旅する冒険ランナーのブログ

今度は北アメリカ大陸単独横断RUNだ~っ

火おこし世界チャンピオンがやってきた

2012-10-31 09:01:56 | Weblog

10月28日、正確には27日夜、福島県南会津から火おこしチャンピオンの大西さんが

目黒にやってきた。バックパックに宝物である火お越し棒と、大きな鳥の羽を刺したいでたち

でバスに乗り現れた。日曜日午前中に学童の親子に火の話と火おこしの指導をしてもらう

予定だが、前の火にスタッフと話してもらったほうが流れがスムーズになる。

火おこしの道具はすでに宅急便で我が家に届いていて、口で説明していた

大西さんは、そのうち「まあ見てください」と実物を取り出してくれた。

「火おこしの棒は60センチぐらいがいい。長すぎると回転させたときにぶれる

し短すぎると、使いにくい」

「下に置く木は彫刻刀などで少し穴を開けたもの。ポイントは木のくずが下にたまるように

穴の横に三角形の隙間を開けること」

うんぬん。何も隠すことなく丁寧に説明してくれる。

マジックではないので方法を誰かに知られても何も問題ない。理屈が分かったからと言って、できるわけではない。むしろ多くの人に知ってもらいたい、という熱意を感じる。

大西さんを最初に知ったのは、2001年。テレビチャンピオンをサバイバル王選手権の参加依頼が

テレビ局から来たときだった。「どんな人が出るんですか?」と電話で聞くとADと思われる人が、

たしか「レスキュー隊員。リバーカヤックガイド、OOO、火おこしチャンピオン」と答えた。

「えっ? 火おこしチャンピオンって何ですか?」と問うと「火おこし選手権のチャンピオンです」という

答えで、意味がよく分からず逆にもの凄く気になってしまった。

結局、出ても何もできずに恥をかきそうだったのと、OO月O日に鹿児島の島まできてください。という

テレビ局の一方的な依頼の無茶ぶりにあきれて参加を見合わせた。

放映されたテレビを見て、出なくてよかったと思った。でも、そこで披露された大西さんの火おこし

には素直に驚かされた。

時は流れ、2006年、地平線会議に大西さんがやってきて、普通の会議室でものの30秒ほどで

火おこしの見本を見せてくれた。あまりの速さにあっけに取られると同時に「できる」ということの

力。どんだけ理論やうんちくがすごくても、そんなものは「できる」にはかなわない。「技」は言葉を

越えて、一瞬で人を黙らせることができる。つくづくそう思った。そのとき語られた話も実に魅力的

で、もっとこの人の話を聞いてみたい。と思った。

2010年。「こどもたちよ冒険しよう」という本を出したさいに、大西さんのところにも送ってみた。

すぐに丁寧なお礼の電話がきた。以後、大西さんのNPO、森の遊学舎が東京で総会を開くときに

何度か顔を出した。何度か行くうちに、ますます目黒のこどもたちに火おこしの話を聞いてもらい

目の前で見せて、自分でできたならきっと喜ぶだろうと思いが強くなった。

それがようやく実現した。大人も子供も驚いたし、楽しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


野宿党、出がらし紋次郎さんが和歌山展覧会のコメントを書いてくれました。

2012-10-30 22:59:05 | Weblog

歩く旅人である野宿党、出がらし紋次郎さんがフラリと和歌山に来て

野宿、歩く、旅、という共通項からコメントを書いていただきました。

毎日違うテーマで話したかいがあり、お客さん

もいろいろ、それぞれの視点からのコメントはうれしくもあり

恐ろしくもありです。

紋次郎さんは講演会に来る前に、和歌山散策もしていて、ちゃんと

「たま駅長」もチェックしています。「たま」に関しては内心少しバカにしていたのですが

紋次郎さんのブログ見て、見に行ってみたくなりました。

電車そのものも、駅周辺もなんだかそそるものがあり。

 

http://pub.ne.jp/dgmnwalkon/


予言

2012-10-25 21:38:28 | Weblog

6年前、夜の六本木で辻占い師に「ちょっとそこのお兄さん、待って。オーラが出てる」と声をかけられた。えっ? と振り向くと、中年の細い女性占い師が手招きしている。いきなりのことに動揺して、思わず無視してしまった。そのまま歩いて次の角を曲がり、そこからこっそり占い師の様子を覗いてみた。

彼女の目の前を人が通り過ぎても彼女はお地蔵さんのように静かに座ったままだ。どうも彼女は僕が気が弱そうだとみて客引きしたわけではなそうだし、だいたいそんな客引きをする占い師は見たことが無い。でもだとしたら、思わず声をかけずにはいられないものを彼女は僕に感じたということになる。それはいったいなんなのだろう?

その一言がそれからずっと気になっていた。するとたまたま近くのダイエーで階段の脇に占いコーナーがあったことを思い出した。さりげなく前を通ってみると1000円と明朗会計な値段が書かれている。1000円となると逆に信じられなくなりそうな値段だが、それならそれでもいい。僕の経歴は特殊だから、こちらから情報を出さずに適当に言い当てることはできないはず。六本木の占い師が僕に何を感じたのか、もしこのダイエーの占い師が特殊な能力を持って、僕の経歴を言い当てることができたら、その答えをも教えてくれるかもしれない。試してみるか、と椅子に座ってみた。

「何かお悩みですか?」同い年ぐらいの女性占い師はそう聞いた。「いや、特に悩みはないんですが」。「えっ、なんだろう、こいつ」って表情が占い師の顔に浮かぶ。「では何を占いましょうか?」「いや実は、かくかくしかじかで、あのとき六本木の占い師が何を言いたかったのか気になるんです」「そうですか、その人はやってはいけないことをしました。私たちは人を不安にさせるようなことを言ってはいけないんです」

その言葉を聞いて、この人の言うことを聞いてみたくなった。試してやろう、などとこざかしいことは止めて「私はバイクで世界一周していたんですよ」と言ってみた。「それってバイブスみたいなものですか」。バイブスは表紙でかならず半裸の美女がハーレーまたがってポーズを決めているハーレーの雑誌。神秘性を売りにしているであろう中年女性占い師の口から、そんな言葉が出てくると想定外で笑ってしまう。

「アナタは努力が報われる人です。何を当たり前のことを言っていると思っているでしょ。でもそれは違います。世の中には努力しても報われない人もいるのです」思わず、うっ、となる。そうかもしれない。「アナタの言葉は人に届く」「アナタのしていることはバラバラのようだが、55歳ぐらにやがてそれは一つにまとまってくる」「アナタは組織の中で生きてこなかったから自覚はないと思うが、アナタには統率力がある。そういう話が来たら遠慮せずに引き受けなさい」。

ヒトを不安にさせるようなことを言ってはいけない、というだけあって褒め言葉のオンパレード。占いというよりカウンセラーという感じだ。でも言葉が上滑りしていない。信じてみようという気になる。

あれから6年。予言のいくつかはあたっているかもしれない。

今までのすべてを盛り込んだ和歌山の展覧会は確かに、話と展示物の両方がないと成立しない。5日間まったくバラバラのテーマも流れの中では違和感なく一体化した。

もうダイエーには占い師はいない。でももしあの人がいても僕はもう話は聞かない。あたっている

と思うと言葉に行動が左右されてしまいそうだから。

ただ六本木の占い師が何を感じたのかは今も気になる。