姫路城英語ガイドのひとりごと

姫路城英語ボランティアガイドでの出来事や姫路城のあれこれを綴ります。

2024年度姫路城外国語ボランティアガイド募集

2024年06月30日 | VEGA


VEGA(姫路城外国語ガイド協会) は年に一度の新入会員募集を行います。今回は英語、中国語、韓国語の姫路城ボランティアガイドを募集します。

1.VEGAの実績

 1984年設立のVEGAは2024年3月31日までで累計145,370人の外国人を案内しました。
 2023年度のガイド回数は2,762回、案内外国人客数は7,746人と過去最高になりました。なお、案内国数
 は86か国で過去最高の92か国には少し及びませんでした。 

2.VEGA の活動

 姫路城へ登城して、入城口の入ったところで写真のようなプラカードを持ち、外国人を待ちます。声がかかったらガイドが始まります。ガイドのマニュアルはありません。自分で作ります。登城日も決まっておりません。会員の好きな時に登城すれば良いのです。
 平成30年姫路城英語ボランティアガイド募集
 ↑ をクリック(タップ)してください。より具体的な事が載っています。

3.入会試験と研修

 希望する外国語と日本史の筆記試験があります。日本史と外国語を融合した設問が出される場合もあります。筆記試験に合格すると、研修が始まります。研修はすべて城内で行われ先輩会員との実地同行研修が主となります。なお、受験料は2,000円ですが、城内研修費は無料です。研修終了後、模擬ガイドをしてもらい合否の判定をします。
 VEGA の試験は絶対評価です。相対評価ではありません。従って、年度によって合格者の人数が異なります。ちなみに、複数回挑戦して入会された会員もたくさんいます。VEGA はそんな熱心な会員を求めています。

4.新入会員の声

 以下の下線の引いてある緑色の文字をクリック、もしくはタップすると入会してまだ年月の浅い会員の声が読めます。

会員の声その1
会員の声その2
会員の声その3
会員の声その4
会員のブログ  ←お勧めです。会員がどんなガイドをしているのかよく分かります。

5.試験の詳細

 1次試験は8月25日に行います。
 詳しいこと及び申込みは8月18日まで以下のウェブサイトからお願いします。VEGA は会員間の連絡事項をすべてメールで行っていますので、パソコンもしくはスマートフォンでメールのやり取りができる方に限ります。

2024年度姫路城ボランティア外国語ガイド募集申し込みページ

 ↑ をクリック(タップ)してください。
 
申込中に問題等が発生した場合は、次のメールアドレスまでご連絡をお願いいたします。
himejijo.vega@gmail.com

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岡山から登城する姫路城英語ガイド

2024年06月16日 | VEGA


VEGA (姫路城外国語ガイド協会)のメンバーの内、姫路市民は約40%、市外から登城しているメンバーの方が多く、豊中市在住の者もいます。でも、1番遠いのは岡山市在住の小林広志郎さんでしょう。でも、そんな遠い所から登城しているにもかかわらず在籍2年間でガイド回数は70回を超えています。もちろん、交通費は自己負担ですよ。8月にVEGA は新入会員募集を行います。姫路城英語ボランティアガイド応募の参考になると思いますので、小林さんのボランティアガイドの感想を紹介します。ちなみに、募集要項等は後日アップする予定です。

岡山からVEGAの活動に参加している小林です。2022年の夏からガイドを始めました。きっかけは、岡山で米系企業に務めており、仕事で覚えた英語が使える趣味をと思い、ご先祖様が姫路で足軽だったご縁もあり、応募しました。岡山と姫路は遠いようですが、近かったです。在来線で1時間半、新幹線だと18分です。新快速が延伸してくれたらと思いながら通っています。
姫路城を案内しようと学びはじめ、その素晴らしさに、いつの間にかお城が趣味になりました。
岡山でもガイドをしていますが、姫路は外国のお客様の数が感覚で100倍くらい多いと思います。
VEGAは、レベルの高い会員さんが多いことにも驚きました。お客様が理解しやすいよう、熱心に説明されており、プレゼン力、コミュニケーション力が高い方ばかりです。
歴史的事実、作り話、伝承など、理解されたうえで説明がされていると感じます。事実に関する調査やディスカッションも活発です。
お客様もレベルが高く、ガイドの説明を熱心に聞いてくださる方ばかりで、ボランティアガイドで、ここまでハイレベルな活動は、VEGA以外ないと感じました。
様々なお客様との出会いもありました。今風の姫路城の紹介の仕方を、僕が逆に教えてもらった大学生グループ、西の丸まで車イスを補助するのが大変だったお客様、ボストンの音大生でお礼に駅でピアノを弾いてくれたお客様、リビア(珍しい!)からのお客様などです。城内で、お城好きの千田教授や、ハリー杉山さんなどの有名人にも遭遇しました。
VEGAに毎回感謝しながら、案内をさせていただいています。
これからも頑張りたいと思います!
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訪問者50万人突破

2024年04月21日 | その他


このブログを始めたのが、2008年5月。足掛け14年で遂にのべ訪問者数が50万人を突破しました。以前にも書いた事があるのですが、姫路城をテーマにしたブログは当時幾つかありました。また、その後もいくつか世に出たのですが、今も続けて更新しているのはほとんどありません。「姫路城英語ガイドのひとりごと」は貴重な存在になりつつあるのかもしれません。

本日まで全242記事。1行書くだけでも何日も調べた記事も数多くあります。出来るだけ誤りの無いようにと注意しているのですが、それでも訂正記事が必要になる場合もあります。基本、三左衛門の推論で書いていますからお許しを。

そんな記事の中でこんなのがあります。
「タラヨウの不思議」 ←クリック(タップ)してください
上記の記事は外国人ゲストに質問された事がきっかけでした。
「原生林に多く見られるタラヨウの木の葉は燃えにくく防火のために植えられた」と説明すると、「敵兵が隠れやすくなるのになぜ木なんかを植えるのか。おかしい!」と言われました。その通りだと思ったのですが、本を読んでも誰に尋ねてもなぜ姫山だけにタラヨウが見られるのかその理由が分からない。そこで「姫路城自然調査会発表会」に行ったり、高校時代の生物の先生や歴史博物館の学芸員にお尋ねしてやっとヒントを得ました。けれど、最終記事で書いた結論はあくまで三左衛門の推論です。また、訂正文を入れるかもしれません。

「姫路城の鯱はオス?メス?」 ←クリック(タップ)してください。
上記も外国人ゲストに質問されその後苦労して書いた記事の一つです。後に姫路市が姫路城トリビア集『姫路城トリビアン」 を発行した時、VEGAも協力して三左衛門は姫路城の「鯱はオス?メス?」の話を提供しました。それ以降、姫路城の鯱はメスばかりという話がマスコミやネットでよく見かけるようになりました。三左衛門のブログがきっかけとなったなら嬉しい限りでです。

三左衛門は「西の小天守の扉の謎」や「油壁の謎」や他にもたくさんの宿題を抱えています。それらの難問が解けたらまたこのブログでアップしたいと考えていますが、さて、いつまで続けられるやら…

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神戸新聞に載りました

2024年04月08日 | VEGA
三左衛門は英語でしか案内が出来ませんのでこのブログは「姫路城英語ガイドのひとりごと」ですが、VEGAは中国語や韓国語等にも対応していますので、姫路城外国語ガイド協会が正式名称です。
その私達の姫路城外国語ガイド協会(略称 VEGA)の記事が2024年3月30日神戸新聞に掲載されました。以下はその記事です。神戸新聞NEXTから転載しました。



外国人入城者に将軍坂の魅力を語る瀬尾貴政さん=姫路城

 外国語を使って姫路城を案内する「姫路城外国語ガイド協会」が、今年7月に設立40周年を迎える。日本に関する外国人の理解を深めて国際親善に役立つ-との理念の下、これまでに案内した外国人の数は14万人を超す。「民間外交」を担う外国語ガイドの現場を追った。(長尾亮太)

 「フリー イングリッシュ ガイド(無料で英語の案内をします)」

 入城口近くでそう書かれた英語のカードを持ち、姫路城外国語ガイド協会のメンバーらが外国人に利用を呼びかける。案内は無料のボランティアで行い、予約は受け付けていない。

 協会の発足は1984年7月までさかのぼる。当時の姫路城管理事務所長が「外国人観光客には丁寧な説明を受け、満足して帰ってもらいたい」と企画した。

 ガイドの質を高めようと、入会試験を行っている。例えば英語の場合、英検準1級レベルの能力を問う筆記試験に通れば、先輩メンバーらに同行して案内を学び、実地試験も受ける。2023年度は受験者14人に対し、合格者が1人にとどまる狭き門となった。

 案内する内容に台本などはなく、姫路城に関してメンバーがそれぞれに面白いと感じることを伝える。

 23年度は姫路城で外国人入城者数が過去最多を更新する中、協会メンバーが案内した外国人数も初めて7千人の大台を突破した。




 所属するガイドは52人。複数の言語で案内できる人もいる。言語別の内訳は英語が50人と最も多く、中国語が4人、韓国語が3人と続く。フランス語とスペイン語、ドイツ語、ベトナム語、インドネシア語も1人ずついる。

 英語のガイドが多いため、案内した客も英語圏の人が多い。22年度、客数の国別の内訳は米国が最大となる23%で、オーストラリアの10%、シンガポールの6%、カナダの5%が続く。

 一方で入城者が多い台湾人や中国人に対し、中国語の案内は十分に対応できておらず、ガイドの養成が課題となっている。

 また広域から通うガイドが多いのも特徴だ。姫路市在住は40%(21人)にとどまり、加古川市や高砂市、佐用町など県内の他市町に住む人が54%(28人)に上る。岡山市、大阪府など県外も6%(3人)いる。

 協会は「姫路城の知識に加え、地域の観光に関する情報も外国人入城者に提供し、姫路や兵庫県内外の観光活性化に役立ちたい」としている。

姫路城外国語ガイド協会、メンバーの意欲高く

■「私たち自身の学びに」~協会長の瀬尾貴政さん

 「教えるというより、私たち自身の学びになっている」。姫路城外国語ガイド協会で会長を務める瀬尾貴政さん(70)は、外国人たちとの出会いに感謝の気持ちを口にする。

 ベトナム系のオーストラリア人女性を案内した時には、「歴史の一場面に立ち会っている」と感じた。ベトナム戦争後に女性は妹とともに船で祖国から逃れたが、生き別れとなり、姫路に住む妹に会いに来たのだという。瀬尾さんは若き日に見た同戦争のニュース映画を思い返し、「ガイドそっちのけで身の上話に聞き入った」。

 別の日に案内した若いフランス人女性は、パリの展示会で葛飾北斎の浮世絵に魅せられ「もっと日本を知りたい」と来日。有名な作品「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」について「大波にもてあそばれる船を描くことで、大自然とそれに立ち向かう小さな人間を対比させた」と熱っぽく語る姿に、瀬尾さんは「まだ自分の国について知らない」と痛感させられたという。

 歴史や城が好きなこともあり、定年退職後を見据えて2011年に入会した。英語は大学卒業後も学び続けたが「最も力が付いたのはガイドを始めてから」。当初は案内の内容を丸暗記して臨んだものの、突然飛んでくる質問は聞き取ることすら難しかった。「自分の能力をすべて引っ張り出して答えなければならず、わずか2時間の案内ながら英語力の向上を実感した」

 国籍や年齢、見学の目的などがさまざまな外国人を案内する中で、気を付けていることは「期待するものが何か」を見定めること。「城の詳しい知識を提供することが必ずしも良いわけではない。『旅先であんな日本人がいたな』と思い返してもらえるよう、寄り添いたい」と語る。

■知り合った外国人と交流続け~長田みどりさん



 スペイン、ドイツ、オランダ、メキシコ、ポーランド、英国…。長田みどりさん(68)は姫路城の案内で知り合った外国人から地元について教わり、興味を持つと、夫と共に旅をする。ガイドになった2014年以来、そうやって訪れた先は7カ国に上る。

 思い出深いのがノルウェーだ。同国・ベルゲンの高校生と引率の先生らを案内し、先生の一人とフェイスブックでつながった。後日、ノルウェーを旅し、まちを案内してもらった。「この出会いがなければ、ベルゲンを知ることはなかったかも」

 「いろいろな国へ行くきっかけをもらえるガイドの活動は、自らの世界を広げ、人生を豊かにしてくれるんです」と目を輝かせる。

■塾の生徒の英語力磨く場に~松山竜司さん



 メンバーの年齢構成について60代が4割、70代が3割を占める姫路城外国語ガイド協会で、45歳の松山竜司さんは最年少だ。

 姫路市内で中高生向けの塾を運営している。高校生に英語を教える中で「英語をもっとうまくなりたい」と痛感し、勉強に励んだ。英検1級を取ったほか、話す力に磨きをかけようと2016年に協会に入った。

 年に1、2回、塾の生徒らをガイドに連れて行く。「日々学ぶ英語で外国人と話す経験をしてほしい。英語を使う仕事に就くなど、子どもたちの将来につながったらうれしい」と語る。


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「東大柱と西大柱の形が違うのはなぜ?」訂正

2024年03月26日 | 作事


以前、と言ってもずいぶん前ですが、「東大柱と西大柱の形が違うのはなぜ?」←タップしてください。
という記事で、三左衛門は大胆な推理をしました。すなわち「東大柱はもともと丸いからそのままで、西大柱は取り替えたことが直ぐ分かるように四角に加工した」

ところが、先日、元姫路城シルバー観光ガイドで、現在関西城郭研究会会長の森喜一さんからこんな資料を頂き、考え直すことにしました。以下引用します。

柱形状が東大柱は〇で、西大柱は▢であるのは!
三階で東西両大柱を見比べると、東大柱は丸柱であるのに西大柱は角柱である。
なぜでしょうか。
・東大柱は一本の通し柱でほぼ素材の形状のまま使われているので丸柱に近い
形状は理解できる。
西大柱は二本継ぎで三階に接手部がある。上下柱が素材のままでは接手部で
下部材と上部材の太さが大きく異なるので、それを同一寸法に調整する必要が
ある。そのために角柱に削り出し接手部を加工したことと想定される。
・旧西大柱も同様に接手部以上を角柱に加工しているので、あるいは単に新西
大柱も旧西大柱の組手部形状に倣ったものなのか。
・姫路城の建築物の柱はすべて角柱である。それ故東大柱の円柱(素材のまま
の形状)が特異と言える。東大柱の最頂部はかなり細く、これを角柱に加工する
と最頂部の平面積が65%(真円ならば)に減少してしまう。これでは荷重に耐え
られないと考えたのでしょうか。
<参考>東大柱の最上部は約50cm×約35cmの楕円形、西大柱の最上部は56cm×44cmの長方形
以上引用終わり

なるほどと思いました。西の大柱の下部は岐阜県の国有林から切り出されたヒノキ、上部は兵庫県神崎郡市川町笠形神社のヒノキで大天守3階でつないであります。だから、「下部材と上部材の太さが大きく異なる」のは明らかであり、下部材と上部材をつなぎやすくするため角柱にして同一寸法に加工したのだと思われます。それに加えて接続のための技術的な種々の問題のために角柱にしたと推理されます。

「姫路城の建築物の柱はすべて角柱である。それ故東大柱の円柱(素材のままの形状)が特異と言える。」
うかつでした。姫路城の建物内では円柱の梁も数多くあるので柱が東大柱を除いてすべて角柱だという事に思い至りませんでした。700回も登城していて恥ずかしい限りです。ということで、前回の記事は訂正します。「菱の門の名前の由来」に引き続き、今回も森喜一さんから助言を頂きました。深く感謝申し上げます。また、他にも三左衛門の推理は無理があると指摘してくださった方もいらっしゃいます。合わせてお礼申し上げます。


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