【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

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佐々木スレ2-468 佐々木×キョン

2007-04-13 | その他佐々木×キョン

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 01:24:56 ID:J57yPnHG
「そう言えば、いつだったかキョンに僕の恋愛に対する認識について話したことがあったね。もう一年以上も前だと言うのに、まるで昨日の事のようだよ。人の時間経過に対する感覚ほど当てにならない物はない。
卒業してからの一年間がそれだけ空隙に満ちたものであったのか、それとも君と過ごしたほんの僅かな時間が僕にとって何物にも代え難い有意義かつ満ち足りたものだったのか・・・どちらだろうね?」


胡乱な言い回しも、訥々と語る穏やかな口調も、俺がよく知る佐々木のものだ。一年前と何ら変わらない。


「自分で言ったことだというのに、僕は本当の意味でその事を理解していなかったらしい。いや、甘く見ていた、と言ったほうが良いのかな?これはまさしく精神病だよ。
あらゆる価値観が崩壊し、理性も論理も狂ってしまう。一度煩ってしまえば最後、もう治らない。ううん、治そうという気にすらなれない」


だというのに、凄まじいまでの違和感を感じる。佐々木の何かが違う。決定的に違ってしまっている。ずっと佐々木が自らを押し込んでいた枠が取り払われたかのような、そんな錯覚を覚える。


「これは君のせいでもあるんだよ、キョン?君にとっては心外なことかも知れないけどね。君に必要以上に近づけば、こうなってしまう事は解っていた。
自分を見失って恋する乙女になってしまうくらいなら、僕は自分を偽っても理性の化け物でいたかった、本当だよ?」


言いながら佐々木は本当に言葉とは裏腹に、本当に嬉しそうに微笑んだ。まるで全てから解き放たれたような佐々木の笑顔は本当に魅力的で―――こんな状況でなければ、俺はアホのように見惚れてしまっただろう。
俺はここに至って、ようやく佐々木がどれほどの自制と自戒、虚勢と欺瞞を重ねていたのかを知るに至った。


「ただ、本当に―――本当に残念なんだけどね、キョン?もう、止まれないんだ。こうなってしまった以上ね。無理だとは思うけど、出来れば君に止めて欲しかったな。
人の身で世界を望むがままに作り替えようだなんて、傲慢にも程があると思わないかい?僕は神になんてなりたくはなかった、平々凡々な一般人でいたかった―――ううん、これは少し嘘かな。この力で君が手にはいるのなら―――どうしても、そう思ってしまうんだよ」


佐々木は少しだけ自嘲するような笑みを浮かべ――――刹那、世界が灰色に『塗りつぶされた』。


「だから・・・だから、“私”は世界を作り替える。こんな世界、要らない―――」


・・・閉鎖空間。そして、灰褐色の世界の中、なお黒々とした巨大な影が俺たちに影を落とした。それが歩を進める度に地面が揺れ、風が舞い上がる。佐々木の肩口まで伸びた髪が揺れた。


「―――愛してるよ、キョン」




ところで俺の10分で書いた投げっぱなしを見てくれ、こいつをどう思う?
いや、本格的に書くのは驚愕出てからって事で。想像だけで書くのは俺には無理だ。一本完結とか凄い