正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

外道を信仰している父を折伏する妻子(妙荘厳王本事品第二十七)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

『法華経』の「妙荘厳王本事品第二十七」(法華経583)には、父である妙荘厳王と妻である浄徳夫人、二人の子供であり王子でもある浄蔵と浄眼の、父を折伏する模様が説かれています。父は妻子の教導により正法を信心するようになります。家族の中で信心していない人を、折伏する上で有り難い教訓になります。
 父の妙荘厳王は過去世において華徳菩薩であり、妻の浄徳夫人は妙音菩薩、子供の浄蔵が薬王菩薩、浄眼が薬上菩薩でありました。過去と現在の因縁が説かれます。
 私達も家族となるのは、過去世において必ず因縁があることが理解できます。現在失われつつある、恩を知り恩を報じていくということが、家族間において大切になります。そこに幸福を築く道があり、日蓮正宗の信心しかないのであります。折伏は一切衆生の恩を知り、恩を報じていくことです。恩を報じるとは、成仏できる正しい仏法を教え、不成仏の教えを破折することです。
 正しい仏法には非常に値うことが稀です。「妙荘厳王品」に、
「仏難得値。如優曇波羅華。又如一眼之亀。値浮木孔。(仏には値いたてまつること得難し。優曇波羅華の如く、又、 一眼の亀の浮木の孔に値えるが如し。)」(法華経588)
と説かれ、優曇華の華と一眼の亀をもって、正しい仏法に値い難きを示しています。人として生まれてきても、縁することが非常に難しい仏法が『法華経』です。この難しさを回避するのが、恩を報じていく折伏になります。
 『御義口伝』には、「厳王品三箇の大事」(御書1792)が説かれ「第一 妙荘厳王の事」「第二 浮木孔の事」「第三 当品邪見即正の事」という、三つの大事があります。
 故に『御義口伝』に、
  「第一 妙荘厳王(みょうしょうごんのう)の事、文句の十に云はく「妙荘厳とは妙法の功徳をもって諸根を荘厳するなり」云云。
  御義口伝に云はく、妙とは妙法の功徳なり、諸根とは六根なり。此の妙法の功徳を以て六根を荘厳すべき名なり。所詮妙は空諦なり、荘厳は仮諦なり、王は中道なり。今日蓮等の類(たぐい)南無妙蓮華経と唱へ奉る者は悉く妙荘厳王なり云云。 第二 浮木孔(ぶもっく)の事、
  御義口伝に云はく、孔(く)とは小孔(しょうく)大孔(だいく)の二つ之(これ)有り。小孔とは四十余年の経教なり、大孔とは法華経の題目なり。今(いま)日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは大孔なり。一切衆生は一眼(げん)の亀なり。栴檀(せんだん)の浮木とは法華経なり。生死の大海に妙法蓮華経の大孔ある浮木は法華経に之在り云云。
   第三 当品(とうほん)邪見即正(じゃけんそくしょう)の事
  御義口伝に云はく、厳王の邪見、三人の教化に依って功徳を得、邪をあらためて即正とせり。止の一に「辺邪皆中正」と云ふは是なり。今(いま)日本国の一切衆生は邪見にして厳王なり。日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は三人の如し。終(つい)に畢竟住一乗(ひっきょうじゅういちじょう)して邪見即正なるべし云云。」(御書1792)
と甚深の御指南をされています。「妙荘厳王品」では、三大秘法の御本尊様に値う難しさと、受持信行すれば六根清浄の功徳を得て、悪道に行く邪見が即時に正され、成仏していくことが出来ると説かれます。