パラグアイは、面積が40万6,752平方キロメートル(日本の約1.1倍)、人口約685万人(2016年、パラグアイ統計局)、南アメリカ中央南部に位置する共和制国家で、東と北東をブラジル、西と北西をボリビア、南と南西をアルゼンチンに囲まれている内陸国です。
首都はアスンシオンという都市なのですが、ご存知の方は少ないかも知れません。
日本から直行便は無く、ブラジルかアルゼンチン経由となります。
一人当たりGNI(名目)は4,150ドル(2014年世銀)ですので、決して豊かではないが、貧しくも無いというところでしょうか。
もともとは、アルゼンチン同様スペインの植民地でした。
国民はスペイン人の父と日本人と同じモンゴロイド系の先住民であるグアラニー人の母を祖先に持つものが現在のパラグアイ国民の大多数です。
スペイン語、南アメリカ先住民の言語であるグアラニー語が公用語であり、94%の国民はグアラニー語を話すことができ、スペイン語も75%の国民によって話されてます。
宗教はローマカトリックが90%ですが、宗教選択は自由です。
日系人は7000人程、主要産業である農業分野で成功した日系人が多く、国民から信頼を集めており、そのため大の親日国なのだそうです。
パラグアイというと、ペルーやブラジルほどの印象はないかもしれませんが、かつて多くの日本人が移民として海を渡りました。
1936年8月、日本から最初の移民が到着。現在のラ・コルメナ地区に居を構えました。
この時は戦前の移住だったことから、第二次世界大戦時には全パラグアイの日本人収容地となるなど、苦難の多い移住でした。
戦後パラグアイのストロエスネル大統領は日本人の受け入れを中南米で初めて認めました。
1959年「日本・パラグアイ移住協定」が締結されると移住者が増加し、7000人もの日本人がパラグアイに渡ったのだそうです。
日本では、戦後満州からの帰国者があふれ、国土が荒廃し住居となる土地が不足していたころです。
移民は増えましたが、ブラジルをはじめとした他の移住地同様に原生林を切り開く過酷な道が待っていたそうです。
でも、ブラジル同様に日本人移民たちは、パラグアイで与えられた原生林を開拓し、農作に励み大豆と小麦輪作に成功しパラグアイの自給自足に大きく貢献しました。また、それまで育てられなかったトマトなどの野菜も生産し、トマト料理も生まれ「日本人がもたらしてくれた」と現地の人々に感謝されているのだそうです。
それまではパラグアイの主要な輸出品は綿花でしたが、現在では大豆が主要輸出品の一つになっています。
勤勉な日本人の姿は、日本人に対する信用を大きなものにしていきました。
現在の駐日大使はトヨトシ・ナオユキ(豊歳直之)氏で日本生まれ、日本の海運会社に勤めた後、1960年に退社しアルゼンチンに渡り、1969年にパラグアイに移住した方だそうです。パラグアイで自動車販売等幅広く事業を展開し、彼の会社は800人以上の従業員を雇っており、私財を投じて学校も創設したのだとか。
大使就任に当たり、日本国籍を放棄したそうです。
因みに、前任の田岡功氏も徳島県出身の日系1世だそうです。
大使に日系人を登用する程、日本人が尊敬されているということなのだと思います。
そして、日系人達は現在でも日本人に対する信用を損なわないよう、パラグアイの地で活躍しているのでしょう。
日系人が現地で活躍できた理由は、勤勉であったということもあるのでしょうが、それだけではないのだと思います。
現地の人々が日本人を受け入れてくれた、活躍する場所を与えてくれた、活躍を認めてくれた、
ということだと思います。
現在、欧米ではアフリカ・中東諸国からの難民・移民が問題となっています。
難民・移民の人々は、欧米の国々が受け入れてくれたものの、活躍する場所を与えてくれず、そして活躍を認めてくれないように見えるのです。
その失意の中で、過激派に傾倒し、テロを起こす若者もいるのでしょう。
その結果、欧米諸国は難民・移民の受け入れ拒否に向かっているように思うのです。
そんな負の連鎖です。
中東難民を300人程しか受け入れない日本が、とやかく言うことはできないのだとは思います。
でも、日本国内の介護施設では、東南アジアからの若者が研修生として働いており、そのホスピタリティの高さから、信頼されているのだそうです。
彼らは、日本が受け入れて、活躍する場所を与えて、活躍を認め、尊敬に値する人々となっているようです。
受け入れ、活躍する場所を与えて、そして活躍を認めたら、
過激派に傾倒し、テロを起こす若者も少なくなるのでは無いかと思います。
日本ではハードルが高そうだなと思えるのが、少し悲しいですが。
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