【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

2chの佐々木スレに投稿されたssの保管庫です

佐々木スレ10-54 >>1乙

2007-06-18 | >>1乙

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/30(水) 03:38:44 ID:JN+4NSTE
「こんばんは、とりあえずといっては何だけれども、>>1乙というとところから始めさせて貰お
うかな。とうとう、10スレ目だね。2ヶ月足らずで9000のレスが行なわれた、そういうわけだね。
この2ヶ月の間、『涼宮ハルヒの分裂』に登場した佐々木という個人に対して、いろいろな妄
想がこのスレッドを彩ってきた。来るべき『涼宮ハルヒの驚愕』に対する、予想が、悲観的な
もの、楽観的なもの、諦観が交じったもの、さまざまなものが2ヶ月の間に、この佐々木スレッ
ドに書き込まれてきた。このうちのいくつかは当たっているかもしれない。このうちの大部分
は外れているだろう。だけど、そんなことは問題なんかじゃあない。そうだろう、キミ。
 真実はひとつ、なんてよくいうよね。確かに、事件や、法廷や、ドキュメンタリではそれは
正しいのだろう。だけど、『涼宮ハルヒ』シリーズはエンタテインメントだ。エンタテインメント
の真実はひとつじゃあない。シャーロック・ホームズはライヘンバッハの滝壺から生還した。
スタンドはタロットとは関係ないんだ。
 だから、キミは正しい。キミは何時だって正しいのだ。キミの中の僕はキミ自身を肯定する。
すまない。すこし、話がずれてしまったかな。
 さて、この記念すべき10個めのスレッドで、僕はどのような存在として、キミの中に在るん
だろうか? もちろん、多くの人は、この世界に生きる絶対的な多数の他者は、僕のことなん
か知るよしもない。だけど、それはそれで構わないのさ。そうだろう。僕のことは他ならぬ、
キミが覚えていてくれるのだから。僕にとっては、それが一番大事なことなのだ。僕らの間に
約束された日々があとどれだけ続くかは正直、わからない。終わって欲しくもあるし、欲しくも
ない。そうだな、スヌーズにした目覚まし時計を止めながら、次に鳴ったら起きるんだ、
そう決意しているような気分、という所かな。
 失敬、長くなってしまった。さあ、宴を始めよう。キミの中の想像力と創造力を回すんだ。
エンジンのように、太陽のように、回し続けるんだ。その間だけ僕はキミの傍らに寄って立つ。
僕はあくまで、フィクションの登場人物だからね、誰かが、僕のことを考えない限り、存在し
ていないも同然なのさ。だからね、キミ。僕のことを想ってくれないか?
 ああ、それから前スレ>>1000、それもまた僕の望む所だ。争いより平和がいいね、それは
何があっても、変わらぬ真実ってヤツだ。まぁそれでも譲れないものはあるものさ。僕の親
友の気持ちのようにね。くつくつ、哀しいけど争いもまた真実なのだね」
 佐々木はそういって、唇をそっと人差し指で撫でた。


 6月を前にして、佐々木さんは不定な気分のようです。


55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/30(水) 03:49:19 ID:uDOuyQdS
>>54乙!
それでは10スレ目スタート

佐々木スレ10-47 テクニシャンk

2007-06-18 | その他佐々木×キョン

47 :1/1:2007/05/30(水) 00:59:23 ID:akXjtE+g
「ふふ、気持ちいい――一体何処で覚えたんだい?」
「そうか? どこでってなあ……昔妹によくやってやったもんだが」
「なるほどね。キミの妹さんが羨ましいよ」
「つってもなあ、もう何年も前の話だぜ? あいつだってもう高校生なんだ」
「そうだね、もしかしたら妹さんも僕達みたいな事をやっているのかもしれないよ」
「……」
「くっくっ、力んだね、今。動揺を隠せない証だ。やはり妹さんの事は格別に大切なようだね。
 キミは全くいいお兄さんをやっているよ。
 ちなみに今のは僕のブラフだ。妹さんには彼氏はまだ居ないようだよ」
「やれやれ、相変わらずからかってくれるぜ。――何でそんな事知ってるんだ?」
「何でって、毎日メールの遣り取りをさせて貰っているからね」
「はあ? いつの間にお前らそんな仲に」
「別に意識的にキミに黙って居た訳じゃ無いさ。
 彼女も僕もキミの所有物になった覚えはない。それぞれ、只の一個人同士の付き合いさ。
 それとも――くく、疎外感を感じて焼き餅でも焼いているのかい? 可愛いところがあるじゃないか」
「ばっ……! 別に俺は、そんな」
「まあそう照れる事もあるまい。褒めているのさ」
「この歳で男が可愛いなんて言われたって嬉しくねえっての」
「そうかい? じゃあもっと言ってやろう。キョン可愛いよキョン。くっくっ」
「くそ――こうしてやる! こうしてやる! どうだ佐々木?!」
「わ、そんな乱暴な――やめたまえ、やめたまえよキョン。
 僕もいささか調子に乗り過ぎたようだ。謹んで詫びさせて頂こう」
「はは、別に良いけどな」
「あ、それだ、その優しい指遣いがたまらなく心地良い。この時は僕のささやかな毎日の愉しみなのさ」
「そいつはどうも。しかし、そんなに良いものかね、俺なんかのシャンプーが?」
「世辞は言わない主義だからね。くく、いっそ美容師にでもなったらどうかな?」
「……商売でやれる自信はねえよ」

---

同棲生活とかしたらこんななのかねえと受信
>>1乙です。


48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/30(水) 01:13:35 ID:dCl3GzOX
>>47
なんからしくない二人に萌えるw

佐々木スレ9-960 「キョンと佐々木のチュートリアル」

2007-06-18 | その他佐々木×キョン

960 :キョンと佐々木のチュートリアル:2007/05/29(火) 22:33:41 ID:AYgXVNBA
佐「いい季節になってきたね」
キ「そうだな」
佐「僕たちにはあまり関係ないと言えば関係ないんだけどね」
キ「まあな」
佐「ところで、あしたは日曜で休日な訳だが、キミは何をして過ごすつもりかな?」
キ「特に予定も無いが、せいぜい駅前の本屋に立ち読みに行くぐらいだろう」
佐「そうかい」
キ「そう言う佐々木は何をするんだ?」
佐「僕はやはり勉強だな」
キ「え?勉強?なんで、なんで、なんで?」
佐「いや、そりゃ、やはり来年には受験が控えてる訳だし」
キ「ええ?じゃあ、あした起きたらまず何の勉強しようとか決まってるのか?」
佐「あ、ああ」
キ「えええ?!そうなんか?ちょ、ちょっと落ち着かせてくれ」
佐「何なんだよ一体」
キ「ええー、やるなぁ」
佐「何がだよ!」
キ「じゃあじゃあ、まず何の勉強するつもりなんだ?」
佐「えーと、まず英語」
キ「英語!英語言うとあれか、Hello. My name is Nancy.とかそんなのか?」
佐「初歩すぎるよ!」
キ「英語の次は?」
佐「英語の次は……、数学?」
キ「数学?!」
佐「なんで驚くんだよ!」
キ「じゃあ、やっぱり解の公式なんかも覚えてるのか?」
佐「そりゃもちろん」
キ「本当か!すごいな!」
佐「キミも覚えないといけないんだよ!……あー、なんか勉強する気が無くなってきた。僕もあしたは駅前に遊びに行こうかな」
キ「ふうん」
佐「そこはスルーなのか!」

佐々木スレ9-930 「おもろい夫婦」

2007-06-18 | その他佐々木×キョン

930 :おもろい夫婦:2007/05/29(火) 20:58:16 ID:1X6fffUj
新婚佐々キョン

「ご覧よキョン。これがお祝いにいただいた、かのイエスノー枕だ。イエスノー枕
だよ。くっくっ…まさか本当にこのようなものがこの世に存在するとは、思いも寄
らなかったよね。念のために説明するとこの枕は、夫婦の営みが今晩行われるべき
と意思表示をするならイエス、夫婦の営みが今晩行われるべきではないと意思表示
をするならノーの側に置いておくというものだよ。つまりこの枕がイエスの側に置
かれていれば今晩の夫婦の営為が行われるべきでありこの枕がノーの側に置かれて
いれば今晩の夫婦の営為は行われるべきではないという」
「わかったわかった。お前興奮しすぎ。というかそれ、本当に使うとは思わんぞ?」
「そこにあるだけで、何とも淫靡じゃないか。イエス・オア・ノーだ。やるかやら
れるか、刺すか刺されるかということだよ。何とデジタルかつ論理的なんだ。中間
値はない。ちなみに僕はいつでも勝負事は真剣で臨む主義だ。絶対に負けないよ?」
「な、何だよその気合は。というか、やるかやられるかってどのみちやるんじゃねえか」
「ほらご覧。僕は今この枕をイエスの側に置いたよ。ほらイエスだよ?つまり今夜
は、イエスってことなんだよ?それでいったい何がイエスなのかなんて、ままま間
違っても僕に聞くなよっ、せっかくイエスで置いたんだからっ/////」
「あー、さっきから散々説明されてるから概ねわかるけどな」
「あ、そ、そうなんだ。せっかくの迂遠な意思表示にエロティシズムを感じるどこ
ろか面と向かってわかったと言われては仕方がないけどね…じゃあ僕はシャワーで
も…」
「食後のチェスだろ?先々週のゲームがまだ終わってないからな、さて続きを~」
「まったくキミってひとは…」
「どうかしたか?」
「…そういうところも好きなんだけどね」


931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 21:03:18 ID:3EIOoyqn
>>930
この二人で漫才組めそうww
萌えキャラ同士の夫婦も良いなぁ


939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 21:39:23 ID:OC52u9yl
キョン「何でやねん!」
ペシッ!
プニュゥ…
キョン「…あ」
佐々木「…///」

結論:キョンがツッコミだと佐々木がデレる


940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 21:46:27 ID:3EIOoyqn
>>939
かわいいw
ツッコまれるとデレるってことは佐々木はドMか


948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 22:06:38 ID:JBqpCMEj
「そんな……キョン、待ってくれ、まだ心の準備g(以下自己規制

佐々木スレ9-856 「佐々キョンバカップル『夜食』」

2007-06-18 | その他中学時代ss

856 :佐々キョンバカップル『夜食』①:2007/05/28(月) 23:45:17 ID:41eGe99t
「キョン、起きてくれ。キミの高校の期末考査がどの程度のものなのか…僕には知る由もないが、少なくとも、キミが余裕を持って挑む事のできるレベルではないだろう?」

「………」

まったく、キミが明日の考査を乗り切る為に1日家庭教師に就任してくれ、と頼み込んできたじゃないか。
なのに開始一時間で夢の世界へ旅立つとは一体どういう了見なのだい?

「さあ、学習を再開しよう。キミにとって運命の時間まで既に半日をきっているのだからね」

そう言いながらキョンの肩を揺する僕。

「………」

だけど、起きる気配すら感じられない。
ベッド上のシャミ君が欠伸をするのが視界に入った。

「はぁ…」

深夜に年頃の、更に言わせてもらえば恋愛関係である男女が2人きりだと言うのに…
更に、更に言わせてもらうと、僕の装いはいくら7月とはいえ少々肌を露出し過ぎているはずだ。
ちょ、ちょっとだけ上乳もチラリとしてるんだよ?
だけどキミは見向きもせず、テーブルに突っ伏したままだ。
せっかく夜食としておにぎりまで用意してきているのに。

「キョン、目を覚ましてくれ。キミの顔を見なければ淋しさでどうにかなりそうだ…」

「………」


857 :佐々キョンバカップル『夜食』②:2007/05/28(月) 23:46:38 ID:41eGe99t
耳元で囁いてみても効果はない。
さすがの僕も頭にくる。怒気を放出し背中に般若を象ったオーラでも顕現させてしまいそうだ。

「仏の顔も三度、と言うが果たして僕の顔はいったい何度までだろうね。
今までの事も加味すれば優に百は越えているだろう?
さすがの僕にも我慢の限界、くらいは存在するのだよ」

「…ん……」

ほぅ…やっと起きてくれるのかい?

「…お……」

お?

「ぱい……」

プチンッ

はぁぁ?お、おおおっぱいだってぇ!?そ、そうか!それは胸の厚みを気にするぼ、ぼぼ僕に対しての当てつけかぁ!
もう我慢の限界だ!堪忍袋の緒もとうの昔に切れてるさ!
いい!僕にだって考えがあるんだよ!

バッ!

僕のカバンの中の一品、今夜の学習が一段落したら使用する事も考えた例の物…

ジャーン!

『中学時代のセーラー服』

そして僕はシャープペンシルを握り締め、天井へとかざした…

「変身…」

ヌギヌギヌギ…
ハキハキハキ…
シャキーン!!


858 :佐々キョンバカップル『夜食』③:2007/05/28(月) 23:47:42 ID:41eGe99t
「たぁ!『プリティささき』!只今参上!」

「説明しよう!『プリティささき』とは、一女子高生に過ぎない少女『佐々木』の乙女の怒りが臨界点を突破した時に誕生する、セーラー服美少女戦士である!
腕力は通常の①倍、羞恥心は通常の⑩倍という理不尽な能力を秘めているのがプリティささきだ!
彼女の乙女の証は猫である我が寝ているフリをしている際に彼の者に奪われてはいるが、それはまた別の話だ!」

「おや?シャミ君、いきなりにゃーにゃーどうしたんだい?」

「にゃぁ(あぶねぇあぶねぇ…)」

「…?」

シャミ君の様子が変なのはまぁいいとして…現在、最大の懸案事項であるキョンだ!
くっくっくっ、さぁキョン!覚悟はできてるんだろうね!?
いっくよぉぉ!

「ささきぱぁんち!」

プルプルプル…
ペチッ

ペチッペチッ
・・・・・・
ポコポコポコポコ…

「Zzz…」

「はぁっ…はぁっ…」

相当な量のエネルギーを消費したのに…さすが僕のキョンだ。一筋縄じゃいかないみたいだ…
起きる気配すら感じられないキョン。彼の神経の鈍さが感じられる。
それに「無視されてるのかな」とも思う。するとなんだか胸の奥がジュンとしてくる…


859 :佐々キョンバカップル『夜食』④:2007/05/28(月) 23:49:05 ID:41eGe99t
うふふ…

ハァハァ…

「あぁっ…」

ハァハァ…

てヘヘ…

・・・

はっ!?

「って僕はどんな変態なんだよ…」

まったく、キョンのせいだ。いつも焦らす等して早く来てくれないキミが悪いんだ。
僕の攻撃がこれで終わりだなんて思っちゃイケないよ!
必殺技を使っちゃうからねっ!

「ささきぃっく!」

テヤァァァァ!

ポコッ…

・・・

アチョォォォ!

ペコッ…

「Zzz…」

「はぁ…はぁ…」

疲れた…凄く激しい動きだったよ…
僕の息の上がり具合とは反比例して、キョンの寝息は平穏そのものだ。まるで普段の喧騒から逃れているみたいに。

それにしても…なんで起きないの?キョン、淋しいよぉ…
キョンが起きないんなら勝手に抱きついちゃうんだからぁ…

キョンの背中は広くて大好き。彼の首筋に縋るように両腕を絡ませる。
背中に押し付けた体の全面からキョンの体温がフルに感じられる。
鼻先に触れるキョンの髪の毛が擽ったいけど彼の匂いを独り占めできるからもう少しこのままで…

でも、今キョンが起きたらなんて言い訳しよう…

「超必の『ささきチョークスリーパー』をかけてたんだ」


860 :佐々キョンバカップル『夜食』⑤:2007/05/28(月) 23:50:10 ID:41eGe99t
うん、声に出して言ってみたけど完璧な返答だ。
決して「ムラムラしたから」なんて事はないんだ、うん。
それにしてもキョンって良い匂いだなー。

クンクン…

ハァハァ

クンクン…

てへへ

クンクン…

「あぁぁっ…んっ!」

・・・

あれっ?いつの間にか時計が5分ほど進んでいる…なるほど!これが時間移動か!
彼に時間移動の感想を求めたときに「頭がフラフラして、形容し難い吐き気に襲われる」と言っていたが…
確かに頭はまだ重い感じがして、焦点が定まらない。キョンの頭がメトロノームの様に揺れている。
僕の息が荒いのはご愛嬌。

・・・
いくら起こそうとしてもまったく起きないキョン、まるで眠り姫みたいだ。

「はっ!まさか!?」

眠り姫…

つまりはキスで目が覚めると…そういうワケか!
そうと決まれば話は早い。

キョンの頭を持ち上げる。
キョンの両頬をガッチリとホールド。
そして僕は宣言する。

「奥義、ささきっす…」
唇を尖らせる僕。


861 :佐々キョンバカップル『夜食』⑥:2007/05/28(月) 23:51:14 ID:41eGe99t
「うぅぅ…」

キョンの顔が近付く。

「んぅぅ…」

あと10センチ…

「んぅぅぅ…」

あと5センチ…

「んんぅぅ…」

あと3センチ…

「んんんぅぅぅ…!」

あと1センt

「起きてるぜ」

くぁうせldfふ・じ・こ!!!

・・・

「さて、僕はいくつかキミに質問しなければならない事項があるんだ」

「どうぞどうぞ」

「…いつから起きていた?」

「正直に言えば『変身』の瞬間は横目で見てた」

・・・

orz

「佐々木、その体勢だとスカート全開だぜ?」

・・・

OFZ

「いや、右手で押さえても大して変わらんが…」


862 :佐々キョンバカップル『夜食』⑦:2007/05/28(月) 23:52:13 ID:41eGe99t
「うぅ…ヒドい…ヒドい…」

うわ言のように「ヒドい」と繰り返す佐々木を俺は見守る事しかできなかった。
俺は楽しめたが佐々木は真剣だったもんな。だからお返しの意味を込めて佐々木にご奉仕する事にしたのさ。

「キョンチョークスリーパーぁぁ!」

「えっぐ…いきなりどうしたのさ…」

そんな佐々木を無視して回り込み、後ろから抱きしめる。その時に「きゃっ」なんて可愛らしい声も聞こえた。

「佐々木は温かいな」

「…ありがとう」

俺はあぐら、その中に佐々木の腰を沈め左腕で逃がさないように抱きしめる。右手は可愛い彼女の手櫛さ。

「いい匂いがする」

「……ありがとう」

先ほどより体温が上がった様な感じだが気のせいではないだろう。目の前の首筋もほんのり桃色に染まっているしな。

だからその可愛い首筋に口付けを落とす。

「ひゃんっ…き、キョン、不意打ちは、卑怯、じゃないか…」

佐々木の言葉がたどたどしいのは、彼女の首筋を執拗に舐めているせいだったりする。


863 :佐々キョンバカップル『夜食』⑧:2007/05/28(月) 23:53:11 ID:41eGe99t
・・・

「俺の胸の音、聞こえるか?」

「…うん、もちろんだ。僕の大好きなキョンの音。ただ、いつもよりは鼓動が激しいようだね」

「お前の音も聞こえるぞ」

「そうかい?流石にキョンを誤魔化すことはできないか」

心地よい、2人の心音だけが支配する空間。俺はこの空間が好きだ。

「…腹すかないか?」

「夜食におにぎりを作ってきたよ」

「俺の腕の中にもある」

・・・

「ええっと…このセーラー服だけは汚さないようにしてくれよ?」

「さあな?」

そして困った顔をする佐々木との距離がゼロになった。



その後の事を詳しく語るつもりはない。佐々木が再び泣いた事や、夜食が佐々木と相成っために、おにぎりが朝飯になってしまった事くらいを追記しておく。

「それとセーラー服をクリーニングに出す羽目になった事も…だね。くっくっ…」

「…そうだな」

一晩中勉強できなかったために考査がボロボロだった事なんか、それこそ言うまでもないことだ。

END


864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/28(月) 23:54:43 ID:41eGe99t
以上でした。バカップルってか佐々木一人がバカみたいな…OFZ


877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 00:25:37 ID:KGoxEG9d
俺もささきスリーパーで萌え殺されたい


878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 00:30:34 ID:0jl7++J5
佐々木繋がりで、ノーザンライトささきボムとかいかが?
関節技のささきングルホールドもあるぞ


880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 00:40:38 ID:OC52u9yl
>>878
サンダーファイヤーパワーボム
↓改変
ササキーファイヤーパワーボム
ってのは考えてたが…
ネーミングセンス皆無だし、
「ぅぅぅぅうう…キョンが持ち上がらないよぉっ」
ってなりそうで…
むしろアリか?アリなのか?


881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 00:44:52 ID:0jl7++J5
>>880
それ寧ろキョンが嬉しい状況じゃないかw
可愛いけど…それのあとに俺がささきングウィザードを食らわせてやる


898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 11:25:05 ID:OC52u9yl
放課後は毎日キョンに寝技をかけられています。自然と格闘技も身に付きました。地上最強の嫁なのでは、と自負しております。
痴漢はキョンが踵落としで沈めてくれるので問題ではありません。最近は彼に対する痴女が多いみたいです。彼は嫌がる素振りを見せず光悦の表情すら浮かべます。
その痴女がクラスメートなので撃退できません。どうすればいいでしょう?


899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 11:26:06 ID:OC52u9yl
午後は〇〇おもいっきりテレビより


900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/29(火) 12:47:24 ID:RMLo5N3E
>>898
なんのこっちゃwww


佐々木スレ9-820 佐々木団の日常 

2007-06-18 | その他

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/28(月) 21:14:47 ID:RiEGAj5t
SOS団と佐々木団置き換えるってことは考えたらSOS団が攻撃してくるってことだな…
それと最初から佐々木団だったら佐々木は自分の能力を自覚してないんだな


820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/28(月) 21:31:05 ID:41eGe99t
未来人と超能力者の立場を逆転んすれば万事解決、塞翁が馬じゃないか。
藤原がメイドやらバニーやらナースやら巫女なんかの格好しても萌えないぜ。むしろキョンとボードゲームして、
「ふ、ふんっ、僕が負けるのは既定事項だ。決して君が強いというわけではない。その部分を自惚れるなよ」
なんてセリフを吐いてくれるのが似合ってるんジャマイカ?
藤原との対決を九曜はキョンの後ろから覗き込み、キョンの両脇は佐々木と橘が固め、
(少しでも動けばこいつらの何か柔らかい物が当たる…ってか当たってる…)
的な展開のSSキボンヌ


822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/28(月) 21:32:14 ID:o9EznmIC
そもそも佐々木はSOS団を作ろうともしないかもなw
キョンと一緒にいれるだけで満足しそうだぞ


823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/28(月) 21:35:59 ID:eXGzbJbb
>>820鬼才あらわる



んじゃあ橘にコスプレ趣味があってそれで佐々木と九曜とパ(ryと

一緒にやってるとか

佐々木スレ9-723 二重人格

2007-06-18 | その他

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 22:05:56 ID:PhdpiHaK
中学生の頃からしばらく、佐々木は二重人格だった。
なんでも、男を見ると「僕っ子」という人格が現れるそうで、
俺の自転車のうしろに乗って一緒に塾へ向かいながら、
「…くっくっ、まったく君はつくづくおもしろい男だね(笑」
などとどこか寂しそうな口調で呟いたりしていた。
ある日、卒業式のあとふたりの時に「僕っ子」が出たことがある。
突然俺の手をとり、「キョン・・・これからも君の自転車の荷台を、僕の特等席にしてほしいな(笑」と言った。
抽象的なジョークを一切理解できない俺が、
佐々木の言葉の裏を勘繰っていると、佐々木はため息をついて自嘲的に微笑んだ。
それ以来、一年間佐々木とは音沙汰がなかった。
そして別人格とやらは、佐々木が大学に入った辺りでパタリと出なくなった。
最近になって、嫁にその頃のことを尋ねたら、
クッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回っていた。


724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 22:11:44 ID:Ego2F8wv
>>723
これはいい改変コピペ


726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 22:26:06 ID:nrL9WqjQ
>>723
これなんのコピペだったっけな…なんか思い出せないw


730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 22:36:54 ID:jPq0NBkM
>>726
影羅(エイラ)じゃないか?
ttp://www.wikihouse.com/jakigan/index.php?%BC%D9%B5%A4%B4%E3%A4%DE%A4%C8%A4%E1%C8%F2%C6%F1%BD%EA#c6bf5fc3


733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 22:58:40 ID:xFXHk0Zk
>>730のまとめ読んでから>>723読み直すと佐々木が可愛すぎる。

佐々木スレ9-716 「いつもどおり」

2007-06-18 | その他中学時代ss

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 21:12:35 ID:SwafWn3o
たまには独占欲丸出しなキョンも見てみたいな。


719 :いつもどおり:2007/05/27(日) 21:37:05 ID:4yv7eKBC
>>716

「実は今日の昼休み、本人の名誉の為に名前は言えないが、告白されてしまってね」

 いつもの塾の帰り道、何となく話題が途絶えた時に、彼にそう言ってみた。

「…、そうか」
 答える彼はいつもよりも少しだけ長く考えて、いつもより少し眉を顰めた。
「勉強もスポーツもルックスもいいのに、何で僕なんかに告白をしてきたのか」
 お前だからだろ、と彼はいつもより小さな声で、いつもより少しだけ向こうを向いた。
「…恋愛は精神病の一種じゃなかったのか?」
 いつもより少しだけ拗ねているように聞こえるのは、僕の気のせいじゃなければいいと思った。

「そうは言っても、とても情熱的に口説かれたからね。いや、口説くなんて比喩は彼にとって失礼だな。
 彼はとても真面目で、真摯だったよ」

 彼はいつもより余計にこちらを向いて、いつもより少しだけ焦った声で言った
「まさか、付き合うことになった、なんて言わないだろうな」
 彼はいつもより長く僕の目を見て、いつもよりもずっと僕の言葉を待っている。

 多分、ここが「いつも」と「いつもじゃない」の境界だから。

「もちろん断ったさ。受験生で、しかも進学先が違うんだ。まあ、それが無くても、僕は断ってただろうけどね」

「そうか、…そうだろうな」
 漏れる溜息はいつもの通り。いつの間にか、彼と僕の間はいつも通りに戻っていた。

喉元までせり上がってきた問いを何とか押さえつける。
この冬が終われば、いつもどおりは、前にあったことになってしまうから。
せめて、もうすこしだけこのままで。

桜が咲く頃に言ってみようか。彼と僕の距離が変わってしまう前に。
「もし、君が告白してきたなら、僕は何と答えるんだろうね」

佐々木スレ9-679 「佐々木少佐語録より抜粋」

2007-06-18 | その他

679 :佐々木少佐語録より抜粋1/2:2007/05/27(日) 13:53:06 ID:o0kAbmFt
諸君 僕はキョンが好きだ
諸君 僕はキョンが好きだ
諸君 僕はキョンが大好きだ

平凡なのが好きだ 聞き上手なのが好きだ
ひねくれてるのが好きだ 優しいのが好きだ
許容範囲が広いのが好きだ 飄々としているのが好きだ
二人乗りが上手いのが好きだ 全てにおいて好きだ
ちょっと変かもしれないが匂いも好きだ

学校で 通学路で 荷台で 塾で 
駅前で 喫茶店で 商店街で 彼の自室で
この地上で観測される あらゆるキョンが 大好きだ

塾で何気なく声をかけてきてくれるのが好きだ
僕が同じクラスであったことを覚えていてくれた時など心が躍る

何かと理由をつけてバス停まで送ってくれるのが好きだ
二人で夜空を眺めながらバス停まで自転車を押してくれた時など胸がすく思いだった

バス代がかかる旨を伝えるとあっさりと二人乗りを提案してくれるのが好きだ
揺れて危険だからといって腰に手を回すように言ってくれた時など感動すら覚える

それでも僕を恋愛対象として見ていない様などもうたまらない
恋愛は精神病の一種だという発言をあっけなく受け入れる様も最高だ

なおかつ僕自身が自分を抑えられずにしてしまうアプローチを冷淡に返し、
情け容赦なく折角のフラグをたたき折られてしまった時など絶頂すら覚える

いつもの仏頂面であっさりと北高に進学先を決めてしまうのが好きだ
学力差とはいえ同じ高校に行けないというのはとても悲しいことだ

一年振りに声をかけると驚きのあまり飛び上がってしまうのが好きだ
待ち合わせ場所に美人と称していい女性が3人もいたのはとてもとても悲しいことだ

友人を連れて待ち構えていると彼一人が先に来たという状況が好きだ
SOS団が乱入してきたのは屈辱の極みだ

諸君 僕はキョンを 他の何よりも キョンを望んでいる
諸君 僕を支持してくれるこのスレの住人諸君
君たちは一体何を望んでいる 
更なるキョンを望むか
情け容赦のない 災害のようなフラクラを望むか
脳内妄想の限りを尽くし 良スレを作る住人を虐殺する 天国のようなデレを望むか

「キョンデレ!! キョンデレ!! キョンデレ!!」

よろしい ならばキョンデレだ



680 :佐々木少佐語録より抜粋2/2:2007/05/27(日) 13:55:34 ID:o0kAbmFt
我々は妄想の限りを込めて 今まさに投下せんとする 佐々キョンだ
だが この社会の底辺で 魑魅魍魎の萌えキャラに萌え続けてきた我々に
ただの佐々キョンではもはや足りない!!

激甘を!!
佐々キョンで激甘を!!

我らは僅かに一スレ、千レスが限界の凡人たちに過ぎない
だが諸君は一騎当千の神職人だと僕は信仰している
ならば僕たちは諸君と僕で総萌力100万と一人の 良スレとなる

我々を脇役の彼方へと追いやり 余裕こいている主役どもを恐怖させよう
キョンを見つけ フラグを立て 僕だけを見るように目覚めさせよう
3人娘に敗北という苦杯を舐めさせてやる
3人娘にキョンがいなくなる恐怖を刻み込んでやる
ヤンとデレの間には 涼宮ハルヒの能力すら超越するものがあると思い知らせてやる
一千のレスという名の 佐々木爆撃で 住人を歓喜で虐殺し尽くしてやる

全神職人 発動開始 旗艦ビキャク・ササキ・カワイーヨ 始動

離床!! 全リミッター 全悲エンドフラグ 破壊
「変な女・佐々木様より全住人へ」
目標 キョンの自宅 キョンの部屋の窓!!

第二次ササッキー(ヤンデレ)作戦 状況を開始せよ
征くぞ 諸君(キョン、待っててねー)

佐々木スレ9-666 吉野屋ネタ改変

2007-06-18 | その他

666 :663:2007/05/27(日) 09:56:05 ID:o0kAbmFt
そんな事より皆さん、ちょっと聞いて頂けないかな。スレとはあまり関係がないが、くっくっ。
このあいだ、キョンに偶然会ったのだよ。キョン。
そしたら何故か、女性3人及び男性一人と待ち合わせをしていたらしい。
で、見るからに活動的な印象の女性がいきなり、「遅刻とはいい度胸ね」とか仰ってね。
もうね、何様のつもりなのかいと。馬鹿なのかいと。
君たちね、遅刻程度でキョンに罰金を科してるとはどういう考えなのかい、節穴め。
キョンにだよ、キョンに。
古泉という男はやたら微笑んでいるし、皆さんで集合かい?まったく、おめでたいことだ。
自己紹介の必要はなさそうね、とか言っているしね。もう目も当てられない。
君たちね、罰金なら私が払うからキョンから離れてくれないか。
キョンとの関係はね、もっと殺伐としているべきなんだよ。
後生大事に立てたフラグがいつ圧し折られてもおかしくない、
立てるか折られるか、そんな雰囲気がいいのだよ。素人は引っ込んでいたまえ。
で、また会った土曜には、ハルヒという女性が、先約があったの?とか言ってね。
そこでまた何というのかな…怒りを覚えたよ。
君は本当にキョンと一緒にいたいのかと問いたい。問い詰めたい。最低限小一時間は問い詰めたいね。
君は、キョンって言いたいだけなのではないかな、と。
キョン通のこの僕から言わせてもらえるなら、今、キョンにとっての最新流行はやはり、
ヤンデレ、これだろう。
僕っ娘ヤンデレポニテ。これがキョンへの最終手段さ。
ヤンデレというのは、狂気が多分に入っている。そのかわり変わることの無い愛。これさ。
で、そこに僕っ娘ポニテ(ミニスカ)。これこそ最強というものだ。
しかしこれをやると、次回からはフラクラをしてもらえないというリスクを伴う、諸刃の剣とでも比喩すべきかな。
ツンデレ程度にはお薦めできないよ。
まあ、SOS団団長は、スープの具にでもなればいいということさ。


668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 10:06:48 ID:s5+TPBtX
吉野屋ネタも佐々木にかかると印象が全然違うなww

佐々木スレ9-650 「ワン・セグメント・ホワイトリボン」(1)

2007-06-18 | クリスマスss

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/27(日) 08:19:31 ID:QM0CoX+/
ここのスレ住人サン達を神SSを読んで不肖ながら初めて書いたSSを
投下させて戴きます。一応7レスの予定。


651 :ワン・セグメント・ホワイトリボン:2007/05/27(日) 08:20:52 ID:QM0CoX+/
~1~
期末テストの結果を下から数えた方が、明らかに時間短縮を図れることに業を煮やしたお袋が
下した決断によって、学習塾の冬期講習スペシャルコースに叩き込まれた俺は中学生活最後の
冬休みにもかかわらず、学校の授業時間よりも塾の講義で机に突っ伏す時間が長くなってしまった。

冬季休暇プランとしては、蜜柑の皺でも数えながら年末特別企画番組を炬燵で見つつ、
友人から借りた某大作ゲームの一つでもこなして、午睡を日課とする老猫の様に過ごし、
それでも一応受験生らしくその合間にしばしば机に向かう予定ではあったのだが
どうやらクリスマスどころか大晦日の日ですら、除夜の鐘を聞く頃まで机に齧りつかにゃならんらしい。
反抗すれば年に一度しかない、貴重な臨時収入の機会を失うという図式をちらつかされて渋々…というわけだ。

ともあれこの受験生という存在は、四季ごとのささやかなイベントですら
大いに端折らせる事も辞さない進学邁進集団となってしてしまうらしい。
思えば、この前の夏休みも夏期講習のせいで殆ど遊んだ記憶は無かったし、
いったい何がそこまで駆り立てさせるのだろうかね、勉学意識ゼロのこの俺を除いた受験生連中は。
おかげでこの椅子獲りゲームに厭でも参加せざるを得なくなっちまうじゃねえか。

「しかしキョン、この時期にもなって四の五の言う輩はキミくらいだよ。諦めたまえ」
前の席から振り返って、少し呆れ気味に俺の愚痴に下した佐々木の評価は社会通念上、完璧に正しい。
それ位は俺にだってわかるさ。だがこのやるせない気持ちをどう整理すればいいんだ、佐々木よ。

「まあ、言わんとすることは判らないでもないよ。この受験戦争はキミがさっき
椅子獲りゲームと比喩したような、言い換えれば競争社会の縮図であるにもかかわらず、
実力が結果に反映されないことを嘆いているのだろう?違うかい、キョン」 

まあな、自分の価値は所詮他人には判らないものだしな、しかしお前は今、競争社会といったが、
それがイコール実力社会とは限らないぜ、何故ならば…

「何故ならば実力が発揮される機会が『完全な』均等では無いではないからかい、キョン。
端的に言えばそうだ。少なくとも現代社会は不平等な競争を強いられている。でもいいかい、そもそも…」

いかんな、この手の話題に佐々木は滅法強い。このままでは佐々木が〆の言葉を出すまで
適当な合いの手を出すくらいしかできないだろう。旗色が悪い時はさっさと話題を変えることにする。
とりあえずその辺りの思考実験は御偉い学者先生方に任せるとしようじゃないか。
そう今はこの冬期講習を完うするのみだ。さもなければ…

「さもなければ小遣いを減らすとでもキミの御母堂は仰っているのかね、くっくっくっ」
ええい佐々木よ、俺の思考をトレースして先読みするのは止めてもらいたい。
ことごとく当たるのはさすがに背中が薄ら寒く感じるじゃないか…。




652 :ワン・セグメント・ホワイトリボン:2007/05/27(日) 08:22:04 ID:QM0CoX+/
~2~
佐々木と話し込んでいるうちに、最後の講義も終わった教室の中は閑散としてきたが
今更どうにか成りそうな代物ではないという事を、痛感させる講義内容にホトホト疲れ果てた俺は
佐々木との会話をもう少し続ける事にする。
特に今日の数学の講義は、初めはただの人参やらジャガイモだったのが、いきなり何の前振りも無く
作ってあった具材を画面の端から取り出して、いつの間にかシチューか何かに仕上がっている
そんな3分間料理番組を見ているようで全くチンプンカンプンだったぜ。

「あれはキョンが悪い訳ではないよ。どうやらあの講師は風邪で倒れてしまった本来の方の臨時らしい。
僕から見てもテキストを音読するだけの、あの講義内容では果たして理解できたかどうか不安に陥るよ。
数学というのは計算の過程を知って初めて理解し、センスを磨けるというのに。あれでは数学の醍醐味が
薄れてしまう。という訳でだ、キョン」

不意に立ち上がった佐々木は、座ったままの俺の前に自分の掌を重ねて俺を促すように一言

「復習を兼ねて僕の家で勉強会をやらないかい?」
俺はこの佐々木の提案について少し確認をしなければならないようだ。
今や非常に純度の高い砂金に置き換わった、俺のもう残り少ない砂時計には
実に魅力的な提案であることは間違いない。だがしかし佐々木、本当にいいのかよお前は?

「キョン、キミが懸念しているのは今日の日付のことかい?」
「ああ、その通りだ。」


今日12月24日という日はクリスマス特有の派手なイルミネーションが、歓楽街のネオンサインよりも
明るく街中を照らし、赤い服を着た白髭の太っちょ爺さんが世界中の子供達の願いを叶える為に、
宇宙人よりもハイスペックに地球を飛び回る日。
余談だが、オランダの子供達は12月5日と12月24日にプレゼントを貰うチャンスが2度あるらしい。
全く以って羨ましい限りだ。そしてクリスマスであろうが、全然問題は無いと言う佐々木の誘いを断りきれず
佐々木とともにあいつの家に向かう途中の俺がいる訳だが、いやさてどうしたものかね。

「一応遅くなるかもしれないから家に電話をしておいた方がいいね」
という佐々木に促されるように公衆電話から自宅へ電話を掛けることにする。
暫くして電話に出た妹に事情を説明し、晩飯を前にお預けを食わせるのは兄としては忍びないので、
先に喰っておけというと
「…キョン君てば、あたしを置いてあの人のところへいくのね、くすんっ」
小学生の妹は芝居じみた声でぐずり始めやがった。最近のお子様が見るテレビの時間帯には
昼下がりの爛れた不倫恋愛ドラマなんか流すようになったのかよ。
電話口でたどたどしく語る妹が言うには、折角のクリスマスなんだから家族そろって一家団欒
てやつを希望しているらしいのだが、さりとてこちらも人生の岐路に差し掛かっている訳でな。
許せ妹よ、なんか買って来てやるからさ。
「!!!じゃ~あ~、ク~マさんのぬいぐるみぃ~」
といきなり素に戻って言う妹にガシャンと受話器を置かれ、呆然と立ち尽くす俺が
テレビドラマに感化され易い妹に不安を感じるのは、兄として全く不自然ではないはずだと思うがどうなんだろうか。
もう少し俺に…いや普通に素直だったら、こっちも良い兄貴振りを発揮できると思うのだがね。



653 :ワン・セグメント・ホワイトリボン:2007/05/27(日) 08:23:40 ID:QM0CoX+/
~3~
「なかなか交渉上手な妹さんじゃないか。将来が楽しみだねキョン」
電話を済ませた俺にニマリと口元を緩ませながら佐々木は近づいてきた。
その瞬間、成長した妹が言い寄る男共に甘言を弄して手玉に取る様が浮かぶが
そのありえない仮想映像を首から上だけのラジオ体操で脳内から全力で排除する事にする。

「くっくっくっ、買い物ならちょうどいい。この先に新しく出来たショッピングモールがあるらしいんだ。
僕も少し買い物がしたいから、僕の家に寄る前に見に行こうじゃないか」
塾から歩いて向かったそのショッピングモールの中は、辣腕経営者が街往く人々の財布が緩むこの時期に
オープニングセールを合わせる事に成功したせいか、想像以上の人だかりでかなりの熱気に溢れ返っていた。
その息苦しくなるような人ごみを掻き分ける様にして進むうちに、はぐれない為の配慮が俺と佐々木のどちらかから
出たものなのか定かではないが、ふと気がつくといつの間にか俺の左手は佐々木の右手を繋ぎ合わせていた。
尤もお互いがそのことに気がついたのはかなり経ってからのことなんだがな。
気付いた時の佐々木の表情は、少し俯き加減で微かに頬と耳たぶが赤く色づいていた様な
気がしたのだが、恐らくショッピングモール内の熱気のせいなのだろう。

「…ああ、済まないキョン。でも、もし…差し支えなければ是非このままでいてもらいたい。
僕の体格ではこの人ごみのなかでは埋没してしまう恐れがあるからね」

気にするなよ佐々木。お前にはこっちの都合でこんなところでの買い物に
わざわざ付き合わせているだけなのにな。いいからさっさと済ましちまおうぜ。
佐々木は俺の言葉に硬直したような表情をした後、首から上は徐々に自己解凍しつつも
声帯はフリーズしたままなのか恐ろしくトーンの低い声で

「…………何というインセンシティブと言うべきか…フーリッシュ…いやシリーもしくはステューピッドかな、
一体どの言葉を今の状況に当てはめればいいのか悩むところだね」

今度は上目遣いで睨み付ける様に俺の顔を凝視した後、プイと横を向く。
こちらとしては気を利かせたつもりだったのに、非難された様な気がするのはなぜだ判らん。
少し気まずい雰囲気のなか、どうにかファンシーショップのブースに辿り着いた俺たちは
クリスマス一色に飾られた店内を物色することにする。様々な商品が並ぶ中で、ちょうど手頃な
大きさと値段の吊り合いの取れたクマのぬいぐるみを見つけるとレジに向かう行列に並ぶ事にする。
すると佐々木は
「キョン、僕の買い物はすぐ済むからさっきの広場で待ち合わせることにしよう、じゃあ後で」
といって人ごみに消えてしまった。
あれから怒っている様子は見られなかったが、一瞬とはいえ俺の行動の何かが、
佐々木を不快にさせてしまったのはどうやら間違いなさそうだ。
ならば為すべきことは只一つであり、ましてやこれから佐々木の家に行って色々と
御教示願わなければならない立場であるからして、機嫌を取っておいても損は無いはずだからな。

そう決断すると、店内を見渡してすぐ傍の陳列棚に目的の品物を見つけると、買い物カゴにそれを放り込んだ。



                                「ワン・セグメント・ホワイトリボン」(2)に続く

佐々木スレ9-650 「ワン・セグメント・ホワイトリボン」(2)

2007-06-18 | クリスマスss

654 :ワン・セグメント・ホワイトリボン:2007/05/27(日) 08:26:07 ID:QM0CoX+/
~4~
買い物を済ませ、佐々木とバスに揺られること十数分。バスを降りてそこからまた暫く歩くと目的地である佐々木邸が視界に入ってきた。
「さあキョン、ここが狭いながらも愛すべき我が家だよ」
佐々木邸の見た目はごく普通の木造建築物なのだが、芝の植えた庭や木々に目を通すと、
常日頃から手入れの行き届いているのが素人目にも判る。
その刈り込んでいる芝を見た途端、白いワンピースに麦藁帽子を被った佐々木が草むしりに精を出す様子が
何故だがわからないが脳裏に浮かんでしまった。
しかもその情景を思い浮かべている間、佐々木の呼びかけに気がつくまでかなりの時間呆けていたらしい。

「全く…僕の家の敷居はキミにはそんなに高いのかい?遠慮しないで入って来て貰いたいな。」
「すまん、なんとなく佐々木の家らしくてなと思って」
「一応ほめ言葉として受け取っておくよキョン。言い忘れたが、生憎と僕の両親は不在だ。
だからキミをキチンともてなす事ができるかどうか甚だ不安ではあるのだがね」
その不在の理由を聞くと佐々木曰く、今朝方両親の恩師にあたる方が急に倒れたらしく、取る物も取り敢えず
新幹線に乗って佐々木の両親はその恩師の方の入院先に向かうことにしたらしい。

「で、さっき電話で聞いたところ、今のところ安静にしているけどまだ予断を許さないらしいから今日は向うで宿をとって戻らないそうだ。」
「てことは二人っきりなのか?」
「そういうことになるね。最近は押込み強盗も出没しているらしいし、頼りにしてるよ、キョン」


リビングルームに案内された俺は、そこで佐々木とテキストを開いて課題を解くことにする。
向かい合ってカリカリと書き綴るシャーペンの音が、独特の緊張感を伴って空間に伝播し、耳朶を僅かにくすぐる。
いつになく滑らかな俺のペン先は、普段はすぐ停滞する英語の構文や数学の公式を淀みなく書き込んで行き
一息つく頃には課題の大半を埋めることが出来た。これはいったいどういうことなんだろうね。

「男子たるもの3日会ざれば刮目をもって見よと言う事じゃないかい、キョン」
呉下の阿蒙になぞらえてくれるのは有り難いが、呪い殺されるのは性分には合わなくてね、
俺はこれからも善良な人生を歩む事をモットーにしてるのさ。
ちなみに俺は課題の一々を佐々木に根堀葉堀聞いたりなどしちゃいない。
普段と違う事といえば遊んでくれとせがむ妹の代わりに目の前に佐々木がいる位なんだが
こいつの顔を見ると給食の箸が進むのと同じように筆も進むのかも知れん。

…まったく根拠は無いがな。
「面白いことを言うね」
佐々木は爆笑をこらえるような表情になって
「キミのシナプスの伝達効率増加に、僕が一端を担っているとしたら大いに喜ばしい事だよ、キョン」
佐々木はさっきのパブロフの犬的な発言に大いに気を良くしたらしく、時折鼻歌交じりに課題に取り掛かっているようだ。
俺としても普段以上のペースで課題を解きこなし、普段は南アルプスの登山行に匹敵する課題の山も今日はどういう訳か
裏山のハイキングコース程度の楽勝さでどうにか終わりも見えてきた。こんなことなら冬休みの宿題も併せて持ってくれば
と思わずにはいられなかったぜ。



655 :ワン・セグメント・ホワイトリボン:2007/05/27(日) 08:27:50 ID:QM0CoX+/
~5~
さて同級生の女子とクリスマスを過ごすというのは、青春ドラマにありがちなシチュエーションなのだが
俺と佐々木の間でそれを当てはめられるかどうか聞かれれば、このときの俺だったならノーと答えていただろう。
なんせ佐々木は恋愛感情を精神病の一種と言い切る輩だし、俺たちは塾で隣同士になって会話をする位が関の山で、
今日佐々木の家まで行けたのはその余禄以外の何物でもないはずだからだ。
この後はクマのぬいぐるみのついでに買ったあれを佐々木に手渡せば、クリスマスミッションは一応コンプリートで
あとは家路に向かうだけなんて考えていたんだが、あとから思い返すとまさしくこれは浅慮の極みというやつだろう。
その帰るタイミングを見図る様に佐々木の表情を伺っていると、先に発言したのは佐々木の方だった。
「キョン、さっきも言ったが今両親は出払っている。しかし今日の料理の仕込みだけは前の晩から完璧に済ませているらしくてね。
今しがた冷蔵庫を覗いたら、鶏の腿肉やらケーキやらが鎮座ましましているという訳さ。これはもう1人で処分できる量
ではないし、両親もいつ戻ってくるかわからない状況だ。キミの妹さんには悪いが、是非食べていってもらいたい。
僕も一人っきりで食卓に付くよりも、キミの顔を見ながらでも食べた方が大いに箸が進むというものなのさ。」
そこまで言うなら是非ご相伴に預からせてもらうことにしよう。妹には明日フォローしとけばケロリと忘れてくれるはずだ。
「それは重畳だ。早速支度に取り掛かるからそこで待っていてくれないかね。」

佐々木が調理場に向かってしばらくしてから、コトコトとスープ鍋が立てる音とローストチキンの香ばしい匂いが
リビングに漂い始め、それらに反応した胃袋を筆頭とする消化器官連合が猛烈な自己アピールを始めようとするところで
佐々木は一旦着替えるといって部屋を出た後、すぐ戻って来た。

「どうだい似合うかい、キョン」
振り返ると、白いファーの付いた赤い帽子とコート…いわゆるサンタ服に着替えた佐々木の姿が俺の目に飛び込んできた。
しかしいったいどこで買ったんだ、佐々木よ。しかもお前の着ているサンタ服は夏仕様と言い切れるような布地の少なさじゃないか。
「あのショッピングモールで安売りしていたから思わず買ってみたんだ。折角のクリスマスだし、何事にも雰囲気は大切だろうキョン」

鎖骨のかなり下の方から佐々木の体を覆い始める布キレは、佐々木の女の子として持っている2つの自己主張に
ぴったり張り付くようにデザインされており、そこから緩やかな曲線を描いた後、ヒップラインの頂点付近で終わりを遂げている。
そこから全く無駄のないすらっとした佐々木の足が伸びているのだが、これ以上見続けるのは何かを催しそうになりそうだ。
「どうやらお気に召してくれたようだね、くっくっく」
と言いながらスカートの端をぴらぴらと持ち上げるしぐさに思わずクラッと来てしまいそうになるが、
佐々木のどことなく挑戦的な表情を見て、何かドッキリでも仕掛けられているのかもしれんと思うことにする。
この後の佐々木の悩殺攻撃は俺の煩悩と本能を味方に付けて一方的に侵攻し、俺の情緒と理性は防戦一方だったのは言うまでも無いだろう。


「くっくっくっ、楽しかったよキョン」
最後のクリスマスケーキを平らげたあと、俺は自宅に引き上げることを告げると佐々木は冒頭のセリフを述べるに至る。
凱歌の響き渡る城内を見下ろす将軍のような勝ち誇った様子の佐々木に、俺は逆襲の一手を思いつきすぐさまそれを実行する事にする。

「…これは何だい?」
佐々木の眼前に俺は刺繍の入った白いリボンを取り出すと佐々木に差し出す。
「今日は色々と世話になったしな、そのお礼だ。こんなので申し訳ないが受け取って欲しい。」
そう言って佐々木にそのリボンを手渡すと、明らかに佐々木はそのリボンの扱いに困っている様子で、どうやら功を奏したらしい。
「…残念だけどキョン。僕の髪は岡本さんの様に長くはないからね、結うのは難しいかもしれない。その…なんというか
想定外だな、キミから贈り物を受けるというのは。でも…まあ合格祈願の鉢巻き代わりにはなるかもしれない、有り難く頂戴するよ。」
そうかい、俺にはこの状況は想定の範囲内だがな。じゃあ佐々木こいつはどうだ
「俺はお前のことが――」
俺の言葉に躊躇する佐々木に敢えて一息で言わず、一呼吸おいて残りのワードを突出させるべく肺の空気を吐き出そうとした瞬間。
佐々木は時限爆弾の解除スイッチをあと残り3秒で見つけた新米刑事のように俺にしがみついて来た。




656 :ワン・セグメント・ホワイトリボン:2007/05/27(日) 08:29:06 ID:QM0CoX+/
~6~
佐々木はそのまま俺にしがみつき、顔をみせる事の無いまま呟くように喋り始める。
「ずるいよキョン、それは反則だ」
佐々木よ、さっきの言葉はブラフなんかじゃないぞ。お前の事を好きか嫌いかで問われれば間違いなく好きに傾くだろうし、
少なくとも嘘偽りで騙ってなんかいないぜ。ただお前に焚き付けられてしまった感はあるがな。
「…そうだね、正直に言うとショッピングモールであの時キミが見せた朴念仁ぶりに少しカチンと来てしまってね。
果たしてどこまでそうなのだろうかと思って色々と焚き付けてしまった。そしてどうやら本当の愚か者は僕の方だったらしい。
キミを焚き付ければこうなる事態は充分予想できたはずなのに、それを全く想定していなかったのだからね。」
俺は為すべき事を見出せずにただ黙って佐々木の身体を抱き寄せると、俺を見上げる佐々木の顔は幾分か赤らんでいた。
「率直に言って僕もキミの事を好ましく思っているよ。それは間違いない。僕が以前言った言葉を覚えているかい?
動物は愛情ではなく本能によって子を慈しみ守り育てていると。僕は愛情を否定したが本能的希求は否定していないんだ。
僕も一箇の人間である以上、然るべき時に然るべき相手つまりキョン、キミと結ばれたいと思っているのさ。」
佐々木は嬉しくもあるがどこか儚げな表情をみせると

「だがね、キョン。それでもキミの想いを今、受け取る事はできないんだ。」


次の日、塾をサボるための言い訳を二十通り程考え、その半分位まで開陳したところで怒り心頭のお袋に家から叩き出された俺は
自転車を昨日塾に置き忘れた事に気付いて、已む無くトボトボと歩いて塾まで行軍し教室に入ると珍しく机に蹲る佐々木を見かけた。
が、どう声をかけたら良いものか。
佐々木も俺に気がつくと一瞬だけあの泣き笑いとも取れる表情をみせるが、すぐさま消し去ると俺に近づいて来て一言
「キョン、昨日は済まなかった」
いや、謝るのは俺のほうであり、お前は全く悪くないはずだ。
「キョンは優しいな、……そしてこれが今の僕からの答えさ。」
といって佐々木から紙袋を手渡された瞬間、昨日の数学の講師がプリントを大量に持って現れたので慌てて席に着く。
それからどう時間を過ごしたかはっきり覚えちゃいない。結局佐々木にも聞けずじまいでクタクタの足でどうにか家に帰った後、
自分の部屋で紙袋を開くと何所にでも在りそうな小さな鍵とメモ用紙が一枚。そこには
『4回春が巡るまで預かって欲しい』
とだけあった。
それからの俺と佐々木は、表面上はいつも通りに過ごし卒業式の日別れた。後は皆の知るところだ。


俺はあの泣き笑いとも取れる佐々木の表情に隠された意味をこれっぽっちも理解できちゃいなかった。
あの当時の俺は終始にやけたハンサム超能力者のように女性心理に長けている訳ではないし、
白磁人形のような宇宙人産アンドロイドの表情すら読み取れるようになった顔色伺いスキルもなかったがね。
尤もハルヒに言わせれば今の時点ですら、ミジンコクラスな俺が昔に遡ってあれやこれやとやるとしたら
ミトコンドリアすら通りこして、これはもう原始の海に揺蕩(たゆた)ってなければならないだろう。
それでももし、過去に遡れる様なら昔の俺に蹴りをかましてやりたいところなのだが、あの時未来の俺が現れなかった事を
考えると、俺と佐々木にあった事はやはり規定事項なのだろうと推測する。そしてこれから事を起こそうとする俺の前に
ファニーフェイスな未来人さんが止めに入らないということは、やはりこれも規定事項なのだろうか。



…さてそろそろ話を今現在の視点に戻そうじゃないか。



657 :ワン・セグメント・ホワイトリボン:2007/05/27(日) 08:33:35 ID:QM0CoX+/
~7~
俺はあの日渡された鍵とメモを机の引き出しの奥から取り出し、妹に出かけると伝えて自転車に乗ると佐々木の家に向かって漕ぎ出す。
しばらく漕いで俺の目の前に現れたあいつの家を見かけると、そこは3年と3ヶ月前のあの時と寸分も変わない佇まいで、
その強烈な既視感から3年前にタイムスリップした俺の記憶が脳内を駆け巡り、そしてどうにか舞い戻ってこれたという訳だ。

生け垣で出来た門を躊躇わずにくぐり、玄関のノブを捻ると手の中に小さな木箱を納めた佐々木が静かに佇んでいた。
「やあ、キョン久しぶりだ」
さっき大学のあの掲示板の下で鉢合わせしたばっかりじゃねえか。
「そうは言うけどね。僕としては3年ぶりに再会した気分なのだよ。キョン上がってくれたまえ」

高校を無事卒業し、超万馬券もかくやというまぐれ当たりが成功したのかどうか判らないが
俺はとある大学の合格発表の掲示板に自分の番号を見出す事が出来た。
そしてSOS団のみんなも俺と同じく、先に進学した朝日奈さんに追いつく様に同じ大学に進む事となった。
勿論佐々木もだ。そういえば佐々木よ、相変わらずハルヒと仲が良さそうじゃないか。

「そうだね、涼宮さんにはいつもその独創的な発想に驚かされっぱなしさ。その彼女の言葉が瞬く間に形作られて
現実のものとなっていく様を見ているのは実に爽快なものがあるね。こういってはなんだが、同性の僕から見ても
涼宮さんは大変魅力的だ。涼宮さんの傍にいるキミを見て焦った僕は、2年も早く前倒しでキミの前に出てくる羽目に
なってしまったけれど、それは嬉しい誤算だったのかもしれないね」
まあハルヒの交友関係が増えるのも望ましい事ではあるし、それはお前であることはまぎれもなく良い事だと思うがな。
まあいいさ、本題に入ろうか。

「3年前の…あの時もしキミの言葉を受け止めていたら、僕の箍(たが)は外れてしまっていたかもしれない。
僕の欲求は際限なくキミを求める事となったであろうからね。本気で駆け落ちも辞さなかっただろう。
そうなれば最早そこにあるのは破滅しかない。だから僕はあの時応じられなかんだよ、キョン。
そして自分の思いにむき合う事を恐れた僕はその想いをこの箱に封印することにしたんだ。」
お前がそこまで思いつめていたとはな。スマンとしか言いようが無い。
「さあその鍵を渡してくれないかいキョン」
ああ、そのためにここに来たんだからな。
俺は小箱を持つ佐々木に鍵を差し出すと、カチリという音と共に錠前を外した箱の蓋を開けた中からは
あの時の一片の白いリボンが入っていた。

「この中に3年間封印し続けた想いがあるんだ。でもつらい時にこの箱を見るとなぜか落ち着くことができてね。
だからキミが傍にいない3年間頑張れたのもこの想いのお陰でもあるかもしれないのさ。」
3年前に俺が佐々木にプレゼントした白いリボンを佐々木はいとおしく見つめる。
ようやくそのリボンも本来の役目を果たす事が出来そうだ。

「キョン、なによりも僕が嬉しく思っているのは、3年前の約束をキミがこうして覚えていてくれた事だよ。」
佐々木は3年の間に少し長くなった後ろ髪を左手で掬うとその根元をリボンで結び上げて振り返ると

「どうかな、似合う?キョン」
そこにはポニーテールの似合う可愛らしい女の子がはにかみながら微笑んでいた。


…以上です。物凄く見づらくて本当に申し訳ない。お目汚し失礼致しました


709 :657:2007/05/27(日) 19:19:37 ID:Pb5QXYUJ
~ワンセグのおまけ~
佐々木よ、お前の俺に対する想いは充分に判ってやれなくて申し訳なかったと思う。
だが一つだけ腑に落ちないことがある。あの3年前と今とじゃどう違うんだ?
「なんという事だキョン。キミの朴念仁ぶりは益々磨きがかかっているじゃないか。
これでは、涼宮さんも苦労するというものだ」
あのな、15と18じゃ同じ未成年であることに変わりはあるまいし、第一なんで
そこにハルヒが出てくるんだ。関係ないだろう。
「いいや、おおありだよキョン。僕も争奪戦に名乗りを上げた以上、ある程度は覚悟
していたんだけど、これは想像以上の難物だね、くっくっくっ」
佐々木は獲物が目の前に現れるのを虎視眈々と待ち続ける提灯鮟鱇のように
深海にボゥと光る捕獲者のような眼光を向けると
「みんな、キミが婚姻可能年齢になるのを待ち望んでいるのさ」


えー、少しダークが入ってしまった佐々木さんです。

まずレスをしていただいた皆さんにサンクスであります。
いつもここでキョンにフラグをへし折られる佐々木さんが
たまにはキョンを振り回す佐々木さんをみたいなぁと思い
ならばいっそ自分がと思い書き始めたところ、想像以上の
難しさでした。また電波を受信出来たら佐々キョンSSに
リベンジしたいと思いまする。


連々と書いてしまいましたが、要するに言いたい事は



佐々木かわいいよ佐々木

佐々木スレ9-560 鬱ネタ

2007-06-18 | その他佐々木×キョン

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 15:42:13 ID:Hy56JZfK
「ブツブツ…」
「さ、佐々木、どうしたナイフなんか持って!危ないじゃないか下におけよ、な?」
「……この前、朝比奈さんと仲良く手をつないで歩いてたよね。僕と言う存在がありながら」
「あ、あれは朝比奈さんが勝手に…」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ彼女にもたっぷりおしおきしてあげないとね。くっくっ。」
「や、やめろ!朝比奈さんに手を出すのだけは!」
「キョンは優しいね、大好きだよキョン。うふ…あはは、アハハハハ!!!
 ハァハァ!ごめんキョン…も、もう我慢できないや、誰にも君を渡さない。僕の中で永遠に生き続けてよ、ね?キョン」
「うわ、や!やめてくれ!助けてくれ!」
「くくっ。死ぬのって怖いかい?大丈夫、痛くしないよ。すぐに死なせてあげるから」
ザクッ

「………な、なんで…」
「こ、こうしないと、俺がやられるとことだったからな…悪く思うな」
「………イヤ、イヤだよキョン…僕、死にたくないよ…」
「すまん、諦めてくれ…」
「…キョンのこと、ずっと好きだった。最後にもう一度耳元で愛してるって言ってくれないかな…あのころみたいにさ…」
「佐々木…」
「キョン…」
「ボソ(俺は朝比奈さんと幸せになる。お前は邪魔者だったわけだ、よかったな最期に大好きな俺の役に立てて。)」
「!!絶対、ゆ…ゆるさな……」

なんか暗い話を読みたかったので自分で書きました
真昼間からスマン

佐々木スレ9-541 ハルヒと佐々木は仲良くなれそうでなれなさそうな希ガス

2007-06-18 | 佐々木 vs ハルヒ

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 12:39:17 ID:HJeQed69
ハルヒと佐々木は仲良くなれそうでなれなさそうな希ガス


542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 12:42:06 ID:9DCvm5Fc
>>541
むしろ直接火花は散らさないライバル、って感じがイイ。
間にはさまったキョンが居心地悪そうにしてるのもナ。


543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 12:50:36 ID:RKRnRgIO
ハルヒは自分と正反対のタイプの新入部員がほしいんだろ?
ということは佐々木新メンバーフラg


544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 12:51:45 ID:jEVTFzPe
>>542
まさに修羅場だなw

でも佐々木とハルヒって友達になったらどんな会話をするのやら


545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 13:15:47 ID:9DCvm5Fc
>>544
キョンもそれがとっても気になるのだが
仲良くなっちゃった二人は

「いや、ちょっと男子には話しづらいことでね。特に君には。(クク)」
「そうそ、横からしゃしゃり出てこないでよ!ねー、佐々木さん」

とか言って教えてくれない。
キョンなぜかさびしい。いやいやなにさびしがってるんだ俺は。


こういうのはどうだろうか。


546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 13:22:16 ID:jEVTFzPe
>>545
こういうの見てみたいなw
佐々木は今のキョン、ハルヒは昔のキョンについて聞き出したりしてそうだ


547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 13:26:00 ID:LzklLvu/
>>545

も、もしかして二人は某マリア様な関係か!?
と、焦るキョン。
このチャンスに乗じてフラグを立てる宇宙人や未来人。
ウホ泉はさすがキョンに殴られました。


549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:09:49 ID:CZXmbqDe
キョンの目の前では>>545みたいな仲だが、目の届かない場所では、
火花を散らして直接対決をしていると思う。

ハルヒが突っかかって、佐々木が受け流すパターンが基本だが、
たまには逆パターンも。

でもいくら派手にやっても、キョンだけは気が付かない。
ここではキョンだけSOS団のハルヒ状態。


550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:22:29 ID:MFwJsKac
ハルヒも佐々木も博学でいろんな事に興味を持つ一方、俗っぽい話題を嫌がるタイプだから、
2人なら話が盛り上がるんじゃないか?
ハルヒは動で佐々木は静、
ハルヒがいろんな話題を持ってきて佐々木がそれに応える形で
すごく仲良くなれると思うんだけど



キョンの事を除けば。


551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:25:16 ID:NxbfTaY0
佐々男×ハルヒはうまくいきそうな

しかし現実は厳しい
とか言ってみる


552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:29:58 ID:HJeQed69
>>550
佐々木が話を聴き手っていうのはちょっと違和感あるな
でもハルヒが聴き手っていうのも変だけど


553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:35:07 ID:Htl25MhP
だから、聞き手として優秀なキョンに惹かれると。

しかし、二人が表面上で仲良くやってると
キョンはあの二人が仲良くやれて何よりだとか言い出しそうだなw


554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:36:02 ID:9DCvm5Fc
>>550
最初のきっかけは、ほんの些細なウソだった。

「え?あの、……うん。もちろんあるわよ。
 あたしはほんとはどーでもよかったんだけど、
 キョンがどーしてもって、土下座せんばかりに頼み込むもんだからついね!!」
「えっ!?ほ、ほんとに……!?」
「そ、そんな驚かなくても……。こんなのフツーでしょ、フツー。別にたいしたことなかったし。
 それよりそっちはどうなのよ、一年間もつきあいあって、ホントになんにもなかったの?」
「…………いや。あった。ありました。今思い出した」
「ええっ!!?ちょ、さっきは全然なんもなかったって!」
「あったの!!ええと、そう!あんまりにも辛い記憶だからいままで封印してたの!
 だってキョンったら、誰も居ないときを見計らったようにいきなり……!!」
「ええええええええ!!???」
「あのときは、ほんと辛かったなあ……。(満足げ)」
「そ、そう……。それはたいへんだったわね……。……あ、でも私もいま一個思い出したんだけど」



翌日。
黙り込んだまま待ち合わせ場所に立っていたハルヒと佐々木は俺をひと目見るなり、
まさに凶悪な性犯罪者を見るときの表情を浮かべた。


556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:40:43 ID:nsIcg2wN
佐々木「それでは長門有希は?その威勢は2ちゃんねるにも及び、長門厨という用語を生み出すほど、人心の収集も優れているとか」
ハルヒ「それはやつの貧乳幼児体型がオタどもの萌えを刺激しているだけの事。やつは薄幸で、綾波と似ている。キョンの恋人とは言えん」
佐々木「では、朝倉涼子は?」
ハルヒ「ふむう。たしかに委員長キャラが功を奏し力は持った。だがヤンデレブームという盛名を借りてじゃまだ小さい」
佐々木「ならば朝比奈みくるは?」
ハルヒ「あんな者は巨乳をもてあます犬よ」
佐々木「ならば、古泉一樹、鶴屋さんらもキョンの恋人とは言えませんか」
ハルヒ「言えないな・・・はっはっは、こうして名前をあげてみるとまともな者はおらんのう。
     そもそもキョンの恋人というのは、大志を抱き、
     どんなにフラグを折られても自らが主導権を握り天地の理を知り、
     キョンの鈍感さ耐えられる者でなければならん」
佐々木「この世にそのような人物がおりましょうか・・・」
ハルヒ「いる。それは余と君だ!」
佐々木「ハルヒはそれほど私を恐れているのか・・・いかん!」


558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 14:53:41 ID:BmCscwzi
>>556

にょろ~ん

佐々木「わわわ」
ハルヒ「どうした?」
佐々木「そ、そのう私はちゅるやさんが大嫌いでして」
ハルヒ「ちゅるやさんは大いなる味方。それが怖いのか」
佐々木「どういうものか子供の頃からおそろしくて」

佐々木スレ9-522 「フラグ! ぶっ壊せ! フラグ!」

2007-06-18 | フラグクラッシャーk

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 00:33:13 ID:d8Z87ezE
フラグクラッシャー
フラグブレイカー
フラグデストロイヤー
フラグジェノサイダー
フラグキラー
フラグデリーター
フラグイレイザー
フラグバニッシャー
フラグネグレクター





522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/26(土) 09:48:22 ID:XFVTntkX
諸君 私はフラクラが好きだ
諸君 私はフラクラが好きだ
諸君 私はフラクラが大好きだ

スルーが好きだ 気付かぬ振りが好きだ
誤魔化しが好きだ 韜晦が好きだ
鈍感面が好きだ シカトが好きだ
叩き折るのが好きだ 無かった事にするのが好きだ
ちょっと過激な破壊が好きだ

学校で 部室で 通学路で グラウンドで 公園で
駅前で 喫茶店で 商店街で マンションの一室で
あらゆるところで実行されるフラクラが好きだ

ツンデレヒロインが立てたフラグが撃沈されるのが好きだ
何でアイツはあんなに鈍いのかしらと考えているのを想像するときなど心が躍る

無表情な宇宙人読書娘を翻弄するのが好きだ
淡い想いから立ったフラグを叩き折るときなど胸がすく思いだった

元気な先輩が今ひとつのところで押しが弱いためチャンスを逃すのが好きだ
小さなフラグを踏み潰すほどに立ててくれるところなど感動すら覚える

それでもみんなアプローチをかける努力を惜しまない様などもうたまらない
あからさまな強行的手段に出ても全力でスルーできた時も最高だ

中三の時の知人に一年振りに会ったというのに冷淡に返し、
親友を自称する僕っ娘が立てたフラグを折ることに成功したときなど絶頂すら覚える

麗しき未来人のフラグをバキバキに折ってしまうのが好きだ
設定上からしてハッピーエンドが絶対にあり得ないのはとてもとても悲しいものだ

健気な妹の友人はイラストすら未だに出ていないという状況が好きだ
圧し折るフラグがあまりに少ないのは屈辱の極みだ

諸君 我らはフラクラの フラグの壮絶な撃滅を望んでいる
諸君 このスレに定住するフラクラ好きたる諸君
君達はいったいなにを望んでいる?
さらなるフラグクラッシュを望むか?
情け容赦のない絶望的なフラクラを望むか?
老若男女の全てにおいて大小問わずあらゆるフラグを殺す自然災害の如きフラクラを望むか?


『フラグ! ぶっ壊せ! フラグ!』

よろしい フラクラ最高だよフラクラ