正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

陀羅尼とは南無妙法蓮華経(陀羅尼品第二十六)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

 『法華経』の「陀羅尼品第二十六」(法華経573)には、陀羅尼である御題目を唱えると、五番善神が法華経の行者を守護することを、仏に誓っています。
 五番善神とは、「陀羅尼品」の五番神呪に登場する、薬王菩薩・勇施菩薩・毘沙門天王・持国天王・十羅刹女です。御本尊様を受持信行する人を、五番善神が守護します。
 守護を誓う文証として有名な経文が「陀羅尼品」にあり、
「若不順我呪。悩乱説法者。頭破作七分。如阿梨樹枝。(若し我が呪に順ぜずして説法者を悩乱せば頭破れて七分に作ること阿梨樹の枝の如くならん)」(法華経580)
という十羅刹女が神呪を説いた後の誓願です。御本尊様を受持し御題目を唱える人を、誹謗中傷する人が受ける仏罰です。その結果、精神異常を煩い、横難横死の罪業を背負うことになります。
 更に日蓮大聖人は、法華経の行者が守護されることについて『聖愚問答抄』に、
「法華経第八陀羅尼品(だらにほん)に云はく『汝等但能く法華の名(みな)を受持せん者を擁護(おうご)せんすら福量(はか)るべからず』と。此の文の意は仏、鬼子母神・十羅刹女の法華経の行者を守らんと誓ひ給ふを讃(ほむ)るとして、汝等法華の首題を持つ人を守るべしと誓ふ、其の功徳は三世了達(りょうだつ)の仏の知慧も尚及びがたしと説かれたり。仏智の及ばぬ事何かあるべき、なれども法華の題名受持の功徳ばかりは是を知らずと宣べたり。法華一部の功徳は只妙法等の五字の内に篭(こも)れり。」(御書407)
と御指南であります。朝夕の勤行唱題を行うところに守護があります。
 勤行唱題は、御題目を唱えることで、日蓮大聖人は陀羅尼が南無妙法蓮華経であると御教示です。『御義口伝』の「第一 陀羅尼(だらに)の事」に、
「御義口伝に云はく、陀羅尼とは南無妙法蓮華経なり。其の故は、陀羅尼は諸仏の密語なり。題目の五字は三世の諸仏の秘要の密語なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは陀羅尼を弘通するなり。捨悪持善の故なり云云。」(御書1790)
と仰せです。「陀羅尼」とは、すべての物事を深く心に銘記し忘れず、多くの悪法を遮って生じさせない能力のことです。つまり戒の意味を持つ「防非止悪」で、能持・総持とも訳され、後の世において、呪・真言と混同され、口に唱えたものを守護し功徳を与える能力のある梵語の章句をも意味するようになりました。
 更に陀羅尼について『御講聞書』には、
  「一 妙法蓮華経陀羅尼(だらに)の事、
  仰せに云はく、妙法蓮華経陀羅尼とは正直捨方便但説無上道なり。五字は体(たい)なり、陀羅尼は用(ゆう)なり。妙法の五字は我等が色心なり、陀羅尼は色心の作用なり。所詮陀羅尼とは呪(じゅ)なり。妙法蓮華経を以て煩悩即菩提・生死即涅槃と呪(まじな)ひたるなり。日蓮等の類(たぐい)の南無妙法蓮華経を受持するを以て呪とは云ふなり。若有能持 即持仏身とまじないたるなり。釈に云はく『陀羅尼とは諸仏の密号と判ぜり。所詮法華折伏破権門理の義、遮悪(しゃあく)持善の義なり』云云。」(御書1850)
と御教示で、陀羅尼である御題目を唱えれば、悪を遮断し、善を持つことが出来ます。 
 『御義口伝』に、「陀羅尼品六箇の大事」(御書1790)が説かれており「第一 陀羅尼の事」「第二 安爾曼爾の事」「第三 鬼子母神の事」「第四 受持法華名者福不可量の事」「第五 皐諦女の事」「第六 五番神呪の事」という六つの大事があります。
 陀羅尼である南無妙法蓮華経を心に念じれば、御本尊様の不思議な御加護が約束されるのです。