三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 6月29日 工場長と機械保全係り

2014-06-29 | メンテナンスお気楽日記
昨今は、大きな設備の企業でも「社長」とは名ばかりで、工場長・兼臨時?作業員の体制も
めずらしくない。設備は充実しているが、工場内には工員の姿が少ない。社長イコール工場長。

しかし、実態は糸をあつかう作業員は、手を汚す(油まみれ)訳にはいかない。
おいおい機械のメンテナンスは、欠点箇所がわかっていても、後回しにせざるを得ない。

この問題の欠点は、パート対応している企業で、機械の保全、生産率の低下(納期遅れ)
しいては、品質の低下として確実に現れている。

根源は正社員の高齢化、外注工場の廃業にあるのだが、ただ機械を稼働するだけでは
けっして「ものづくり」は成立しない。パートに「生産意識」を求めることも難しい。


そんな中、意外と?工場内の雰囲気も良く、パートさんの笑顔も見える工場もあります。
それも、たった一人のじいさんのおかげ。「メンテのおっちゃん」の存在です。

週3日それも午前中だけの出勤ですが、パートさんからの指摘で不良個所の調整や修理を
します。パートさんからは頼りにされ、パートさんは与えられた仕事に集中できます。

品質の低下、生産率の低下、機械の保全。これらの問題は、すべて「見過ごし」から始まる。
「おかしいナ」って思っても、「後でなんとか」が言い訳の始まり。

「工場長」って名前はあっても、それは生産管理や工場管理の責任であって保全員では
ありません。人には「役割」があり、それを一人でしようなんて無理がある。

大きな機械には、小さな歯車が色々組み合わされて、はじめてスムーズに動きだす。
「おっちゃん歯車」も必要なパーツの一つです。

パートさんの半分の給金?で工場がマトモに動き出す。こんな簡単な方法も有りなのダ。

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メンテお気楽日記 6月28日 カマの刃 争奪戦

2014-06-29 | メンテナンスお気楽日記
九州出張は無事対応しました。エラク気構えての段取りでしたが、何のことは無い
6時間ドライブより疲れることも無く、帰りは観光気分でのフライトでした。

メイン仕事は心配?したとおり2時間で終わってしまい、まさか一人観光も寂しいので
以前の顧客工場を訪ねました。5年ぶりにもかかわらず笑顔での懇談がうれしかった。

せっかくの九州の街並みでしたが、レンタカーのナビばかり見ていて、どこをどう走ったか
まったく記憶に残っていません。空港での「辛子明太子」選びの店の方が記憶できました。

さて、お仕事の話題ですが、出発当日お客さんより「カマの刃」の注文がありました。
ところがこれが大問題。「日本製でなかったらダメだからナ!」

市場に出回っているのは、韓国?台湾製の輸入品ばかりです。価格も一本40円程度で
安いのですが、切れ味がすぐ無くなり、中には最初から切れ味の悪いのもあるとのこと。

当然、撚糸屋のおやじや捲き工場の女工さんも解っているから、注文に際しては「国産」を指定。
ところが、国産の製造状況はおやじさんが一人でコツコツ作っている工場一軒のみ。

販売店には何か月に一回の割合での納品。だから入荷しても予約割り当てが決められていて
100枚注文しても25枚しか分けてもらえません。いくら欲しくてもナイものはナイ。

カマの刃メーカー?も需要が少なくなっての廃業だろうが、今はありがた~い職人さんが
一人がんばっているおかげ。また、この職人さんも職人気質らしく「数を作って欲しい」の
要望には「一日で出来る数は決まっている」「高くてもイイから回して欲しい」には
「原価と工賃を考えれば、こんなもんじゃ」なんて言葉が返って来るらしい。

「プロは道具を選ぶ」今日日100円ショップどころかホームセンターの道具まですべて
安価輸入品。先日覗いたホームセンターには日本製刃物コーナーに鍵が掛かっていた。

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メンテお気楽日記 6月26日 アルミナ崇拝

2014-06-24 | メンテナンスお気楽日記
                   資料写真です。実際はこんなにハッキリ解らない。

自動車関係に限ったことではないと思うが、糸のケバ事故に気を使う工場長の○○は半端ナイ。

カーシートの織物工場長は、外注加工工場をすべて廻り、加工機の糸道ガイドをすべてアルミナに
交換するよう強制?指示を出した。出来なければ工場変更もあると言う。

エアーバックやシートベルトのミシン糸を染める染工所でも、納品したシュワイダー機のガイドを
すべてアルミナ仕様に交換した。クレーム額を換算すれば、安い設備投資だと言う。

外注加工工場とすれば、数の多い糸道をアルミナに交換することは、けっして楽な投資ではない。
梨地ガイドでも充分仕事が出来ているし、糸スベリは梨地の方が抵抗が少ない。

只、問題なのは、景気低迷のせい?で部品交換がなされていない機械が多いという事実もある。
糸道部品は「消耗品」だという感覚すら失われている。特に中古機械には気を使ってない場合が多い。


確かにアルミナガイドは硬度が梨地の何倍かあり、点検を怠っても糸道事故はまず起こらない。
ただ、硬度があるってことは、衝撃に弱く、ヒビが入りやすいという特長(欠点)もある。

このヒビがくせ者で、欠けてしまえば解かるけど、ひび割れはフィラメントの太さと同様な隙間、
まず見た目では発見は難しいし、断面は鋭くケバの発生原因になりやすい。
そのため、事故が起こってからの点検が正直なところ。


この様に「ものづくり」には完璧は無い。起こってはいけないハズの原発ですら事故は起きた。
「品質徹底管理」と言われる工場の裏にも、必ず「製品ゴミ箱」がある。

つまり、商品として市場に出る前の「チェック」を徹底しているのが、優良企業といわれる。
工場長には、この生産事故・製品ロスをいかに少なくするかの課題が課されている。

知ってのとおり、自動車関係の繊維産業は髄いつ?単品ロットの多い仕事。
事故クレーム額も半端ナイ、工場長の采配が即会社の存続にも影響を及ぼす。

だから工場長は・・・・・

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メンテお気楽日記 6月22日 卓上ワインダー。新作完成?

2014-06-22 | メンテナンスお気楽日記
いくら、問い合わせがあっても、中古整備では先が見えているし、現実その「中古」すら出てこない。
倉庫にある部品を整備して、自作の卓上ワインダーも作ってみたが、何かが物足りない。

桐生の(元)本社にも提案していたが、販売予測と人手不足?を理由になかなか動いてもらえない。
一年越しの説得も、何のことは無い?桐生にも注文が入ったことで、トントンと話が進んだ。

ドラムやクレドール等の部品には、まったく問題はない。ただ本体というかフレームの型が
廃業の際処分されている。型作りからの製作になれば、二の足を踏む気持ちも解る。

「販売価格は10万以下なら・・」との提案がいけなかったのか、低価格製品は製造側にも
販売側にもデメリット、はっきり言って儲けが無い。あるのは提供できたという満足感だけ??

ともかく、作る気持ちになっただけでもウレシイ。

対応はフレームの鉄板加工で乗り切る、アルミダイキャスト製のおもみ?は出せないが、
製品としての形は整った。なにより嬉しいのは、三筋スタイルが表現出来たこと。

中古整備に際しては、どうしても圓井さんや天羽さん方式のドラムの上で糸を捲く方法。
構造的には簡単だが、糸道を手前まで通すことになり、あつかいがけっこう気になる。

三筋タイプなら、ペッグから紙管まで片手で出来るし、三筋テンション装置ならば、
ワキシングやオイリング、その他のテンサーにも簡単に対応できる。なにより産業機の
部品がそのまま利用できることが大きい。それが安価製作の秘策?にもなっている。

カラー塗装に関しては、どうしても三筋のミドリ色呪縛から抜けきれない。これには工房や
オフィスの需要を鹹味すれば、薄ムラサキも有りかな?青と緑は産業機械色のイメージが強い。

新作1号機は武蔵野美大へ納品のこと、ここで使い勝手に改良を加えれば、もう完成!
だって、三筋の技術のつみかさねを凝縮した卓上タイプ。そのままでもスグ使えるハズ。

モーターはオリエンタルのスピードコントロール、タイマーは仕様によって選べる。
卓上ワインダーのポイントは産業機とちがい、色んな糸への対応が要求される。

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メンテお気楽日記 6月19日 職人さんや~い!

2014-06-19 | メンテナンスお気楽日記
話題にすれば、呆れてしまい笑いも出ないお仕事です。今度の依頼先は九州です。

2年前、ネットのおかげで佐賀県から機台注文がありました。仕事内容を電話で確認し
自分なりに考えて3錘の機台を組み上げ、トラック便にて納品しました。

先日「騒音が出るようになった」との連絡があったので、「多分シャフトのすり減りが原因」と
直し方?メンテ指示をしました。でも職人さんがいないし、知らないとのことでした。

さすがに、それだけの事?で九州出張も考えられないので、近辺の職人さんを探しました。
まず、機料店や販売店、職人仲間にも「九州方面に修理のできる人を知らないか?」
でも、全然情報が入ってこない。そんなハズはないハズなのに・・でも知らないとの事。

次に機械メーカーや繊維備品の営業担当に連絡して、情報を探りましたが、これも不発。
ついには、以前九州出張した工場の名刺を頼りに何軒か電話した「お久しぶりです!」

答えはすべて「産地からのメンテナンスを頼んでいる。自分で出来そうなことは鉄工所で
やってもらうが、繊維機械の職人はいないから・・」
そう言われれば、これまではみんな北陸の機料店からの依頼ばかりだった。

さっそく客先に電話して「鉄工所を紹介していただければ、指示はしますから。」
でも、返答は「来てもらえますか?」「エッ・・・・・」「まあ・・・・・」

10万未満の機械に10万のメンテナンス料金?どう考えても割が合わない。
それより、1~2時間の仕事のために新幹線か飛行機出張。そっちの方が気が重い。

昨日までの千葉県出張にしたって、作業時間は充実しているが、帰りの6時間ドライブ。
一人でむっつり運転していれば、仕事の何倍かの疲れが溜まる。もう若くはないのダ・・・。

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