つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

狙われたフールズ

2005-05-25 14:51:58 | SF(海外)
さて、以前の記事を読み返すのが怖い第176回は、

タイトル:銀河おさわがせパラダイス
著者:ロバート・アスプリン
文庫名:ハヤカワ文庫

であります。

第25回で紹介した『銀河おさわがせ中隊』の続編です。
前作で宇宙軍一のおちこぼれ集団『オメガ中隊』を立ち直らせたウィラード・フール君が、再び底知れぬ悪知恵と有り余るお金を使って大活躍します。

プリッツクリーク大将には目の上のコブがあった。
言うまでもなく、あのオメガ中隊を率いるジェスター大尉(偽名)である。
ごろつきどもをてなずけて、のうのうと惑星ハスキンに居座る若き大金持ち。
軍規違反を犯したにも関わらずいけしゃあしゃあと自分の正当性を主張し、軍法会議を切り抜けたばかりか、勲章まで勝ち取ったあのウィラード・フールである!

フールに好意的なバトルアックス大佐が休暇に出たのが運のつき。
大将はこれ幸いとばかりにオメガ中隊を自分の直属に配置換えした。
異常な熱意を持って彼は難題を探し、それをオメガ中隊に押しつける。
一見気楽に見えるカジノの警備任務、だがその背後にはマフィアが絡んでいた。
我らがフールズの運命やいかに!

というわけで、銀河を部隊にしたポリス・アカデミー第二弾。
前作で登場した個性豊かな面々が所狭しと大暴れします。
迎え撃つはマフィアの女ボスマクシーンとその頭脳ラヴェルナ。

この作者、とにかく会話が上手です。
経営、人事、陰謀、小難しくなりがちな話も軽妙な会話でさらっと読めてしまう。
映画化してくれないかぁ、フール君のキャスティングがかなり難しそうだけど。

オープン間近のカジノはマフィアに乗っ取られてしまうのか?
それとも、前作と同じくフール君の一人勝ちで終わるのか?
スポ根から一転、コメディタッチのスパイ物となった本作。前にも増して楽しく読めます。個人的にはシリーズ最高。

ちなみにこの後もシリーズは続きますが、私はここで読むのをやめることをオススメします。三巻以降共作になって、ノリが悪くなってしまった気がするので……。



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