アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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辺野古ボーリング調査を事実上容認してしまった翁長知事

2015年03月07日 | 沖縄・辺野古

         

 この数日間の翁長雄志知事の県議会答弁や記者団へのコメントで、辺野古の新基地建設をめぐる事態に重大な「進展」がありました。
 翁長知事は、辺野古埋め立てのボーリング調査を、事実上認めてしまったのです。

 ★3月3日、記者団へのコメント

 「翁長雄志知事は3日、中谷元防衛相が夏にも辺野古で新基地建設に向けた工事に着手する意向を示したことに『残念だ』と不快感を示した。県議会終了後、議会棟で記者団に答えた。
 知事は『(近く再開が予想される)ボーリング調査を終え、実施計画をする前には(国は)私たちと協議すると取り決められている』と指摘。『そういった手順があるから、まったく連絡がないまま一方的に、予算委員会という形で発言されるといかがなものかという感じがする』と述べ、県の頭越しにスケジュールに言及したことに苦言を呈した」(4日付沖縄タイムス)

 ★3月4日、県議会本会議答弁

 「翁長知事は県議会で、中谷氏が3日に『この夏にでも着手したい』と述べたことに関し『これから段階、段階でいろいろ(必要な協議が)あるにもかかわらず、交渉や話し合いもしないまま、夏ごろと国会でおっしゃったことは大変残念だ』と不快感を示した」(5日付琉球新報)
 「知事は4日の一般質問で・・・『実施計画にいたるまでの中で協議が必要になる』と指摘。着手前に県と国との間で実施計画に関する事前協議が必要との認識を強調」(7日付沖縄タイムス)

 ★3月5日、記者団へのコメント

 「翁長知事は同日、新たなブロック設置について見解を問われ『事実確認できていない』と言葉少なに話した。政府の出方をうかがいつつ、自身の言動に慎重になっている」(6日付琉球新報)

 ★県議会答弁の中で

 「新基地建設阻止の具体的な方法を追及された翁長氏は第三者委のほか、設置予定のワシントン駐在員の活用や、自らの訪米などを通して米政府に直訴すると説明。また、『国の対応を見ながら、辺野古に基地を造ってほしくないという気持ちで知事として一生懸命に頑張る』と強調した」(7日付沖縄タイムス)

 一連の発言は要するに、政府がボーリング調査を終えて次の段階で作成する「実施計画」について「事前協議」に応じてほしいということです。
 これは政府・防衛局のボーリング調査強行を事実上容認したものにほかなりません。翁長氏にボーリング調査を止めるつもりなどないのです。

 右の写真は5日の報道ステーションからですが、こうした翁長氏の姿勢やそれに呼応した菅官房長官の発言に対し、同番組でも、「会談実現のころには埋め立て工事が―」と、工事の既成事実化への懸念を示しています。

 ボウリング調査の容認は、たんに事前調査を容認することにととまらない重大な意味をもっています。

 「安倍内閣がなりふり構わず暴力的に辺野古工事を強行しているのは・・・前知事の埋め立て『承認』という行政行為に瑕疵があり、取り消し得るものとしても、その後の事実や行為(工事の進捗など)によって瑕疵が実質的に是正され、法的安定性その他の公益的見地から瑕疵ある行為が有効なものとして扱われる『行政行為の瑕疵の治癒』の(予備的)抗弁を提出するための、裁判戦への周到な準備こそが真の狙いである」(うるま市具志川九条の会共同代表・仲宗根勇氏、2日付琉球新報)

 「知事のあらゆる権限を使って新基地は造らせない」と言っていた翁長氏が、「国の対応を見ながら、辺野古に基地を造ってほしくないという気持ちで一生懸命に頑張る」へ。この無残な“変身”が意味するものは重大です。

 政府の工事強行を即刻止めねばなりません。それには、翁長氏に、「承認撤回」という知事の権限を直ちに行使させる以外にありません。

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