50話「最後の力」感想[1]です。
最後の力とは…「明日を望む力」であり、「希望の力」であり、「未来への切望」であり…ということで★
終わりましたですね。DESTINY
DESTINY全体を通すと、「安定供給作品」とは残念ながら行きませんでしたが(でもこれもひとつのアプローチ)、
最後良ければ全て良し…なのかな??これって…笑
私的には、シン、アスラン、キラ、それぞれの最終回の主人公の描き方と、
議長、レイ、タリアの結末、という点で大満足しました。50話!(甘いとかいわないで…笑)
残された尺がなさ過ぎることはわかってましたし、あっけなく終わるだろう、というのも、わかってましたからね。笑
最初のオンエアで、置いてけぼりくらった感も、2回目を見て思いの外すっきりしました。
とりあえず、最後なので、順を追って感想書きます。
☆
■オーブの危機
とにかく、危機なんですよね。。。
カガリは信じて待つしかなく、AA、エターナル、オーブ軍が必死でレクイエム阻止に奔走しますが、
そこに立ちふさがるデスティニーとレジェンド。
オーブを守るために、エターナルさえも楯になるとラクスは言います。
オーブの理念を受け継いだカガリの使命の重さをひしひし感じました。
この戦いのあとこそ、カガリは大変なことになりそうです。
大西洋連邦の大統領も亡くなりましたし、プラントも独裁者を赦した事で、当分は混乱した政権になる。
その中で、世界へ道を示す力をもつのがオーブになっていくだろうから。
そして、これはチャンスでもある。
今度こそ、世界が手を取り合っていく時代を拓くための。
カガリの使命はでかすぎです。。。あああ、頑張ってほしいです。姫…!
ところで、今更ですが、アカツキもどらぐーん積んでたんですね。。。
カガリも…種割りすれば使えてたのかな??(余談でした)
■キラとレイ
「お前も消えなくてはならない、俺たちと一緒に」(要約)
命が短いことを知っているレイがキラに投げた言葉。
キラのような存在が「在る」から、人はまた望みを持つ。欲望と羨望との結果としてまた…創ろうとする。
だから消えなくてはならない、キラの存在も。
レイは必死です。
ラウとレイの大きな違いは、
「どうせ戦いを選ぶ人類なんだから、打ち合って醜く死んでいけ、そうやって繰り返すんだ人は!!」と戦ったラウと、
(議長の示す平和のため)新しい世界の為にとひたすらに戦うレイ。
ここに、この二人の…結末を大きくわけた違いがあるのでしょうね。
レイは、レイなりに世界への、平和への、望みを抱いていた。
その方法がわからなすぎて、希望を与えられなさすぎて、ギルの示す道しか目にすることができなかったけど。
「自分の命はもう、運命だから死ぬのもわかっている。けど世界には、また自分のような子供を生ませたくはない。」
その一点が純粋だったから…彼には救いが与えられたし、キラの言葉がまっすぐ届いたのでしょうか。
それがちゃんと描かれたのが嬉しかった。彼の心は唐突に変化したようにも見えますが、ちゃんと複線は描かれてましたよね。
「ラウは…もういないんだ。だが君も…ラウだ。」
そう言われたときのレイの困惑の表情。(ある意味、レイの個の存在を否定された瞬間)
彼は議長に「それを運命として受け入れて生きよ」と教えられたため、必死に彼に応えようと生きてきたんですね。
ラウ亡き後はギルバートしか頼る存在はなかったのだから。
議長「逃れられないもの、それが自分」
ラウ&レイ 「そして、取り戻せないもの、それが過去」
誰にとっても、人間であれば。生きていれば。
ラウ&レイ「だから終わらせる、全て。そしてあるべき正しき姿へと戻るんだ、人は、世界は!」
キラ「でも違う!命は何にだって一つだ。だからその命は君だ!彼じゃない!!」
キラはアスランから、レジェンドのパイロットはレイという少年であることは情報として得ているからこその台詞ですけど。
もう、本当に彼に言ってあげて欲しかった台詞です。
この時点で、ああ、DESTINYはちゃんと終われるんだ…と感無量になりました。
悲しいかもしれないけど、救いはあると確信。
■そしてそしてそして!待ってました!!!!!シンvsアスラン!!
「もうお前も、過去に捕らわれたまま戦うのは止めろ!!…そんな事をしても、何も戻りはしない!!」
過去の自分に投げた言葉でもあるのかも知れませんが、SEEDで目の前で逝った父に投げた言葉でもありましたね。
「なのに、未来まで殺す気か!お前は!! お前が欲しかったのは、本当にそんな力か!?」
この辺り、実はアスランがオーブでシンと対峙したとき(アスラン大流血事件の回です笑)にもほぼ同じ事をいっています。
このときも、シンにはアスランの「力を示してやる」事でしか投げかけられなかった。
そして今回も。
◎余談:アスカガ
「お前が欲しかったのは」の下りの石田さんの台詞、かなり想いが詰まった感じで…良かったです。
このシーンにオーブに居るカガリのカットが入りました。
シンにとっても、カガリ=オーブは本当は守られてほしい存在として…のカットでもあるけれど、、、、
ここはまさにアスランにとっての「守りたい究極がカガリ」という証拠ですね。ホッとしました。ここだけでも…充分す。
(だって、その後はDVDなんでしょ??笑)
◎アスランの欲しかった力。
今回の戦争に関しては、結果的にアスランはオーブ軍を討ってしまいました。
でも、キラに言われて、自分はカガリ(とオーブと戦いを選ばないキラ達)守ろうとして力を欲したはずだったのに、
結果泣かせることしかできなかった事に気づき、
そして、ルナマリアに「力と権限を見せてほしい」と言われて、ああ、自分は焦っていたんだと気づかされ、
最後に議長の真意に気づいたからこそ、傷ついたけれど、脱することができた迷走。
だから、アスランは今守るべき力と道を見つけたからこそ、シンを救いたい。
シンもオーブが好きで、本当は守りたいから戦っていることを知っているから。
「守りたい気持ちはおなじ。ただ方法がちょっと違ってしまう事もある」シンとアスランとキラ。
そして、力の正義を貫こうとするシンには、力でもって、間違いを正してやらなければならなくて。
その役割を負ってくれたのがアスランで本当に良かった。。。。
シン「敵の脅威があるときには仕方ありません。戦うべき時には戦わないと!」
アスラン「敵って、誰だよ」
レイ「(迷いに対して)それは弱さだ。それでは何も守れない」
自分の思い、アスランの言葉、レイの告白と決意。
シンには…今のシンには力でねじ伏せて得た結果が全てでした。
心は迷いを持っているのに、でも迷っていては守れないから、目の前の敵を討つ。
ルナマリアが割って入ったことも目に入ってなかったのか…(逆にまた失うと思っちゃったんですね…可哀想に)
「このっ、バカヤロー!!」
アスラン、アスラン、ありがとう!!君のおかげで、シンが…死ななかった…号泣(笑)
…アスランの種割れ。必要ないくらい、彼は強い男になっていましたね。
じつはDESTINY、この主人公3人の成長物語では…結局無かったんですね。。。
(育ったのはカガリ笑)
迷いから脱したアスランは本来のアスランの姿であっただけだし、キラもそう。そしてシンの成長は「この後」。
彼が犯した罪にも、…生きていれば答えも新たな希望もみつかるでしょう! 辛いけど。
不思議な作品。というか、新しいアプローチですよね。やはり。
実は、そこにこそ、私は満足しています。監督の型破りなこのクリエイティブ作品に。
ガンダムシリーズに新たなブランドを立ち上げただけでなく、TVアニメとしての型破り作品だったんじゃないですかね。
リズムといい、構成といい。。。捨てるととこは、すぱりくっきり捨ててくれましたよね。。。笑
(残ったエピソードがどうこう…は好みの問題…笑)
この主人公3人を通じて監督が描いたテーマと メッセージには、私には非常に満足です。
ロゴスの存在とか…の結論には最初面食らいましたが、50話をこう描きたかったのであれば…目をつむっても良し。(私はね)笑
複雑で重いテーマを扱っておきながら、エンタメとしてもこだわりたいとこがあったようなので…仕方ありません。
でも伝わるものはしっかり受け取らせていただきました☆
■そして決着の時。
「発射口の敵を掃討後、オーブを打って戦闘を終わらせる。全軍に通達!」
そして、イザークの叫びのリフレイン。
◎気になったこと。。。(余談)
ネオジェネシスが撃ってきたとき、アスラン、ムウに「大佐!!」ってさけびましたよね。。。?
また…ベットで一緒に療養中、散々「俺は大佐!!」ってすり込まれちゃったのかしらん。
一佐でも中佐でもなく、思わず「大佐」…笑 そうですか。
■シンの見る夢。
「昨日をもらったの。だからわかるの。うれしいの!…だから明日ね!明日!!」
明日の無かったステラが、過去を取り戻したことで嬉しいと、明日があるとシンに会いに来ます。
これは、会話があったのでシンの夢なのでしょうが、これはただただ、主人公シンへの神の声(制作者の声)でしたね。
これも、シンに与えられた救いとして…リアルじゃなくても、あって良かったシーンでした。
「シン!ああ、もうっ!!」
天へと立ち上がる火柱に目を向けるシン。
「あれ…」
「レクイエムよ。オーブは…撃たれなかった。」
ルナマリアの言葉には暖かさが詰まっています。
彼女も彼女なりに、オーブを好きだったはずのシンをよく見ていたんですね。
信じて戦ってきたものが次々失われていくのを見て、、、シンの目に涙があふれます。
それを優しく受け止めるルナマリア。
「本当は、誰かに止めてもらいたかった、示してもらいたかった、こうしてただ戦士として、撃つだけの自分の道が怖かった」
そして、自分を止め、オーブを守った者達の存在があって、ルナマリアがそれを微笑んでいて。
ここに答えがあったこと。何がなんだか今はわからないけれど、悲鳴を上げ続けていたシンの心が、涙を生んだのでしょうか。
私にはとにかく、シンはやっと自由になった、解放されたんだという安堵感でいっぱいになりました。(そしてアスランへの感謝と!!)
どんな、ペシミスト(悲観主義者)も恋をして変わる。
どんな、リアリスト(現実主義者)もいつか少年にかえる。
人を愛することは世界を愛すること。人と関わって生きているということは明日に希望を持てるということ。
シンしかり、議長然り、アスランしかり、キラ然り。。。
当たり前のことだけど、当たり前にできなくて辛いもの。でも手に出来たらそれは幸せなこと。
シンは、その優しさを知り受け入れてくれる人に囲まれていたから心を壊さずに終えられたのかも。
ほっとしました。本当に。レイも、アスランも、シンには暖かい存在でしたね。
☆
そして…いよいよ、ドラマの見せ所!!!な熱い熱いキラvsデュランダル…ですが、
あああ、長くなってしまったので、続きはつぎに。。。笑(スミマセン)
だって、ね、ちゃんと書きたいし!良いシーンだから…
☆
いろんな意味で、語りきれないほどの感想を持たせてくれたDESTINY全50話でした。
総括も…時間があれば書いてみたいです。
たいむと申します。
くりっぷさんのお名前は、時折コリオリさんのところで拝見したように思います。(私は、ですが)
>シンvsアスラン!!
>◎余談:アスカガ
>◎アスランの欲しかった力。
すべてに置いて同感です。本来「同じ」という言葉はあまり好きではない私ですが(気持ちにまったく同じはないと思っていますので)それでもここに書かれている言葉の通り受け止めて、私も同じ様に感じています。とても嬉しいです。
私もアスランにはシンを押さえつけて欲しいと、それがアスランの役目だと主張していましたし、同じことなのですが、シンはもうアスランにちゃんと負けないといつまでもわからない、と思っていましたし。
SEED-Dからの参加者なもので、速攻SEEDを一気に観た私は、見終わっても明確に出されていない答えを「世界を救えるのは”愛だけ”なんだろうな」と結論付けました。それは今も変わっていません。
正しいかどうかはわからないけれど、間違っていないと思っています。
こちらで言われている
>人を愛することは世界を愛すること。人と関わって生きているということは明日に希望を持てるということ。
それこそ同じなのか判りませんがとても共感しています。
なんだかとっても嬉しくて、おもわず長文コメントしてしまい、失礼しました。
来週がないのがとても残念な気持ちです。なんかもっと早くお会いしかった・・・
えっと、でも実は私もはじめましての気がしません。。。笑
お名前はやっぱり、コリオリ様のブログで存じておりました☆
今回は感想も最後なので、少しTBも頑張って飛ばしてみようと思いトラックバックセンターのリンクからおじゃましました。そこでもしや、あのたいむ様かしら???と、TB送らせていただきました。やはりそうでしたか!!嬉しいです☆
わざわざコメントありがとうございます!!
…コメントを拝して…とても親近感が湧きました。。。実は私もDESTINYから見出し、一気にSEEDを見た人間でした。
(きっかけはアスカガの存在と議長のロゴス話が出た19話でした)
>本来「同じ」という言葉はあまり好きではない私ですが(気持ちにまったく同じはないと思っていますので)
あああ、どうしましょう。わかります。この「同感・共感」に対する意味づけ…というか立ち位置というか。
特にDESTINYのブログをはじめてから、あまりのDESTINYの人気のすごさに改めて気づきまして、ここのブログも出来ることならちょっと色の違うものにしていきたいと思って書い手来ましたが…「近い」感覚のサイトさんに出会うと私も嬉しかったりしました。笑(そういう割に忙しかったりして回れてないんですけど…)
>見終わっても明確に出されていない答えを「世界を救えるのは”愛だけ”なんだろうな」と結論付けました。それは今も変わっていません。
たいむ様のおっしゃるとおり、臭くとも、ベタでも、普遍の人間の価値観はしっかりと描き込まれていたと、私も確信しています。
きっと、この作品は個々の年齢、経験、思想等によってかなりとらえ方が違う結末になるだろうと思ってここまで見てきました。賛否両論も極端だろうと…
その中で、どちらかというと、この作品自体には肯定な感想をずっと書いてきたので(とかいってけっこう愚痴りもしましたが笑)、改めて共感をいただけると、正直ホッとします(笑)たいむさんの所にも、改めてちゃんと伺わせていただきたいと思います。
最終話は終わってしまいましたが、私こそもっと早くにおじゃましていろいろお話したかったです。。。
ここは、この後最終回の残りの感想を書いた後、すこし愚痴りに入るかもしれませんが…まだ、小説版にも注目していますので、更新していく予定です。DVDも見ずには居られないですし…
…ああ、長いレス返しで、申し訳ありませんっ
もしよろしければ、また遊びに入らしてくださいね☆
ありがとうございました。
>あのたいむ様かしら???
”様”がつくようなの人間ではありませんが、記憶して頂けていた・・・とても光栄ですし嬉しいです。
コリオリさんのところでのことは、私も無謀に近いチャレンジのようなものでしたので、もし読まれているとしたらちょっと気恥ずかしい思いがします。
私もSEED-Dの人気の高さに驚きました。おっしゃるように年齢、経験、思想等によってありとあらゆる方面からの感想や突っ込み、批判・・様々なブログがありますね。正直、自分のブログをどういう位置づけで書くことにするか迷った時期がありました。(実はコリオリさんのところで愚痴らせてもらったことがあります)コリオリさんのお言葉にもより「そのときの気分」で書き進めてきましたが、その結果、どこか一貫性のないものになってしまった感は否めません。ですから、
>改めてちゃんと伺わせていただきたいと思います
というお言葉に添えるようなものではないかも知れません、と申し上げておきますw
ただひとつ、私もこの作品には肯定的な感想を書いてきたつもりです。
長くなりましたが、
>「同感・共感」に対する意味づけ…というか立ち位置
>>「同感・共感」に対する意味づけ…というか立ち位置
これに反応して頂けて感無量です(大げさですね)
なかなかこれを解ってくれる方って多くないので。
小説は私も読んでいます。DVDはもちろん。
ブログも続きます。
こちらにはまた訪問させていただきます。
私のブログは・・・これまでどおり、無茶苦茶かも知れません。(それを楽しみにしてくれる人もいるようなので)
ですが、こうしてこのようなコメントしている私も、ブログで弾けちゃってる私もどちらも私、同じもの。
今はそう自信を持ってやっているので、そのあたりをご理解いただけると嬉しいかな、って思います。
では早速続きの考察拝見することに致しますので、これにて失礼します!
再びの長文、恐縮です。
>ですが、こうしてこのようなコメントしている私も、ブログで弾けちゃってる私もどちらも私、同じもの。
そうですよね。
私はアスカガか絡むと理性が飛びました。何度か。。。笑
ブログは「アスカガの行方」と「作り手の制作意図」という二本柱で書いてきたつもりですが、
普段、文章を書かない自分がいきなり書き始めたところで収拾つくはずもなく。未だぼろぼろです…
今後もそちらにはおじゃまさせていただきます☆
よろしくお願いいたします。