ちょっとお留守にしてたNHKの朝ドラまた観始めてます。
その「ひよっこ」の舞台は1964年の東京オリンピックが行われる直前、
まさに高度経済成長真っ只中というとこから物語は始まる。
その時代の詩や音楽にも表れてますが、
当時地方から出稼ぎで上京する人が大勢いました。
もちろんその時代は僕らが生まれたぐらいの時代なので、
肌で感じる事は出来ませんが、
その時代を懸命に生き抜いた先輩達から、よく話を聞かされました。
このドラマの4話で宮本信子さん演じる、
赤坂にある洋食屋「すずふり亭」のマダムの「東京を嫌いにならでね」
という台詞にドキリとさせられた。
東京人でもない僕がドキリとするのもなんですが、
僕なりに大好きな東京への想いってのも、多少なりともあるわけで。
このドラマは地方から見た東京、また東京から見た東京というのがあって、
今とは違い、きっとあの頃東京に行くというのは、
それこそ田舎の家族を背負って向かった人達も多かったわけで、
その辺の家族愛も見所になってます。
ここのところNHKの朝ドラって、今の日本の歩き方に対して、
何か警鐘を鳴らしてるのではないかという気がするのですが、
制作側は単なるノスタルジーではなく、
過去の日本人の生き方を後世に伝えたいという想いからだそうです。
マダムが言った「東京を嫌いにならないでね」という言葉には、
東京オリンピックや高度経済成長で、
東京の景色や人が変わってゆくという意味も含まれてて、
何か今の時代とリンクしてるようにも感じます。
最近の報道を見てても感じることですが。
地球規模にしろ、宇宙規模にしろ、
こうもえらい時代に突入したというのに、
どうしてどこもかしこも、、こうも成熟出来ないのだろうか、、、
どうしてこうも調和が取れないんだろうか、、、
そんな時にオリンピックなんか始めてもいいものだろうか、、、
かつて人類の進歩を掲げた万博の反抗の象徴として、
岡本太郎さんは太陽の塔を作ったが、
音楽家の細野晴臣さんもこんな苦言を発してました。
「64年のオリンピックで、この街の良い部分はなくなっちゃった。
だから、今、オリンピックを東京で開催するのは大反対。
開催すれば停滞感を払拭できると思っている人は、考え方が古いよ。
そんなことよりも、街の下水にもっと気を遣うとかしたほうがいい。」と。
マダムの台詞で細野さんのこの言葉を思い出しました。
はっぴーえんどの「風街ろまん」の中にも、
失う東京の景色や心情を書いた作品が多いのですが、
やはり時代を切り取って音楽に残すということは、
何十年何百年と経ってからこそ、意味を持つのかもしれませんね。
またひよっこの中でも、
歌謡曲が1番生き生きと輝いてた楽曲達が流れます。
「東京ドドンパ娘」「いつでも夢を」、
そしてなんと僕の大好きなアイルランド民謡の
The Last Rose Of Summer(庭の干草)までもが。
実に素晴らしいです。
しかし、遂に観る番組が、
「鶴瓶の家族に乾杯」と「ひよっこ」だけになってしまいました(^_^;)
うーん。。。テレビの未来が心配だ。