渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

もし、バカラックの音楽がなかったら・・・

2007年12月14日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)六本木アルフィー(07.10/5)
メインアーティスト) 平賀マリカ(v)
守屋純子(p) 高瀬龍一(tp) Andy Wulf(sax) 山下弘治(b) 池長一美(ds)

弱小インディーズ系海運会社によって運営されている当クルージングにとって、原油価格の異常な高騰は死活問題です。組織の方から、“予算オーバーだぞ。停泊地を間引け!”との指令に答えざるを得ません。
ということで、今回は少し前のライブを紹介することにします。とは言え、少なくとも船長にとっての、今年一番と言ってよいボーカルライブをこの日誌に記すことになります。

この日「アルフィー」に登場したのは、ジャズ・ボーカリスト平賀マリカさん。
マリカさんは、今、人気・実力とも日本で最も充実したボーカリストのひとりですね。前作
「Faith」は、ピアノのハロルド・メイバーン・トリオ+エリック・アレキサンダー(ts)といった超豪華メンバーをバックにスタンダード・ジャズを歌いまくり、今作では、D.マシューズ率いるマンハッタン・ジャズ・クインテットを従え、バカラック集をリリース。そして、2作品連続でスイング・ジャーナルのゴールド・ディスクを受賞という快挙ぶりです。
今回は、その6月に発売されたCD「Close to Bacharach」の発売記念ライブツアーの最終日という、おいし過ぎる情報をMCで初めて知りました。
ステージは、「雨にぬれても」ではじまり、「サンホセへの道」「Close To You」とバカラックの甘く、切なく、軽快で、スタイリッシュな定番曲が続く。マリカさんのシャープな歌声が、バカラックの作品に輝きを与え、D.マシューズの編曲によるミステリアスで躍動感あるブラス入りのバックサウンドが、それを一層引き立てて会場を包み込むという感じでしょうか。

ちょっと脱線:昔、ブラジルに「ボサリオ」というコーラス・グループがいて、彼ら(彼女ら)の歌う「サンホセへの道」がマイ・ファースト・バカラックです。ドーナツ盤と呼ばれるシングル・レコードですね。発売してすぐに買った記憶があります。小学生の時です。変な小学生ですね!今だったら間違いなく、いじめられてますね。良かった!牧歌的な“三丁目に夕日”時代で。
では、それからずっとバカラックに浸っていたかというと、もちろん、そうではありませんね。小粋なバカラックにはそういった付き合い方は似合いません。折にふれて、という感じでしょうか。しかし気が付いたら、長い歳月の間に、色々な曲がいつの間にか体の中に浸み込んでいたという感じ。なにかビンテージ・ワインのような熟成の仕方ですね。(←飲んだことないくせに!)
もし、バカラックの音楽がなかったら・・・
きっと、コルクのない380円ぐらいのテーブルワインのようですね!

今日は、バカラックの極上の世界を堪能できました。マリカさんが自分で“あたし天然ボケなの”といってましたMCも軽快かつ絶妙。また同じセットでバカラックを聞きに来たいと思ったけど、今日が最終日なので残念ですね。マリカさんや、本日のバンドマスターでピアニストの守屋さんによると、大変複雑なアレンジで合わせるのが大変だったらしい。このメンバーで何度もリハーサルして、ツアーを重ねながら漸くここまできたので、なかなか再演できない、ということです。まあ、今日間に合ったのを良しとするか。

よし、今日は、「雨にぬれても」を口笛で吹きながら、自転車こいで船に戻ろう!
(解るかなぁ?)
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