停泊地)吉祥寺Strings(07.11/23)
メインアーティスト)広瀬潤次(ds),太田朱美(fl),堀秀彰(p),本川悠平(b)
当クルージングにとって、何処に停泊して、何を観るかは極めて重要な判断であります。がむしゃらに有名なミュージシャンのライブに行っても、コストばかりかかって評判倒れなんて事は、日常茶飯事ですね。そこで一番頼りになるのがなんと言っても口コミ情報です。先日、渋谷の某ジャズ・バーで偶然知り合ったアマチュアのフルート奏者に、お勧めのフルート奏者を聞いてみたら、「信平さんは別格として、なんと言ってもアケミちゃんですね!」と回答。その後、やけに熱心に太田朱美さんのことを語ってました。
太田朱美:広島大学では、蘚苔類の研究を専門とするかたわらジャズ研究会に所属。おや~、何かかぶるな!と思ったら、同大学出身で、ミジンコ生態学では、日本の権威であるアルトサックスの奇才坂田明の系譜と重なるではないか!ん~、ひょっとしたら、何か予想外のぶっ飛んだライブが観れるかもしれないぞ!、という期待感で吉祥寺Stringsのある地下室へ。
リーダーの広瀬さんは、ライブハウスでのドラマーでは極めて珍しく、紺のスーツでびしっと決めている。(ほとんどの人はTシャツ一枚)一見、有名銀行のエリート行員か、一流商社マンといったいでたち。今夜のライブには「JUNJI HIROSE Sound of JAZZ」とテーマが付けられていて、単に、寄せ集めのセッションみたいな、ゆるいセットじゃないぞ!という強い決意みたいなものを感じますね。そして、ライブが進むにつれ、少しずつこのユニットに仕掛けられた意図のようなものが見えてきた!それは、例えるならばこう言う事だ。
「ライオンはわが子を千尋の谷に突き落とし、這い上がってきた子だけを育てる」
つまり中堅ドラマーのリーダーは、ひと回り若い、売出し中の3人(ほぼ同世代らしい)に次々に難問をぶつけ、クリアするのを、淡々とリズムを刻みながら待っていると言う仕掛け。これを観客席からハラハラドキドキしながら観ているのは、実に刺激的で楽しい!だから、無事崖から這い上がってくるたびに、大歓声が上がる。
一部の最後の指令は、コール・ポーターの名曲「JUST ONE OF THOSE THINGS」を猛烈なスピードでアドリブすること!(普通は、4分音符=150~160あたりで演奏される曲です)後で広瀬さんに聞いたら、今夜は、380ぐらいだったようです。400を超える時もあるようだとか!すごい!3人とも難なく余裕でクリアし一部を終える。
二部で待ち構えていたのは、モダン・ジャズの奇才セロニアス・モンクの「Evidence」。モンクは「ラウンド・ミッドナイト」や「ルビー・マイディア」といった美しい曲も作曲したが、この曲は、ピアノを覚えたての幼児が適当に鍵盤を叩いたら出来ちゃったといった感じで、これをアドリブ展開してさらにリスナーから「あ!いいね。OK」と合格するのは至難の業。しかし3人とも無事クリア。ピアノの堀さんなんかは、以前モンクに没頭していた時期があったとのことで、谷底から生還したときは、大歓声が上がった程。彼は、仮面ライダーのようなオレンジ色のメガネをしていて、一見軽そうに見えるけど演奏は、いたって熱く骨太。それでいて常に冷静。既に沢山の引き出しを取得している頼もしき若獅子ですね。
もうひとつのモンク作品の試練は、「Four In One」。広瀬さんの解説によると、テーマが 16分音符の連続で、一拍の中に四つの音があるという意味のタイトルではないか、とのこと。テーマをとるだけでも難問である。テーマは勿論、太田さん。目の前で太田さんが「この曲知らないのよ!しかもさっき譜面を渡されたばかり。」とつぶやいていた。素人ならテーマを吹くだけで一ヶ月掛かってもキツイ。勿論無事クリア。アドリブ展開に入っても、ぶっ飛びフレーズ炸裂で、久しぶりにモダン・ジャズのスリリングなアドリブの世界を堪能。やっぱり口コミの威力は凄いですね。間違いなかった。紹介してくれて有難うAさん。
それから、こういった難曲の合間に「サボイでストンプ」などという軽快なスタンダード曲を、会場全員の合いの手コーラスを交えて披露。チャーミングなこの曲が、一層引き立つ仕掛けにになってる訳ですね。
いあ~、それにしても今夜の観客の反応は鋭かった。客席と一体となったハイレベルな即興演奏の世界。これぞジャズライブの真骨頂と行った感じですね。恐らく、ニューヨークや、パリでもこれだけのハイレベルなパフォーマンスはめったにないでしょうね。ジャズ・ミシュランみたいのがあれば、星三つといったところでしょうか。
(あ!まずい。船長が、極秘裏に進めているジャズ・ミシュランの覆面調査員だということがばれたら、組織に狙われてしまう!)
そうだ、よ~し、今夜はコートの襟を立てて船に帰ろう。
メインアーティスト)広瀬潤次(ds),太田朱美(fl),堀秀彰(p),本川悠平(b)
当クルージングにとって、何処に停泊して、何を観るかは極めて重要な判断であります。がむしゃらに有名なミュージシャンのライブに行っても、コストばかりかかって評判倒れなんて事は、日常茶飯事ですね。そこで一番頼りになるのがなんと言っても口コミ情報です。先日、渋谷の某ジャズ・バーで偶然知り合ったアマチュアのフルート奏者に、お勧めのフルート奏者を聞いてみたら、「信平さんは別格として、なんと言ってもアケミちゃんですね!」と回答。その後、やけに熱心に太田朱美さんのことを語ってました。
太田朱美:広島大学では、蘚苔類の研究を専門とするかたわらジャズ研究会に所属。おや~、何かかぶるな!と思ったら、同大学出身で、ミジンコ生態学では、日本の権威であるアルトサックスの奇才坂田明の系譜と重なるではないか!ん~、ひょっとしたら、何か予想外のぶっ飛んだライブが観れるかもしれないぞ!、という期待感で吉祥寺Stringsのある地下室へ。
リーダーの広瀬さんは、ライブハウスでのドラマーでは極めて珍しく、紺のスーツでびしっと決めている。(ほとんどの人はTシャツ一枚)一見、有名銀行のエリート行員か、一流商社マンといったいでたち。今夜のライブには「JUNJI HIROSE Sound of JAZZ」とテーマが付けられていて、単に、寄せ集めのセッションみたいな、ゆるいセットじゃないぞ!という強い決意みたいなものを感じますね。そして、ライブが進むにつれ、少しずつこのユニットに仕掛けられた意図のようなものが見えてきた!それは、例えるならばこう言う事だ。
「ライオンはわが子を千尋の谷に突き落とし、這い上がってきた子だけを育てる」
つまり中堅ドラマーのリーダーは、ひと回り若い、売出し中の3人(ほぼ同世代らしい)に次々に難問をぶつけ、クリアするのを、淡々とリズムを刻みながら待っていると言う仕掛け。これを観客席からハラハラドキドキしながら観ているのは、実に刺激的で楽しい!だから、無事崖から這い上がってくるたびに、大歓声が上がる。
一部の最後の指令は、コール・ポーターの名曲「JUST ONE OF THOSE THINGS」を猛烈なスピードでアドリブすること!(普通は、4分音符=150~160あたりで演奏される曲です)後で広瀬さんに聞いたら、今夜は、380ぐらいだったようです。400を超える時もあるようだとか!すごい!3人とも難なく余裕でクリアし一部を終える。
二部で待ち構えていたのは、モダン・ジャズの奇才セロニアス・モンクの「Evidence」。モンクは「ラウンド・ミッドナイト」や「ルビー・マイディア」といった美しい曲も作曲したが、この曲は、ピアノを覚えたての幼児が適当に鍵盤を叩いたら出来ちゃったといった感じで、これをアドリブ展開してさらにリスナーから「あ!いいね。OK」と合格するのは至難の業。しかし3人とも無事クリア。ピアノの堀さんなんかは、以前モンクに没頭していた時期があったとのことで、谷底から生還したときは、大歓声が上がった程。彼は、仮面ライダーのようなオレンジ色のメガネをしていて、一見軽そうに見えるけど演奏は、いたって熱く骨太。それでいて常に冷静。既に沢山の引き出しを取得している頼もしき若獅子ですね。
もうひとつのモンク作品の試練は、「Four In One」。広瀬さんの解説によると、テーマが 16分音符の連続で、一拍の中に四つの音があるという意味のタイトルではないか、とのこと。テーマをとるだけでも難問である。テーマは勿論、太田さん。目の前で太田さんが「この曲知らないのよ!しかもさっき譜面を渡されたばかり。」とつぶやいていた。素人ならテーマを吹くだけで一ヶ月掛かってもキツイ。勿論無事クリア。アドリブ展開に入っても、ぶっ飛びフレーズ炸裂で、久しぶりにモダン・ジャズのスリリングなアドリブの世界を堪能。やっぱり口コミの威力は凄いですね。間違いなかった。紹介してくれて有難うAさん。
それから、こういった難曲の合間に「サボイでストンプ」などという軽快なスタンダード曲を、会場全員の合いの手コーラスを交えて披露。チャーミングなこの曲が、一層引き立つ仕掛けにになってる訳ですね。
いあ~、それにしても今夜の観客の反応は鋭かった。客席と一体となったハイレベルな即興演奏の世界。これぞジャズライブの真骨頂と行った感じですね。恐らく、ニューヨークや、パリでもこれだけのハイレベルなパフォーマンスはめったにないでしょうね。ジャズ・ミシュランみたいのがあれば、星三つといったところでしょうか。
(あ!まずい。船長が、極秘裏に進めているジャズ・ミシュランの覆面調査員だということがばれたら、組織に狙われてしまう!)
そうだ、よ~し、今夜はコートの襟を立てて船に帰ろう。
これから、寒くなるので調査後に遭難しないで
くださいね。
ところでご自分の母港は、どうなってますか?
>覆面調査員、いい仕事してますね。
そうなんですけど、調査費用が全部自腹なのがいまいちですが、まあ名誉職といった感じですね!
(この件ナイショですよ!)
それから母港の件は、壮大なスケールになってしまい、取りあえず、政府に予算を概算要求したところです。(こちらは国家機密ですよ!)