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フレディ・スペンサー ライディング基礎講座 -其の壱-

 今回のタイトルは、
敢えて奇を衒わず正直に書きました。
今日の日記は、小出しにせず長文で参ります。
一気にお伝えしないと感動が伝わらないかと思いまして…。

 さて、事の始まりは、4月中旬。
MotoGP茂木ラウンドの公式ページをみるにつけ
『はぁ…今年も仕事で行けないんだよなぁ』
などと凹んで居たところ、
ページの一部に変わったリンクを発見。
なんの気なく、押してみると

 【フレディ・スペンサー ライディング基礎講座】

とありました。

 その後数日は、”どうせ仕事で行けない”などと
そんな事もすっかり忘れていたのですが、
今月度のシフトが出て、目を通すと4/27が休みになっていました。
『これはっ!』と何かが閃き、先述のページに戻ると
”募集定員60名 先着順”とあるではないですか。
サーキットに相応しいバイク装備も整っていないというのに
つい申し込みをしておりました。

 スクールの詳細は、
【伝説の名ライダー、フレディ・スペンサー氏にコーチを受けられ
  更にはサーキットで走行も出来る】
なる、とっても魅力的なものでした。
とはいえ、内容が内容ゆえ”先着60名”など
瞬時に定員オーバーなのは想像に難くなく、半分諦めていました。
なにせ、スペンサー氏といえば世界中のライダーの憧れ。
そんな彼に教えてもらえるなどとは、正に夢の世界のお話。

 ところが、翌日。
スクール事務局から一通のメールが送られてきました。
【貴方の申し込みを受理致しました、詳細は追って郵送します】ってね。
一瞬我が目を疑いました、ですがすぐに我に返ります。
 
 返事が来たのは”4/22”。スクール当日は”4/27”。
当日までに”取れる休みは1日だけ”だったのです。
ここでもう迷ってはいられません。
その貴重な一日に、バイクの再点検をし、
レーシングブーツを買いに行きました。<先日の日記>

 その後、悶々とした仕事の日々も、
最高にエキサイティングな予定の前にはあっという間に過ぎ。
遂に4/27当日となります。
当然ながら前日まで仕事、帰宅したのは23:00頃。
翌朝の荷物だけ用意して早めに床に就きます。
…まぁ、ドキドキしてなかなか寝付けなかったんですけれど。

 いつの間にか翌朝。
目覚ましは5:45にセットしてありましたがその直前で起床。
眠気を振り払いながらシャワーだけ浴び、
髪も乾かぬまま完全装備を身に纏いました。
【皮ツナギ・レーシングブーツ・プロテクター入りグローブ
  フルフェイスメット・メッシュジャケット】といった所。

 6:30には出発。
途中首都高の渋滞に巻き込まれたりしながら8:20過ぎには、
茨城の美野里PAに居ました。

01_sa
フトいのは仕様です。お恥ずかしい。

 因みに、時間制限は9:30~10:00までに受付完了。
如何に茨城北部に到達しているとはいえ、
目的地のツインリンクもてぎにはまだまだ距離があります。
時間的な不安もありつつも、ちょっと飛ばし気味に出発。
 北関東自動車道の友部ICを降り40kmほどでしょうか、
ツインリンクもてぎに入ったのが9:25頃でした。
なんとかセーフです。

 開場前だというのに、
会場のASTP(アクティブセーフティートレーニングパーク)駐車場には
既に数十台のバイクが到着していました。
中にはトランポ組みもちらほらと。
僕の直前に走っていた方は、お連れの女性を見学に連れてきていました。

 大量のバイクの横にCBRを停め、
受付の建物に入ると、申し込み票と料金を受付に提出します。
屋外に出て、CBRの所に戻ると…
数人の方に声をかけられました。
「Rothmansすごいですね」って。
なにせ、フレディ・スペンサー氏は【Rothmansカラー】で走っていた方。
参加メンバーにロスマンズカラーに思い入れが無いヒトは居ないかと(笑
ちょっと恥ずかしいながらも、悪い気はしません。
「缶スプレーで塗りました」と伝えると皆さん驚いてくれました。

 当然ではありますが、皆さんの装備は僕とほぼ同じのフル装備。
バイクこそ色々な種類があるものの、ちゃんとした格好で来て良かったです。
珍しいバイクは、RIZZLAカラーのR1000だったかな。
それこそハーレーから、ZRX、NSR系の2st勢、NS400(勿論ロスマンズ)、
スクーター参加禁止なのにHONDA的に例外なのか、DN-01まで居ます。

 軽く雑談をしていると開始時間の10:00になり、
係員さんから建物内の教室に入るようにとの指示。
教室に入ると、まずは本日のスケジュール説明です。
20分程の説明のあとは…いよいよ登場です。
遂にフレディが歓声と共に会場入りしてきました。
 
 フレディの最初の挨拶に続き、
まずは座学。ここで彼の情熱の高さが伺える展開に。
実際の講義内容は、僕がお伝えするのも妙なのでカンタンに。
本当にカンタンに表現すると…

【常に余裕を持って、意識のもとにバイクを制御する】

という内容。今回は基礎講座です。
当然のように当たり前ですが、意識の外に置かれそうな事を
実に丁寧に講義してくださいました。
ただ、彼曰く

「僕はGPレースの時も常に70~80%で走っていた。」

 との事で、彼の凄さが伺えるというものです。
終始、何度も強調されていたのが

「意志の下に操作をするように」

 でしたね。当たり前のようですが実際出来ていないものです。
それを繰り返すことによって、"muscles memory"が出来上がり
常に余裕を持って全ての挙動に対処できるようになる。
そういう事だそう。
「周囲のライダーにも伝えてくれ」と言うので今回書いておきます。

 熱のある講義が続き、ここだけで予定時間を1時間程度超過。
講座終盤のロードコースのフルコース走行は
前後の予約の関係もあり、その時間しか取れないため
進行役の方から講義にストップが入る始末でした。

 講義のストップ後は屋外に出て、安全講習の広場で
バイクを操る時の基本的なポジションと操作方法、
準備体操と記念撮影を行いました。
ロスマンズカラーのツナギに着替えたフレディは
屋外の講義でも力は抜きません。

 その証拠に、当初は主催者側で60人纏めて講義の予定だったのが
「60人の定員を半分づつに分けてくれ」とのリクエストがあり、
「30人づつでないと、僕の伝えたいことは伝わらないんだ」と引かなかったそう。
その言葉に偽りがないぐらい、操作説明でさえ丁寧でした。

 そうそう、その途中の話なのですが…
僕がバイク置き場にタンクバックを置きに走ると、
フレディが歩いてきて僕に向かい、

「Oh! Good! o-eight?]

と笑顔で仰るんですよね。
僕、まさかフレディが近づいてきて僕に話しかけるとは
夢にも思わず…
もう舞い上がってしまいまして…

 ”言っている意味”が、完全にわかりませんでした。
これ、今回最大の不覚なんです。
そのあともフレディは、意味不明な顔をしている僕に
「o-eight? two thousand eight?」
と聞き直してくれたのですが、相変わらず頭は真っ白。
彼は残念そうな顔をして去っていきました…。

 フレディに自分のRothmansCBRを褒められるなんて
これほど光栄な事はないのに…。
近づいて来てくれたんですから、
一緒に写真をとれたかもしれないのに。
本当に自分のマヌケ具合に悔しいやら悲しいやら…。

02_nsr500_2
 写真は、全員集合で記念撮影時のフレディ。
僕は写真を撮っている為、肝心のバイクが写っていませんが
HONDAのコレクションホールから引っ張り出してきた
NSR500に跨っています。(NS500に見えましたが、係の方がNSRとの事)
この模様は、複数社来ていた雑誌の取材班が撮影されていて
来月以降に掲載されるんじゃないかな。

 そんなのち、準備運動も終わり今度は
”南コース”に移動となります。
この時点で、既に午前は終わり掛け予定を随分とオーバーしています。

 南コースでは、まずは先導のインストラクターの後ろについて
スラロームやらラインが引かれた周回コースを走ります。
まぁこの辺はなんの問題もありませんね。
ですが…、たまたま並んだ
前走者の方がちょっとバイクが苦手らしく、
ずっとウィンカーは点けっぱなし、
スラロームでは詰まるし、コーナーも不安定でした。
スクールなので”それでいい”んですが、
僕以降の方々にはちょっと悪い気がしました。

 慣熟も終わると、
聞き慣れた音が聞こえてきました。
なんと、フレディが'08 CBR1000RR国内 に乗って登場。
タイヤを暫く暖めたあと、僕たちの前でデモ走行。
”良いブレーキング””悪いブレーキング”を見せてくれました。

 その後は、フレディ自らが全てのメンバーの
ブレーキングを見てくれることに。
要領は”急制動”なのですが、
”確実に止まること”が目的ではなく
先述の”意識下にコントロールを置いてブレーキング”です。
80km/h程度に速度を上げ、2つのカラーコーンを目安に
1つ目でブレーキ開始、2つ目で停止となります。

 程なく僕の順番がやって来ます。
CBRなので2速の低めの回転で80km/h。
フレディの目の前でフルブレーキを行うと…
2つ目のコーンのちょっと前で停止してしまいました。

 全員褒められていたのかもしれませんが
第一声が「いいね!素晴らしい」でした。
続いて「でもちょっと強いかもね。でも良かったよ!」
との事。嬉しかったですね。
普段からブレーキングは基本的に自分の制御下にあり
交差点を含め、色々な局面で意のままに止まる事を
意識して(半ば遊びで)走っている効果があったようです。

 そうそう、丁度ブレーキングのアドバイスが終わった後
続いて周回路に入ろうとしたのですが…
【ヤングマシン】というバイク雑誌で有名な
大屋さんというライターさんの後ろにつきました。
乗っていたのは'08かな…赤銀のCBR600RR。
タイヤは見事に青焼けしていて、タダ者じゃない感じ。
僕の真ん中減り街乗りタイヤとは大違いです。

 速度も低いコースだった為、
僕自身はフロント荷重を抜き気味にしてフロントを滑らせたり、
フレディの講義通りトレールブレーキをしながら安定させたり、
そんな感じで後ろを走って拝見させて頂きました。
他の参加者の方と少し雰囲気の違う走りでしたね。
レースでもされているのかなぁ。
 この大屋さん、
午後の部でちょっとお話をさせて頂く機会もあったりしました。
それはまた後ほど。

 因みに、南コースでの走行練習ですが
前述の教室での座学が長引いた影響もあり、
予定したメニューを全てこなす前に、
午後に備えてASTPに戻ることになってしまいました。
2度目のブレーキングは更に完璧に出来たと思うんだけどなぁ…。
ですが、チャンスってこんなものですよね。
一度で決めてこそ優秀なライダーです。
二度目を待っていたら取り返しがつかないわけで。
これが今回学んだ事の一つかもしれません。
【常に意識を持て】そういう事ですね。

 サーキット内の道路を列をなして戻り
講堂に戻ると昼食タイムです。

03_member
参加者のバイク一覧。60台とはいえ沢山ありますね。

04_lunch
 お茶とカツ弁当が配布され、
教室で暫しの休憩をとりました。

と、ここまでで随分と日記が長くなってしまいましたね。
最初は今日の日記だけで書くつもりでしたが、
午後の部は更に、
更にドラマチックでエキサイティングな展開が待っています。
午前中の比ではありません。凄かった…

 でも明日も仕事ゆえ、
今日はここまでにさせて頂きます。
ああもう3:00だ…寝ないと。

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