しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

惡の華1-10巻 押見修造著 少年マガジンコミックス(KINDLE版)

2014-02-23 | 漫画
本は場所を取ります。
時代は「電子書籍」かなぁなどとふと思い、SFがどれくらいkindle化されているかを見たりしていました。

品切れ・絶版の多いSFの世界なので電子化すればよさそうなのに驚くほど少ない...。
ハヤカワも創元も基本現在紙でも出版されている売れ筋の作品(「夏への扉)やらなにやら」をKindle化している感じで、紙で入手できないからこそ手に入れたい絶版本(「都市」とか)はKindle化されていない。
なんとかならないものでしょうか….。

というようなことをやっていて、昨年初め頃にタブレット端末Nexus7を入手したときに勢いで1-3巻をKindle版で購入した本書を読み返しました。

キャッチーな表紙で、ちょっとおおっぴらに読めない作品なので(笑)電子版が良く似合う作品な気がします。
(40代妻子持ち男性としては家に持ち込むのもはばかれる…。)
  

講談社=マガジンは昔から(「翔んだカップル」とか安達哲氏の「キラキラ」「さくらの唄」等)どろどろして倒錯した恋愛漫画を掲載してけっこう好きでしたので本作もその系列かなぁと思い「変態」ちっくな内容が話題になっていたので入手しました。

内容は
本好き中二男子の春日くんは、あこがれていた同級生の優等生美少女佐伯さんの
体育着をひょんなことから盗んでしまう。それを目撃していた仲村さんに数々の変態的行動を強要され….。
という内容。
高校編は中学で最後におおごとになってしまって、別の町に引っ越して高校二年になった春日くんのお話です。

ということで昨年に1,2巻と読んだのですが、割とステレオタイプな変態描写に思えて「合わないなー」となり3巻の途中で読むのが止まっていた状態でした。

今回と3巻の残りを読み、やはりそれほど感心はしなかったのですが「折角なので4巻も買ってみるか」と買ってみて読んだら.....。

はまってしまいました。

翌日5巻から最新10巻まで一気に買って読んでしまいました....。
電子書籍はクリック1つで簡単に買えてしまうのではまると「ヤバい」ですね。

4巻辺りからなぜ読みやすくなったのか...?

3巻までと違い4巻以降は「謎」の存在であった仲村さんの人間らしさが徐々にでてきます。
まったくの「謎」の存在が不安だったのが、ある程度「ものさし」が出来て理解可能になって読みやすくなったのかなぁと思います。
作品としてはある意味堕落しているのかもしれませんが、私のような凡人にとっては読みやすくなってよかったです。

また4巻以降、佐伯さんの壊れぶりも見所かと思いますが、この人は1-3巻ですでに壊れだしていましたので予想の範疇といえば範疇。
主人公春日くんはよくも悪くもあまり変わっていないような気がする。
基本他人依存型のキャラクターとして描かれていて「人次第」という感じでししょうか?

6-7巻(中学編)では仲村さんが壊れていく….。
ここでも春日くんはそれほど変わっていないのがなんだか不気味。

7巻途中から高校編が始まるわけですが、とても楽しく読めました。
中学編では「変態」がキーワードになっていて、かえって自由に描けていなかったような気がしますが高校編では「思春期の青年」の心理を「ちょっと変」をスパイスにしてよく描きだしているように感じました。
(これもある意味堕落なのかもしれませんが...)

基本読書好き少年・少女の恋愛という文学少年の妄想的なベタなテーマですが「中学編」でのひねくれ具合が味付けになっていて楽しめました。

高校編で春日くんが常磐さんに紹介した本のリストなどもなかなかよかった。
「「惡の華」みたいのはダメよー」と言われていましたので自主規制したようですが
中井英夫「虚無への供物」、筒井康隆「虚人たち」沼正三「家畜人ヤプー」等々を進めている。
「家畜人ヤプー」は女の子に最初に薦める本としてはどうかとも思いますが…。
「あーそっち系ねー」という常磐さんの反応は本大好き少年であった「私」にも本好き少年であった多くに人々にもなにやらうれしくなってしまいまう一言ですね。
(ちなみに春日くんの本棚、常磐さんへのPR本リスト、常磐さんの本棚とても気になりいろいろ調べてしまいました。澁澤龍彦氏などは読んだことがないので読んでみたくなりました。)
「常磐さん」本好きちょっと暗めな男子にとっては「理想」というか「妄想」で出て来そうなタイプです。
まぁ現実には絶対いないタイプな気がしますが....。

本好き男は本好き女子に憧れますが、本好き女子は本好き男子と話はしても恋愛対象とは別と割り切るような気がする。
(実感です)

そんなこんな「高校編」なかなか楽しい。
10巻最後で仲村さんが再登場して物凄く先が気になりました。
引っ張り方がすごくうまい。
引っ張り方は巻を追うごとにうまくなっています、あと絵も。

今後がすごく気になります。

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