思惟石

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ハイペリオンがおもしろくて困る問題

2017-06-01 09:44:18 | 日記
なんてこった。

と毎度のように言っている気がしますが。

以前から「読みたいメモ」にリストアップされていた
『ハイペリオン』(ダン・シモンズ)を
ようやく読了したのです。

うっかりハードカバーで手に取ったものだから、
この数週間、とにかくカバンが重かった…。
ただでさえ5月とは思えぬ暑さでへろへろなのに、
立ちっぱなしの通勤電車でこんな重い本を読んで
元から少ない体力を消耗させる日々。
つかれた…。

でもですね、
おもしろかったんです。
『ハイペリオン』。

SFの名作と言われている作品なので、
舞台はもちろん近未来(28世紀)の宇宙ですが。

アラビアン・ナイトのように
物語が入れ子になっているのです。

物語の主軸は、
辺境の惑星ハイペリオンに潜む
未知の生命体(かどうかもよくわからない)シュライクを
巡礼する7名が、それぞれの物語を語るというもの。

それぞれの物語がバラエティに富んでいて
ひとつひとつがとにかく面白かったです。

宇宙の果ての未開部族に神秘を求める司祭の話しとか
一日ずつ若返るという娘の謎の病気に苦悩する学者とか
ひとつひとつの人生が丁寧に書かれていて
ハラハラします。
色々と考えさせられます。

さらに、
物語全体を覆うSF設定(なんか小難しい科学技術とかAIとか
異世界的な惑星描写とか宇宙規模の政治的アレコレとか)が
細やかで壮大で、読んでいてワクワクします。

様々な名作モチーフやオマージュが
多用されていることでも有名らしいので、
私が疎いだけで
SFファンや読書人には常識みたいな設定も
多いのかもしれませんが。

なにはともあれおもしろかったです。

で、ですね。
『ハイペリオン』のネタバレっぽい感想を書きますが。

この本は、6人(7人ではない)がそれぞれの物語を語り終わり、
いざシュライク!みたいなところで終わるんです。

そういうものです、と言われれば
そういうものですか、と納得して
「なんか凄いの読んだわあ…」と思いながら
本を閉じるところです。

満足して眠りにつくところです。

でもね!
そうじゃないんですよ!

これ、続編の『ハイペリオンの没落』と
がっつりセットの物語なんですって!!
散らばり放題の伏線を回収してくれるんですって!!
すべての謎を解き明かしてくれるんですって!!!

なんてこった!

確かに4部作なのは知ってましたが。
人気シリーズの続編って立ち位置かと思っていました。
失礼な言い方をすると、第一作がピークで
それにぶら下がる感じの続編は読まなくても差支えないのかと。

『ハイペリオン』と『ハイペリオンの没落』は
表裏一体、プロットの時点でセットだったようです。

なんてこった…。

ついでに言うと『ハイペリオンの没落』も
同じくらいの重量のようです。

な、なんてこった…。

でも読まないという選択肢はないのです。
おもしろかったんだもの。
続き、めちゃくちゃ気になるもの。
しくしく。

次は、せめて文庫で読もう…。

しくしく。
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