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労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

怒りに身をまかせて

2010-02-08 02:40:30 | Weblog


 今ではすっかりブルジョア反動派(!)の“理論的”(ハッ、ハッ、ハッ)支柱へと落ちぶれてしまったマルクス主義同志会が、小沢一郎氏の起訴を検察が見送ったことを激怒している。

 彼らは最初に、これまで自分たちが検察にエールを送っていたことを忘れて、自分たちは検察にはもともと期待してはいなかったと強がりをいう。(そのわりには『海つばめ』の記事の全体に検察に裏切られたという思いが漂っている)

 もちろん、マルクス主義同志会がいうように、同じブルジョア的な権力機構として、検察と小沢の対立は相対的なものであり、相互の間で、妥協も取引も充分に可能である。

 今回の“司法取引”では、小沢免訴の代わりに検察が得たものは、検察首脳の地位の保全であり、検察人事の“自立性”であり、自白中心の捜査方法の継続の保証である。これが果たして、マルクス主義同志会が金科玉条としている“等価交換の法則”に合致しているかは定かではないが、小沢民主党と検察双方にとって利益のある取引にはちがいなかろう。

 もちろん、この検察と小沢民主党の“司法取引”によって損害を被ったのは、法の正義を愛する人々であり、保守反動派なのだが、マルクス主義同志会はどちらなのであろうか。次の『海つばめ』の記事を読んでいただきたい。

「裁判をやって『確実に』勝てないから起訴しない、などというのは弁解にもなっていない。『確実に』勝てるか、勝てないかといった基準で、庶民の犯罪を起訴したり、しなかったり、常日頃やっているというのか。庶民に対しては、もっとあいまいで、当て推量の、そして矮小な嫌疑の場合にも、いくらでも不当な逮捕や告訴を、思うがままに、高飛車にやっているではないか。小沢のような権力者なら、反対に、『いたれりつくせりの』配慮をするというのか、巨大犯罪も見逃すというのか。」

 ここでは法律に基づかない「不当な逮捕や告訴」を日常的に検察が日常的に行っているという、ある意味ではわれわれと同じ認識に立っている。ただ違うのはわれわれがこのような検察の態度はよろしくないから改めよといっているのに対して、マルクス主義同志会はこのような検察の態度を是(正しいもの)とし、さらには“庶民”に対するように“権力者”に対しても、“庶民”と同じ基準、すなわち法律に基づかない「不当な逮捕や告訴」を行うように進言しているのである。

 さらに、「裁判をやって『確実に』勝てないから起訴しない」(事実と証拠をもって犯罪を証明できなければ起訴しない)という態度についても、「裁判をやって勝てる見通しが立たない、などというのは検察の卑しいごまかしであり、虚偽であって、例えば、小沢がゼネコンから五千万円、あるいは一億円のカネを受け取ったということは、ゼネコン側の証言からもすでにはっきりしているのである」ともいう。

 ここではマルクス主義同志会は、共犯者の一方の自白があれば、共犯と目された他方の被疑者を有罪にできるという立場に立っている。(この立場は、ファシズム時代のドイツや戦前の日本軍国主義時代やスターリン時代のソ連の司法の立場であり、自白のみで有罪にすることはできないというブルジョア民主主義の立場と明らかに矛盾する)

 ここでは「法の正義」という観念は絶無であり、あるのはただただ小沢が憎たらしいという観念のみである。もちろんこういった観念はマルクス主義同志会が権力を喪失した保守反動派と共有している観念の一つである。

 その彼らが自分たちの味方だと思っていた検察に裏切られたと落胆する中で、今回の“司法取引”は鳩山政権と小沢民主党がより既存の権力と野合、癒着し、政府が小ブルジョア的幻想の政府から資本の政治委員会としての立場へと移行し始めていることを表している。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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余計なこと (K.K)
2010-02-09 21:11:56
革命の方向を見失ったマル同志会は小沢の件で根拠のない決め付けをして検察の応援団の役目を果たすだけしかなかったようだネ。
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余計なこと (K.K)
2010-02-09 21:14:03
革命の方向を見失ったマル同志会は小沢の件で根拠のない決め付けをして検察の応援団の役目を果たすだけしかなかったようだネ。
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