か?
在日韓国人になりすまして、釜山で「徐鎮浩」の愛人になるが
その男の回想、1980年全斗煥大統領の非常厳戒令に反対し、韓国光州蜂起の
様子の部分が生々しい記述。
ヤクザ、ホモ、売春婦、盲目の刺客等が入り乱れ40歳のミロの運命は・・・
女性の作者ならではの女性の描き方にリアルさを見た。
2002年 講談社刊
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桐野夏生著「玉蘭」

2008-10-14 | 桐野夏生
東京の日常に疲れ果てた有子は、編集者の仕事も恋人も捨てて上海留学を選ぶ
上海に住み私費留学生になった広野有子だが、東京での失恋の痛手から
立ち直れないでいた。そこに戦前上海に居た事がある船員の
大伯父の幽霊が現れて、大伯父の70年前日記「トラブル」を読みながら有子は
再生するのか・・・
上海の戦前と現代を舞台に玉蘭の花と香りを狂言回しに有子のその後と
質の歩んだ愛と一生を描いた不思議な物語。女性の心理描写は流石。
2001年 朝日新聞社 刊 文春文庫


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桐野夏生著「東京島」

2008-09-18 | 桐野夏生
最初に世界一周のヨットの旅に出た中年夫婦が嵐に遭遇して難破し無人島にたどり着く。やがて時を経て男30人が流れ着いた太平洋の涯の無人島に、女は清子ひとりだけ。やがて夫は病で亡くなり新しい夫を決める籤引きが。
いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか?。
人間が外部との関係が遮断された場に集団で閉じ込められた場合、一体何が起こりえるだろうか?
大胆な設定で熟年女性作家らしい視点で
展開される人間の本能・食欲と性欲と感情を剥き出しにした、生にすがりつく人間たちの極限状態のサバイバル。
たった一人だけの身勝手な中年女、島の中での清子は、女という種族を自分が代表している錯覚をもつようになる。
銀行マンの夫に従順な妻を演じてきた清子の長年自分のなかにあった野性が無人島で生活を続けることで爆発したのだ。
他の男たちがしぶしぶコミュニティを作る一方で、「あたしは必ず、脱出してみせる。自分だけは生きたい、脱出したい」という強い気持ちを持ち続ける清子。
危険な状況に追い込まれれば平気で嘘をつくし、生き抜くためには権力を持っている人間に媚を売るのも平気。
まるで今の日本の問題点を凝縮したようなトウキョウ島
唯一希望は数年に一度ドラム缶を無人島に捨てに来る船に助けてもらうこと・・・(ドラム缶の中味は何?不法投棄という産廃問題もからみ)
以前読んだロビンソンクルソーや漂流記や映画の「キャストアウエイ」でもない
著者ならではの自由な発想で展開される面白い物語です。

2008年5月新潮社

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桐野夏生著「柔らかな頬 」

2008-09-04 | 桐野夏生
主婦のカスミは不倫相手の石川と別荘の納戸で抱き合いながら
「このまま二人で居られるなら子供など居なくなってもいい」とさえ思った。
4年前北海道支笏湖畔別荘から、東京から両親と遊びに来ていた5歳の保育園児
「有香」が散歩に出たまま帰らないで行方不明になった事件のあと、
母親の森脇カスミは死期が迫った元警察官の協力で娘探しを続ける。
事件以後自分の家族、不倫相手の家族、別荘の管理者等
すっかり4年間で変わってしまった自分の周り。
愛と家族を巡るミステリー小説。
2000 年 講談社刊


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桐野夏生著「 リアルワールド」

2008-09-04 | 桐野夏生
どうしたのか、駅で自分の自転車と携帯を無くして家に帰ると、高3の
山中十四子の隣家の同い年の高校生の息子が母親を殺して家出したとか、
大変な騒ぎに。
大人になりきれない高校生がこころの葛藤や屈折した思いから起した
行動が意外な展開に。
物語の後半犯人逃亡幇助や警察へのタレコミが巻き起こした現実の結果に
関わった各人が思う自責の任と現実世界に
事件の闇の真実に迫るミステリー小説です。
2003 年 集英社 刊



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