近所の公園に2メートルぐらいの高さの鉄棒がある。それに飛びついて逆上がりしてみた。
一瞬のうちに青い空が見え、ビルが見え、体は2メートルの鉄棒の上に。
ものすごく久しぶりの逆上がりは新鮮な気持ちになれた。
知り合いの体操選手になぜあんなに複雑な回転をして鉄棒の技を決められるのか?
自分がどっちを向いているのか分からなくならないのか、と聞くと、彼は回転しながら
見えるべき景色はイメージできている。もしイメージと違うものが見えたら大変なことになる、
と答えた。
ただの逆上がりでも自分にはそんなことはできそうにもない。
そしてこの高さからアタマから落ちれば全身不随もありえるな、と寒気がした。
そんなことは当然ありえることなのに、いままで一度も考えたことすらなかった。
想像力が欠如していないとできないことをずいぶんとしてきた。
怖いと思わないからできる。ある意味バカの特権だ。