労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

『朝日新聞』と日本共産党が差し向けた“助け船”

2009-12-16 21:40:49 | Weblog
『朝日新聞』と日本共産党が差し向けた“助け船”

 中国要人と天皇の“特例会見”をめぐって、小沢氏が「天皇の国事行為は内閣の助言と承認によって問題はない」と発言したことに対して、最初に『朝日新聞』が、つぎには日本共産党が天皇主義者のために“助け船”を差し向けている。

 何でも、日本共産党委員長の志位氏によれば、憲法7条の規定に照らし「外国の賓客と天皇が会見することは国事行為ではない。(憲法に)そういう項目が出てこない。公的行為だ」と指摘。そのうえで「公的行為は、政治的性格を与えてはならないのが憲法の定めるところ。政府が関与すれば政治的性格を与えてしまい、憲法の精神をたがえる」という。

 そこで天皇主義者たちは一斉に日本共産党の背後に群がっているのだが、志位氏は自分が何を言っているのか理解しているのだろうか?

 志位氏は天皇には国事行為とは区別された“公的行為”を行う権能があり、その“公的行為”は政府が関与してはならず、天皇の好き勝手にやらせるべきであるといっているのである。

 しかしながら、日本国憲法には、

第3条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。 

第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

 と書いてある。特に第4条では、天皇は憲法で定める国事行為以外の“公的行為”を行ってはならないとはっきり書いてある。

 『朝日新聞』と日本共産党は、「国賓との接見」は国事行為ではないというのであれば、天皇は外国の要人とは一切会うなと。それを法律として成文化し、罰則規定、(例えば違約した天皇を坊主にして高野山か比叡山に押しこめる等)を設けるように要求すべきであろう。実際、国政に関する権能を有しない人物が外国の要人と会っても何の意味もないことなのだから、天皇と国賓の接見一般を禁止するというルールを作ることにわれわれは反対はしない。(賛成でもないが・・・)

 さらに志位氏は、「公的行為は、政治的性格を与えてはならないのが憲法の定めるところ」などというまったくデタラメな話をするのだが、公的な意思の形成と執行は政治そのものであり、政治的ではない“公的行為”などあろうはずもないではないか。(これは外交についても同じである)

 そもそもが『朝日新聞』と日本共産党は、なぜ第4条のような規定が存在しなければならないのかということを理解していない。

 『朝日新聞』と日本共産党は、安易に、象徴天皇制のもとで国事行為とは区別された“公的行為”が存在することを認め、さらにはその領域に対する内閣の介入を“政治利用”または“政治的中立性の侵犯”として、否定することによって、事実上、主権者の手の届かない政治領域を創り出しているのである。

 これがどれほど危険なことであるかは、戦前の統帥権をみれば明らかであろう。この政治の及ばない領域にろくでもない連中が蝟集することによって大日本帝国は滅びたのではなかったか。

 『朝日新聞』と日本共産党が、皇族外交と呼ばれている治外法権の領域を認めることによって、日本国は滅びるであろう。
 

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