自分がアイドルグループを見る上でひとつの物差しにしているのが、「上下関係の度合い」ってやつです。秩序のために先輩を敬う気持ちは確かに大事。でも、アイドルはそれだけでは駄目、年齢やキャリアを超えたグループの一体感を表現出来ているグループは見ていて楽しい。これはハロプロに限らず、男女も限らず、全てのアイドルグループに言える事ではないでしょうか。
数年前、それまでモーニング娘。を応援していた人達が、ベリキューにいくらか流れた時期がありました。それはBerryz工房も℃-uteも年齢は異なっても、全員同期である事から来るメンバーの親密感や連帯感が感じられ、見ていて気持ち良かった事もあったからではないかと思っています。モーニング娘。の醍醐味は、年齢も出身地も加入時期も異なるメンバー達が、日々しのぎを削る事にあるのですが、そういうレースを観続けるのに疲れた人が居た事は確かです。
ライバル心は大いに結構だけれど、あまりに上下関係が強すぎても、グループを箱推ししたい人にはその上下関係が重く感じられて推し辛いのです。ベリキューは同期だから上下関係というものが基本ないのです。箱推ししたい人にはわかりやすい魅力があった訳です。
時にはゆるい上下関係で伸びやかに何かを見せるアイドルを観たい。
二ヶ月前の映像ですが、こんな面白い放送がありました。ダイジェスト版ですが、「景品も出ない勝負事にここまで熱くなる者達」の、真剣だからこその面白さが詰まっていると思います。
☆相撲で泣くワケねーだろ!☆
ダイジェストゆえに、誤解を与えそうな箇所がいくつもあるので簡単に補足しますが、最初の取り組みで凄い剣幕でやりあっていますが、この二人は実はとても仲良しです。そして、何故この子は泣くまでに至ったかというと、子供の頃に元横綱貴乃花関の見ている前で「わんぱく大相撲」で優勝した経験がある事、この企画のために練習をしてきた事などの事情があるのです。
三大ティーンズファッション誌の一つである雑誌の現役人気モデルが相撲の企画に参加するだけでも驚きですが、そこで号泣するという結末。そこに交錯する先輩後輩、年上年下を超えたやりとり。楽しい。(この相撲は一期~四期に分かれた代表戦)
いまどきのアイドルグループは大抵、年齢がいくらか離れた子達の集まりです。6人しかいないももいろクローバーだって中学二年から高校二年まで離れているし、人数の多いグループは尚更。
ASAYAN時代からモーニング娘。を見て来たヲタなら、上はOLくらいの年齢で下は中学生という組み合わせくらいが面白いのだと、年齢の幅広さを肯定する事でしょう。そして、その年齢の離れたメンバーが同じ土俵(土俵とはまさに相撲用語だ)で絡み合う。そういうバトルロイヤルこそが、アイドルグループの面白さであると理解していただけるのではないでしょうか。
そういえば、AKBもそういう構成です。SDN48というものが出来て、AKBから大人の薫りを弱めてしまったのは、まさに中高生向けに売り出しを開始した時期と近いために、「余計なおせっかい」的な戦略にも映るけれど、今でもAKBには大人と子供の無差別バトルロイヤルな雰囲気は残っています。
そして、この動画ではほんの少しの片鱗しか伺えませんが、アイドリング!!!も「誰が先輩で、誰が年上か、パッと見ではわかりづらい」ほどバトルロイヤルしている。
ハロプロも愉快なくらい年齢差があります。エッグまで含めれば、小学生から26歳大学院生まで。ハロプロリーダーは昨日で24歳だ。この幅広い可能性、大事にしてほしいです。そして、年下の子が場を面白くするために年上に向かって、「相撲で泣くワケねーだろ!」と毒づくくらいの事が普通に出来る雰囲気であってほしいです。
一体感にしてもバトルロイヤル感にしても、それを生み出せるのは「統一した意思」のような気がします。
例えば、このお相撲だったら、「この企画を面白いものにしたい!」というメンバーさん達の「統一した意思」を感じました。だから真剣さとバトル感はあっても、苦々しい感じにならずおもしろい方向に進んでいく・・もちろん普段の仲のよさもあるのでしょうけど。
私の好きなグループにはいつもアイデアを出すメンバーがいます。「埋まらない2階3階席を埋めるために、そこから登場する演出を開始し、席を徐々に埋めた」「自分原案のコントをライブで始めた」等の話はそのメンバーの発案だそうです。「誰も座ってない3階席にスポットライトが当たって他のメンバーが満面の笑みで出てきたとき、俺泣きそうだった」とは発案者のメンバーが後から言ったお話です。屈辱的だったのかもしれません。でも、メンバー誰も「こんなの嫌だ」とは言わなかったそうです。それは「このメンバーで売れたい」という「統一した意思」があったからじゃないかなあと思うのです。
そんなふうに、肝でまとまってるグループは見ていて安心するし、応援しやすいなあと個人的には思っています。
映像の朝日さんのぽろぽろ涙に、思わずもらい泣きしてしまったのは疲れているせいなのでしょうか(爆)でもかわいらしくていじらしくて、胸がきゅっとなりました。
俺が特に笑ったのは『星は奈央が似合うんです!』と言いながら泣きじゃくるシーンです。
最後は吹っ切れた朝日さんが尾島・大川と立て続けに破り、ワンパク相撲の経験者である面目を保ちましたが
もう一度、違った形で見たい企画だな…と思いました。
>あきさん
ご紹介いただいたエピソード、とても良い話で胸に残りました。辛い現実を次に繋げるための演出へと昇華していくというのは、当事者にしてみればかなりの精神的エネルギーを要したのではないかと想像します。光景を頭に浮かべたら、メンバーの気持ちと見守るファンの気持ちを思い、胸が熱くなりました。
この相撲もまさにおっしゃるとおり、メンバー全員が「盛り上げてやろう」と真剣に臨んで、真剣だからこそ笑い、泣き、印象に残る回になりました。
朝日さんは雑誌「ラブベリー」の表紙を飾るほどの人気モデルなのに、番組では体を張って笑われていっています。モデルさんなのに罰ゲームで顔に落書きされたりもします。
でも、そういう「何事にも全力で取り組む」がアイドリング!!!のポリシーであり、それを思いっきりよく実行する朝日さんの姿は清々しさもあります。涙を誘われたのも、その真剣な姿ゆえにですね。心を揺さぶるのは真剣さが大事だと思い知らされました。
>きんやさん
本来なら、人が真剣に戦って負けて泣く姿を見て笑うというのは申し訳ない事で、笑ってはいけないと思うのですが、この相撲は真剣だからこそ笑えるものになり、悲壮感のないものになりましたね。
楓ちゃんが同期のあいちゃんをなぐさめに行かずあさひ☆の方に間違えて行ってしまった事を暴露されたのも笑えました。
先日のドッジボールも最高でしたね。経験者野元さんん。濠速球。終了寸前にぶつけられて景品がパーになり凄い表情になったすぅちゃん。思わず何度も見返しています。