アリの一言 

オキナワ、天皇制、朝鮮半島の現実と歴史などから、
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翁長知事・「オール沖縄会議」は県民大会を「撤回」回避の隠れ蓑にするのか

2017年08月13日 | 沖縄・翁長・辺野古・...

     

 12日行われた「翁長知事を支え、辺野古に新基地を造らせない県民大会」。
 炎天下4万5千人(主催者発表)が集まり、「辺野古新基地建設断念、オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去の実現」(大会宣言)を安倍政権に突きつけた意味は大きく、県民のみなさんに心から敬意を表します。

 しかし、そうした県民の願いとは裏腹に、大会であいさつした翁長雄志知事、そして大会を主催した「オール沖縄会議」の姿勢には強い疑念をいだかざるをえません。県民大会を「埋立承認早期撤回」を回避するための隠れ蓑にしようとした意図がうかがえるからです。
 
 前回のブログで、大会決議(宣言)に「承認撤回」が盛り込まれることを強く望むと書きましたが、その期待は見事に裏切られました。「大会宣言」には「埋立承認撤回」については一言も触れていません。

 それだけではありません。壇上で発言し要旨が紹介されている7人(高里鈴代氏、高良鉄美氏、玉城愛氏=以上「オール沖縄会議」共同代表、山城博治氏・オール沖縄会議現地闘争部、稲嶺進名護市長、城間幹子那覇市長、野国昌春北谷町長)のうち、誰一人として「承認撤回」について触れる人はいませんでした(13日付琉球新報、沖縄タイムスの発言要旨)。これは果たして偶然でしょうか。

 肝心の翁長氏はどうだったでしょう。
 翁長氏は壇上のあいさつで、「工事を強硬に推し進める状況は、必ず埋め立て承認撤回につながっていく」(13日付琉球新報)としながら、「撤回の時期を私の責任で決断する」(同)と述べただけでした。
 大会後記者団に対しても「埋め立て承認の撤回を「必ずやる」と明言」(13日付沖縄タイムス)しながら、「撤回時期は示さなかった」(同)のです。

 <埋め立て承認撤回に向けては、今年3月25日の名護市辺野古の県民集会で翁長知事は「撤回を力強く、必ずやる」と初めて明言した。その後は撤回時期を問われるたび「工事の在り方等を考えると撤回は十二分に検討に値する」「あらゆる状況を想定して検討している」「撤回は視野に入れながら議論している」としか言及してこなかった。
 この日の県民大会でも撤回についての知事発言は従来の範囲内で目新しさはなかった。大会後の取材にも、時期についての質問に「時期は言えない」と答えるにとどめた>(13日付琉球新報「解説」)

 これだけでも問題ですが、さらに、たんに「従来の範囲内」と見過ごすことができない重大な報道があります。

 <大会主催者のオール沖縄会議は、4月の護岸工事着手後から、県民大会開催の機会を探ってきた。大会のタイミングを誤れば、早期撤回を求める声が噴出し、知事へ決断を迫る「圧力」にもなりかねない。県側の差し止め訴訟の動きも見ながら、開催時期の決定を慎重に調整してきた>(13日付琉球新報「透視鏡」)

 驚くべきことです。「8・12県民大会」は「早期撤回を求める声が噴出し、知事へ決断を迫る「圧力」」にならないように見計らって「差し止め訴訟」のあとにした、すなわち「8・12県民大会」には「早期撤回」の「圧力」を回避する意図があったというわけです。「大会宣言」や発言者が「承認撤回」に一言も触れなかった背景はそういうことだったのですか。

 翁長氏の「必ず撤回する」も額面通りには受け取れません。

 <「雰囲気による撤回はできない」(県幹部)と、県側は、明確な根拠を得ない限り撤回には踏み切れないとの考えに変わりはない。撤回カードを切る決定打はいまだ見えないが、知事を支えるオール沖縄会議の関係者の一人は「県民投票の可能性がないわけではない」と述べ、今後も撤回へ向けた環境づくりに注力していく姿勢を強調した>(13日付琉球新報「透視鏡」)

 この記事の「県幹部」の発言や「県側」の考えが翁長氏の意向と相違しているとは考えられません。つまり「明確な根拠」がないかぎり「撤回」には「踏み切れない」というのは翁長氏自身の本音だと言わざるをえません。そういう本心を持ちながら、県民大会や記者会見では「必ず撤回する」と言うのは、県民世論対策の二枚舌でなくてなんでしょうか。

 仮に「必ず撤回する」がほんとうだとしましょう。しかし、今問われているのは、そして新基地阻止のために決定的に重要なのは、「撤回の時期」です。なぜなら、「撤回が遅れれば遅れるほど結果的に公有水面埋め立て工事が進み、今後の撤回訴訟に不利益を生む」(仲宗根勇氏・元裁判官、4日付琉球新報「論壇」)からです。

 翁長氏はなぜ頑として「時期」を明言しようとしないのか。そこには、来年の知事選まで引っ張って、「撤回」を「公約」にして選挙戦での求心力を高めようとする政治戦略があるからではないでしょうか。

 「オール沖縄会議」(そのもとに集まる人びと)の目的、共通の要求・願いは、決して翁長氏を支持する(あるいは知事選で再選させる)ことではないでしょう。言うまでもなく辺野古新基地を阻止することでしょう。ならばなぜ大会で「承認撤回」を求めないのですか。なぜ「早期撤回」に反対するのですか。
 「オール沖縄会議」とは何なのか。自ら根源的に問い直す必要があるのではないでしょうか。
 

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