常熟にて

常熟で働く日本人。常熟生活を綴ります。

常熟と南通に思う

2013年08月08日 12時49分02秒 | 日記

 南通にも住んだことがある。この南通市と揚子江を挟んで対峙するのが常熟市であり、お互いの市の中心は直線で結ぶと50キロ余りであり我々の感覚では近いとも言える。今では蘇通大橋があり車を飛ばせば南通まで40分という便利さである。

 古来、この二つの地域の交流はあまりなかったと聞く。むろん今のような橋はなく船で7-8キロはあると思われる揚子江を渡るのはまことに不便であったこともあるが、それにもまして人々が交流を好まなかったとおぼしき節がある。それは、常熟はまさに江南の中心に構える豊穣の地であったのに対し、いわゆる江北人である南通人は、常熟人にとっては極端に言ってしまえば蔑視の対象であったらしい。昔の常熟人にとっては例えば娘が南通に嫁ぐとなるとそれだけで反対する人もあったと聞く。もちろんそのような気風も薄れつつある。逆に、今や発展の速度が著しく速くいずれ“小上海”と呼ばれる日が来るのではといわれる南通に対し、常熟は経済的な側面から見れば遅れをとっているようだ。



 ここに一つの普遍的な発展衰退の図式がある。片や物産に恵まれ人々の生活も豊かであり、プライドも高い人たちの住む常熟、片やわずか河(といっても長江だが)一本隔てただけでありながら、蘇州、無錫を中心とする文化、経済の中心からは一段低く見られていた南通。なにくそと頑張っていけるのはどちらの方かは明白なことである。人と人との関係、国と国の関係もまた同じであるようだ。

 ケンタッキーもスターバックスも先にできたのは常熟である。常熟には南通にはない日系の味千ラーメンが何件もある。ただ南通である期間生活した後、常熟に初めてやってきたとき、中国では発展のしるしともいえるそれら外資系の飲食店を見て、どこかさびれた印象を持ったのは、私だけではないかもしれない。


 


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1 コメント

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2013-08-09 07:11:24
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